PROJECT STORY 1 消費財メーカー ブランド戦略プロジェクト
クライアント企業と商品ブランド戦略を創発し、
リサーチからマーケティングパートナーへ

STORY

誰もが日頃手にしている“あの日用品”を手がける大手消費財メーカーA社。数多くの商品ブランドを抱えるA社は、これまでのマーケティング戦略を更に進化させるための『ブランド調査プロジェクト』を2009年にスタートさせた。電通マクロミルインサイト(以下DMI)は、10年にわたって、このブランド戦略を共に創発するマーケティングパートナーとして、信頼を得てきた。プロジェクトを牽引する2名のコアメンバーから印象的なエピソードを伺った。

株式会社 電通マクロミルインサイト
プロジェクトマネージャー
2000年度入社。入社以来リサーチの現場でキャリアを積み、本プロジェクトに黎明期から参加。約10年間の継続に中心的な役割を果たす。

株式会社 電通マクロミルインサイト
リサーチプランナー
2014年度入社。入社1年目は集計解析を経験し、2年目からリサーチプランナーへ。得意とする定量データの分析力で本プロジェクトに貢献。

CHAPTER_1

顧客に提供する
DMIの品質価値とは?

  • プロジェクトの背景を教えてください。

    幅広いカテゴリーで多くの商品ブランドを抱えるA社で、ブランドマネジメントに資する、より強固な基盤となる調査を新たに立ち上げようという動きが本格化したのが2000年代半ばのこと。商品ブランドごとに行われる個々のマーケティング活動を横断的に評価する仕組みをつくり、より戦略的なマーケティングに繋げていくことを目的として、「ブランド調査プロジェクト」が立ち上がりました。カテゴリー横断的に自社・競合のブランドを評価し、安定的にトラッキングする調査にするため、研究やテストを何度も重ねて、本格的にスタートしたのが今から10年以上前の2009年になります。

  • DMIが参画することになったきっかけは?

    もともとDMIは、電通グループの一員としてA社のリサーチやマーケティング戦略に長年携わってきていました。そこで培った関係性や、A社の商品ブランドやマーケティングに関する考え方の理解がベースにあったことが大きいです。電通のマーケティングやブランディングに対する深い知見に支えられ、DMIのリサーチ設計/運用/分析力をトータルで評価いただいたことが「ブランド調査プロジェクト」の一員として任せていただく結果になったと思います。

  • 「ブランド戦略プロジェクト」の最初のステップとは?

    まず、「ブランド定点調査」が出発点。これは、生活者に対してA社および競合となる商品ブランドの評価を年2回定点的にトラッキングしていくもの。1回の調査で数万人のデータを集める調査で、質問のボリュームとしてもDMIの扱う調査の中でもトップクラスの大規模な調査です。
    一言で言うと、ブランドの定期的な「健康診断」ですが、この調査を続けてデータを蓄積していくことで、今後のブランド戦略に活かしていこうというものになります。

  • プロジェクトにおける困難な出来事を教えてください。

    最初の数年間は、なによりも安定的な運用とデータ精度の担保に腐心しました。スタート当初はやはり調査フレームや聴取内容が固定しきれず、そのためにデータが安定しなかったため、その検証や試行錯誤の連続でした。調査フレームを「この形でいこう」と納得する形で確立するまでの数年間の日々は、今思い返しても、長い道のりだったと記憶しています。
    ただ、本当に苦労したのはその後の方で(笑)。調査の運用が軌道に乗り、データがストックされてくると、今度はそこから有効な分析結果やアイデアを導くことが当然求められます。調査を重ねるたびに新しい発見ができるようA社とも毎週のようにミーティングを行う中で、膨大なデータの山に埋もれて、気が付けば朝になっているようなことが日常でした。ただ、その日々の結果として、現在にも繋がる知見や分析視点を確立することができたのだと思っています。
    A社のご担当者とはプロジェクトを通じての信頼関係も築くことができ、現在では半期の調査終了を区切りに慰労会を開いてプロジェクトの振り返りを行っています。

CHAPTER_2

認められ、
広がっていく喜び

  • その後のプロジェクトはどう進化していきましたか?

    私が参加したころには「ブランド定点調査」がひとつの形で確立しており、「定期健診」の結果から、よりブランド課題の発見に繋がる「二次診断」としての分析・提言が求められるようになっていました。そのためには、蓄積したデータから、これまでとは違う意味や傾向といった『発見』が求められますし、ブランド課題の解決のための新しい調査の企画設計を進める時期でした。

  • このプロジェクトには、いつ頃から参画したのですか?

    2017年です。当時は、集計解析からリサーチプランナーになりたてで、初の大規模調査案件。A社のプロジェクトチームは、マーケティングに専門的に取り組んでいるプロフェッショナルチームで、調査に対する知見も非常に高く、最初の打ち合わせでは、言葉の意味もほとんど理解できずに圧倒されました。ただ、データを扱うことには臆することなく、要望を踏まえて自分でデータを探りながら対応していくことで、徐々にアプローチできる範囲を広げ、信頼に応えられるようになってきたと感じています。

  • A社のプロジェクトの面白さはどこにありますか?

    「ブランド定点調査」のデータを活用して、多角的に課題を検証していく作業そのものに非常にやりがいを感じています。一方で、商品ブランドの調査を継続していくことで、コーポレートのブランド調査や、グローバルでのブランド課題解決のための調査へとフィールドが広がっています。この2つの調査は現在、自分が主担当として動いており、毎年、海外での現地調査へも赴いています。最初は無我夢中で食らいつき、学んでいく日々でしたが、A社の案件の面白さは、クライアントに認められていく喜びの中で、自身のリサーチ領域の広がりを実感できること。まだまだ途上ですが、こうして日々自信がついていると感じています。

CHAPTER_3

それは愛されるブランドのために

今後のプロジェクトにおける意気込みを教えてください。

  • ある程度、土台が築かれた状態から私は参画したものの、やはりこのプロジェクトを受け継ぐ存在として、新たな価値を出していきたいです。これからは、リサーチプランナーとしての枠を超えて、よりブランド戦略に踏み込める存在を目指し、A社のブランド向上を力強く支えていきます。

  • 立ち上げて数年経った頃に、「この調査は、先行指標となっている。そこに価値がある」と言ってもらえたことが強く心に残っています。また、先日は「この変化の大きな時代に、10年間、その価値を色褪せることなく続いている調査は大きな財産である」とも言っていただけました。10年間継続してきた調査のデータが、A社のブランド戦略立案の中で、重要な役割を占めていること、その調査にDMIとして携われていることには誇りとやりがいを感じています。
    これからも、クライアントの課題に真摯に向き合い、A社の愛されるブランド作りの一助となっていけるようメンバー全員で取り組んでいきます。

CLIENT VOICE
A社 ご担当者様よりメッセージ

DMI様とは長期的なパートナーシップの中で、どのようにすれば生活者の便益に最終的により繋がる情報を導出できるのか、そういった視点でのプロジェクトの展望を相談・共創しながら、共に歩ませて頂いております。
我々が抱える難題に対し、DMI様のネットワーク上の強みである電通グループやマクロミル社との連携も主導して頂き、一つ一つのリサーチに真摯に向き合う姿勢が、各ご担当者様から感じられ我々の信頼の源泉になっています。
示唆に富んだ生活者の洞察を拾い上げようという(リサーチプランナーに本来的に求められる)こだわりの姿勢、リサーチスキルの高さを日々発揮して下さっています。我々が気付かなかった生活者のサプライズな発見を届けてくれる、非常に頼もしい唯一無二の存在です。

PROJECT INDEX