先日ご紹介したロサンゼルスのシェアスクーターに関する出張レポートPart1に続いて、ロサンゼルスレポートPart2をお届けします。
電動化、自動化が進むロサンゼルス、今回は自動運転のタクシーWaymoについてです。
Waymo とは、Googleの親会社Alphabet傘下のWaymo社が展開する自動運転タクシーサービスのことですが、まずは簡単にその沿革についてご紹介します。
目次
自動運転タクシーサービス:Waymo社の沿革
2009年:はじまり
1月にスタンフォード人工知能研究所で元ディレクターをしていたGoogleエンジニアとGoogleストリートビューの発明者が中心となり自動運転プロジェクトをスタートしたことから始まります。
2010年:自動運転の行動テスト開始。「Waymo」の設立
カリフォルニア州にて初期の行動テストを開始し、サンフランシスコからロサンゼルスまでの長距離走行に成功。その後、2015年に初の完全無人運転試験を行い、2016年にWaymo社として独立。
2017年:商用化に向けてのテスト運用開始
アリゾナ州フェニックス郊外にて自動運転タクシーサービスの試験運用をスタート。
2018年には一部の乗客に限定し、商業ライドシェアサービス「Waymo One」を正式に開始し、のちにサービス範囲を拡大。
2020年:無人の自動運転タクシーサービス開始
ついに、フェニックスエリアで完全に無人の自動運転車によるライドシェアサービスの一般提供をスタート!
その後、アメリカ国内で利用可能エリアを拡大し、2021年8月、サンフランシスコにてテスト運用を開始し2024年8月にはサービス提供を開始。
ロサンゼルスでは2024年3月からテスト運用を開始し2024年11月にサービスを開始しています(ちなみに私が行った10月はまだテスト運用中でした)。
現在Waymoのサービスは、アリゾナ州フェニックス、カリフォルニア州サンフランシスコ、そしてカリフォルニア州ロサンゼルス、テキサス州オースティンと4カ所で提供されています。ロサンゼルスはこの4つの都市の中でも最大の都市であり、自動運転技術の実用化に向けた重要なマイルストーンとなっているそう。ちなみに、Waymoの名前には “a new way forward in mobility.” (モビリティの新たな進むべき道)という意味が込められているようです。
自動運転タクシーサービスの概要
サービスの概要
・運転手が乗車しない完全自動運転タクシー
・専用アプリ【Waymo One】を通じて誰でも利用可能
・現在のサービスエリアはハリウッド、USC、ビバリーヒルズ、サンタモニカ、ロングビーチなどの繁華街、ビジネス街、住宅街
運行状況
・5つ星評価で4.7という高評価を獲得
・利用者のフィードバックは非常に高評価。98%の利用者が満足していると答えており、96%の利用者が役立つと感じているとのこと!
参照:https://www.autobodynews.com/news/waymo-opens-autonomous-rides-to-all-in-los-angeles
費用
・費用の詳細体系は公表されてはないですが、UberやLyftなどの他のオプションとほぼ同じ値段か数ドル安いようです。待ち時間は数分からタイミングによっては10分以上かかることも。
参照:https://laist.com/news/transportation/we-took-self-driving-waymo-cars-for-a-test-ride-this-is-what-happened
車両
ベース車両にはジャガーのプレミアムEV(電気自動車)「I-PACE」が使われ、Waymoの最新自動運転システムであるWaymo Driver(第5世代)を搭載。
▼360度カメラを搭載した最新自動運転システム車 画像参照:https://waymo.com/
360度カメラを上に乗せており、最初はGoogleのマップ作成車かと見間違えてしまいそうです。
▼アプリ「Waymo One」
画像参照:https://waymo.com/
▼LAでの対象エリア(2024年12月時点)画像参照:https://waymo.com/
ロサンゼルスエリアでの活躍
ロサンゼルス出張時はまだテスト運用中のWaymo。限定メンバー、限定エリアのみ、、、と超レアなイメージでしたが現地では何台も目にしました。3月に始まったばかりのサービスではあるものの、現地のチームメンバーの中にもすでにWaymo愛用者がおり、「まだテスト運用中で登録人数が限定されていて、なかなか乗れない。何人ものWaiting listが出来ていて大人気。私は乗ってみたけどすごく快適だったわよ」 となかなか乗れない状況なほどWaymoサービスは大好評。
調べてみると、出張時の10月時点でのウェイティングリストには30万人が登録しているとも。
「人と話すストレスや急な乗車拒否などもなくとても快適でこれからもどんどん使いたいし、とってもお勧め!」と乗り心地も大絶賛でした。
事故やトラブルは大丈夫?
無人、自動、となるとやはり心配なのが事故。
写真からもわかるようにWaymoにはカメラがあちこちに取り付けられていて、自動運転であるが故に速度もルールも厳格に道路交通法に沿っていることで、下手なドライバーよりはずっと安全そう?今のところエリアが限定されているということもあり大きな事故はない、と聞きましたが、ネットで調べてみるとちょくちょくと小さな事故やトラブルは起きている様子。
Waymoの誤判断で止まってしまいプチ渋滞が起きた、などなど、まだまだ大きな道、わかりやすい道路標示、秩序ある場所であることが必要そうで、例えばロサンゼルスの空港のように、あちこちでドロップオフ、ピックアップ、急に止まる、場合によってはバックするなどの混沌とした場所での乗り入れなどは難しいように思いました。
とはいえ、すでに一部の人々にはなくてはならない存在になっている様子。100%事故がないとは言えないものの、疲れ知らず、眠気しらず、音楽や目に入る物に気を取られることもなく、人間が運転するよりも、ずっと安全なのかもしれません。
▼あちこちにカメラが搭載されている
走っている様子
このほかにも、YouTubeではWaymoがたくさんヒットしますのでぜひ見てみてください。
乗車レポート
「JJRicks Rides With Waymo」で検索すると実際に乗っている様子がたくさん見られます
参照:https://jjricks.com/
Riding in a Self Driving Car – With Nobody Up Front | JJRicks Rides With Waymo #1
https://youtu.be/tBJ0GvsQeak?si=iNUeXO3bmblyKYfL
サンフランシスコでのWaymo駐車場で起きた出勤時(?)の早朝のクラクション問題
ちょっと笑ってしまいますが、近隣の方は困ってしまいますね。すでに解消されているようです
Waymo ロサンゼルスのCM
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ちなみに、アリゾナ州フェニックス都市圏ではWaymo OneアプリだけでなくUberアプリでもWaymoに乗れるそうで、この動きは広がっていきそう。次の出張ではWaymoが大活躍するかもしれません。