電通マクロミルインサイト“人と生活研究所”は、 人々のウェルビーイングに着目、企業のマーケティング活動において、よりウェルビーイングを進めていく活動を促進・支援していきます。
この度、第一弾研究として「これからのウェルビーイング/コロナ以降のメンタルの良い変化分析」を実施しました。
「ウェルビーイング」(well-being)は、直訳すると「良い状態」「良きありかた」。人々が身も心も社会的にも良き状態にあるという概念で、日本では「幸せや幸福」が近い言葉かもしれません。
経済成長だけではないSDGsやサスティナビリティ実現の必要性、下がり続ける国連の日本の幸福度ランキング順位への懸念など、日本でも豊さの再定義と、人としてより「良くある」状態を目指す重要性が増してきています。
そして、2020年は「新型コロナウイルス」が世界中にダメージを与え、感染拡大や、感染拡大防止のための自粛で、私たちの生活は様変わりをしています。そんな中これを一つの転換期とし、より良いウェルビーイングを志向する社会を創っていくべく、”人と生活研究所”は今後企業活動におけるウェルビーイングの推進支援に取り組んでいきます。
より「ウェルビーイングなニューノーマルを創っていく」そんな活動を目指します。
第一弾として、自主調査結果「コロナ以降におけるメンタルの良い変化の要因分析」の結果を発表致します。
“今後のウェルビーイングな社会の姿とは何か”の理解のため、コロナ禍における良い変化、特に生活者目線でのメンタル面での良い変化に着目してみました。
コロナの影響によって、失ったもの・変わってしまったもの、悲しみ、不満はたくさんあります。ただコロナによって悪いことばかりではなく、新しい良い変化を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
コロナを転換期とした場合に、どんな状態が生活者にとっての良い状態なのかを探るべく、メンタルの良い変化に着目しました。
脳神経科学や心理学でも、良い面・ポジティブにあえて着目するだけで、より良いことに意識が向き、気持ちも明るくなる、そんな研究もされています。このコロナ禍においてポジティブに目を向けそこに気づくことは意義があることと考えます。
2020年9月に、「Q,新型コロナウイルスが流行する以前と比べて、現在のココロの健康状態が良くなったか、悪くなったか」を尋ねると良くなった計が26%、悪くなった計が34%、変わらないが40%。
コロナ流行以降、心の健康について悪い変化が起きた層がもちろん多いが、良い変化が起きたとする層も26%存在。特に若年、男性10代20代/女性10代でよくなった(計)が多く4割弱。
N=3000ss 15~69才男女
どんなメンタルの良い変化が起きたか、なぜ良い変化が起きたと思うか自由回答を得た。
その自由回答をつぶさに見つめ、文章内容から同じ傾向のものをまとめた(FA-AC)。
メンタルの良い変化の内訳・要因の上位は主に以下。
※%は心の健康の良い変化が起きた人774ssベース
今回の分析を通じ、コロナ禍においても、その変化や新しい生活様式に、ポジティブに対応しようとしている生活者の姿が確認されました。その適応や、メンタルに好影響を与える行動や生活は、コロナ禍だけでなくても、よりウェルビーイングな生き方につながる有効な手法・ヒントと考えます。
ここまで紹介した上位結果は、抽象化すると「いらない“ねばならない”を手放す」「時間の使い方の主役を自分に取り戻す」「家族をより感じる」「心の持ちようを変える・自分の心を客観視する」「規則正しい生活と日を浴びる習慣づくり」「趣味等没頭時間を作る」「筋トレでちょっとした目標達成」「見過ごしがちな周囲の外空間や自然に視線を向けてみる」等とも言えます。
そしてこれらの行為は、人々が意識的に行うだけでなく、企業が自社の商品やサービスを通じ、その行為を促進・アシストしていくこともできるのではないでしょうか。
”人と生活研究所”では、今後もこのようなウェルビーイングにつながる法則を見つけ出し類型化を行ってまいります。
そのことで企業活動のウェルビーイング促進施策を展開していきます。
調査時期 | 2020年9月14日~16日 |
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調査対象者 | 全国の15歳~69歳(調査時)の男女 |
全体サンプル数 | 3000サンプル |
新型コロナウイルスが流行する以前と比べて、今の自身の心の健康状態について「非常に良くなった」「良くなった」「やや良くなった」と回答した層774人の自由回答からの分析