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ウェビナーレポート:大人世代の美容やコスメに対する意識・実態把握~1000名調査から見えた効果的なコミュニケーション~
化粧品口コミサイトの@cosmeでは、昨今、クチコミ内で「大人女子」「大人世代」といった大人関連のワードが増加傾向にあることに加え、「シミ改善」「シワ改善」「弾力ケア」「年齢肌」等、大人の肌悩みに関するワードも増えています。
一方、年代があがるにつれ、家族や友人などリアルな場で化粧品や美容について話すことが減っていくこともわかっており、実際に40代以上の方がどのような価値観を持ち、どの情報源から美容関連の情報を得ているのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
大人女子の価値観を探るとともに、効果的なコミュニケーション事例まで紹介したウェビナーについて紹介します。
大人世代の美容・コスメに対する意識を紐解く
大人女子の価値観
まず本ウェビナーでは、大人女子を「40~60代」と定義しております。
初めに、大人女子の価値観とその変化を探るべく、コスメ意識調査を実施し、さらに2016年6月実施済の同様の意識調査の調査結果を比較しました。
▼調査概要
大人女子の価値観として特徴的な変化は、下図のとおり2016年のデータと比較すると、40-60代では「年齢や老いにとらわれず自分らしく行動するべき」、「自分の価値は自分が決める」といった回答がそれぞれ上昇している点が挙げられます。
「自分らしさ」を大切にする意識や価値観は浸透してきているといえます。
▼年齢への向き合い方・自分らしさ/自分の価値への時系列変化
大人女子のコスメ・美容意識と実態
美容/コスメ意識に関しても同様の傾向で、大人女子では「自分らしい美しさ」を7割が求めているようです。
「流行・トレンドは気にせず、自分がしたいメイクを楽しみたい」も6割半ばと、20~30代の意識を上回っており、自分らしさを大切にする価値観が垣間見えます。
▼美容やコスメへの意識
しかしその一方で、実際に「自分らしい美しさ」が実現できているかという問いに対しては、下図のとおり、意識とのギャップが大きい結果となりました。
▼美容やコスメに対する意識と実態のギャップ
大人女子の美容やコスメに関する不満や悩み
意識と実態のギャップがある理由として、自分らしい美しさを求めているものの、「コスメに関する情報が溢れていて何を信用してよいかわからない」「自分に合った美容やコスメ情報と出会えない」などという悩みを感じているため、自分らしさの実現につながりにくいという実態が調査結果から見えてきました。
また、抱えている悩みや不満に取り組めているか、という問いに対しては十分に取り組めていないという人が大半のようでした。
そこで、不安・悩み解消に取り組めていない理由についても分析しました。
エイジングに伴う悩みは、対処法がわからず、諦めの意識も垣間見えます。
「自分の魅力」や「似合う色」「自分らしい美しさ」など自分らしさに関する悩みも、対処法がわからないようです。
また、情報に困惑している様子も見えてきました。
情報過多だからこそ、信用できる情報と出会いにくい環境で、 美容・コスメのトレンドも捉えにくいと推察できます。
気になるコスメと出会っても、手を出せなかったり、今使っているコスメから変えるのはリスクと考え、結局いつものコスメに妥協する状況につながってると考えられます。
▼不安・悩み解消に取り組めていない理由
大人女子が求めている情報
それでは、大人女子はどのような情報を求めているのでしょうか。
調査では信用できる情報源は、大人女子の7割近くが「ない」との回答でした。
▼関心のある情報とその情報を十分に得られているか / 信頼できる情報源の数
SNSの活用率も、20~30代と比較すると低めです。
▼SNSの活用率
大人女子の意識・価値観のまとめ
調査結果から、年齢に関係なく自分らしい美しさを求められる(求めても批判されない)世の中になりつつあるが、自分らしい美しさが迷宮入りしている様子がうかがえます。
「自分らしい美しさ」を求めるものの、「自分らしい美しさが何かわからない」「自分の魅力がわからない」などの悩みを抱えており、自分らしさは求めるものの、出会えている人は少ない様子です。
また、若年層と比べて、流行・トレンド情報への関心や自己投資意識は低く、新たな情報が自然と入ってきにくい状況が見えてきました。信用できる情報源は少なく、氾濫する情報に困惑する様子も窺えます。
YouTube以外のSNS(Instagramなど)の活用状況は低く、個人最適化された情報ともリーチしにくい環境。結果いつものコスメで妥協してしまっていると思われます。
美容高感度層から大人女子へのアプローチの糸口をさぐる
それでは、大人女子へのアプローチはどのようにすればよいでしょうか。
そのヒント・糸口をさぐるべく、美容感度の高い大人女子の意識を中心に分析しました。
※美容やコスメについて、「情報収集」「情報発信」「トレンド感度(情報)」「トレンド感度(行動))」「時間投資」「金銭投資」「こだわり」といった各項目について聴取し、回答を得点化する事で、美容感度の高い人を定義しています。
美容感度が高い層では、「ウェルエイジング」意識が特に高い一方で、「若く見られたい」意識も高いのが特徴です。
その影響もあり、自分のメイクが「トレンドとずれているのではないか」「痛い人だと思われていないか」心配・不安が高いようです。
また、高感度層であっても、美容・コスメ情報への困惑・不安は存在する結果となりました。
メイクやスキンケアに対してもポジティブで、「自信をくれる」「気分・気持ちをアゲる」ものと考える人が多い点も見えました。
▼「スキンケア」や「メイク」はどのような存在か
大人女子の美容意識や価値観についての
調査結果レポートはこちら
ここで、コスメ・美容業界に限らず、生活者全般の意識や価値観に目を向けると、物価上昇、円安の影響などで、海外旅行などの大きな消費ではなく「日常の中にある小さな喜び」
「日常の中にある小さなハレの日需要」に注目が高まってきています。
忙しい生活の中で、遠出や旅行ではなく、手軽に疲れた体を癒したりこころを整えたりする動きがみられるのです。
こういった、生活者の日常へのちょっとした贅沢・投資といった点が、メイク・スキンケアが持つ価値との親和性が高いと考えられます。
こういった点を訴求していくことが、「自分らしい美しさ」が迷宮入りしてしまっている大人女子へのコミュニケーションのヒントになるのではないでしょうか。
大人女子に向けてコミュニケーションの在り方
ウェビナー後半では、アットコスメの口コミや事例を紹介していきました。
まず、大人女子という表現がターゲットに受け入れられているか、という点が疑問かもしれませんが、口コミ分析の結果、大人女子自身が自らをそう呼んでいることが判明しました。
また、この10年で、コスメの年間ヒット商品ランキング自体にも変化が見えています。
以前は20代に人気の商品は、40代のランキングとは異なるものが多かったです。しかし、2023年になると40代に人気の商品トップ10位中6商品が、20代と同じ商品がランクインしています。
ただし、参考にしたいのは自分と同年代の意見というジレンマを抱えています。
そして同時に、自分のための情報がまだまだ少ない、と感じている様子も口コミからはうかがえます。
その大人女子に対しての、効果的なPR事例についても紹介がありました。
詳細は、こちらからご覧ください。
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