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マーケティングリサーチコラム

Z世代の定義、特徴、マーケティングのヒントを解説

社会の急激な変化により、成長途中の若い世代の意識・行動は複雑化しています。

そして、若年層の中でも現在10代後半から20代中盤であるZ世代と、それより年上の世代では、想像以上に意識や行動が異なります。今後消費の新たな担い手として存在感を増すことが予想される、Z世代を理解し、いかにアプローチしていくかは、マーケティング上の大きな課題の一つといえます。

この記事ではZ世代の定義、特徴、調査結果からみえる実態などについて、マーケティングリサーチ会社として解説していきます。

Z世代とは

Z世代の定義

Z世代とは、1997年~2010年頃に生まれた世代を指し、2023年時点では、13歳から26歳程度に該当します。

その前の世代は「X世代」「Y世代」と呼ばれるため、アルファベット順で「Z世代」と呼びます。

Z世代が育ってきた時代背景

Z世代は下図の通り、2005年頃から急激に進化したSNSサービスとともに育っています。

下図のとおり、2005年にYouTubeが設立され、2008年にFacebookTwitter(現X)が、2014年にはInstagramが日本語版サービスを開始するなど、まさにSNSとともに成長しているといえます。

▼Z世代はSNSとともに2000年以降に成長

Z世代はSNSとともに2000年代に成長

Z世代が注目される理由・背景

2023年時点では中高生から20代半ばといった若手ですが、今後10年もすれば新たな消費の担い手としてますます市場の存在感が増すことが予想されます。

また、先述したように、今まで以上に技術革新と社会の変化が急激な時代で成長し、意識や価値観が大きく変化しているのがZ世代です。

予想以上にそれより上の世代との意識・価値観・消費行動の分断が生まれており、Z世代の深層心理や好みを理解するのが難しく、また重要といえます。

Z世代以外の世代について

Z世代を理解するために、他世代についても簡単に紹介します。

団塊ジュニア、就職氷河期世代(X世代)

1965年~1981年ころに生まれた世代のことで、2023年現在で40代前半〜50代後半の人のことを指します。Z世代の親の多くがこの世代です。

世界的には、この世代はアメリカ発祥のX世代と呼ばれています。X世代とは、戦場カメラマンとして名高い、ロバート・キャパが、第二次世界大戦後の混乱を生きる若者たちを、未知の世代として「X世代」と名付けたことが始まりですが、日本では、第二次ベビーブームとして現役世代の中でも人口ボリュームの多い「団塊ジュニア」という呼び方の方が馴染み深いです。

ただ、団塊ジュニア世代としては「19711974年生まれ」と期間が短いため、より該当期間の長い、1970年〜1982年生まれの就職氷河期世代も含まれます。

いずれにしても、高度経済成長やバブル崩壊を経験したため、金銭感覚がシビアであったり、同世代にライバルが多く受験や就職活動が難航したことから、同じ苦労をさせたくないために子供への投資は惜しまない、という特徴があります。

また、20代以降にインターネットや携帯電話などが普及したため、その次以降の世代に比べると、デジタル技術への対応はやや消極的であったり、アナログやマスメディアへの信頼感も強い傾向があります。

ミレニアル世代(Y世代)

Z世代の一つ前が、ミレニアル世代(Y世代とも呼ばれる)です。

大まかに1980年から1996年頃にかけて生まれた世代を指します。この世代は、21世紀の変わり目、つまり千年紀の変わり目に成人したことから、ミレニアル(千年紀)の名がつけられました。

日本では2000年頃にカメラ付き携帯電話が発売され、さらに固定電話と携帯電話の契約数が逆転しているため、10代のときはネット、携帯電話が普及していた層が多く含まれています。

先述の団塊ジュニア・就職氷河期世代に比べると、デジタル技術に柔軟に対応している世代ですが、Z世代のデジタル活用や浸透具合、そしてそこから生まれる意識構造には、大きな差があるといえます。

また、バブル崩壊後の不況の中で成長したこともあり、比較的保守的で安定志向、節約志向といわれています。

α(アルファ)世代

Z世代の次が、現在は乳幼児から小学生ぐらいまでに該当する、2010年から2024年頃までに生まれるα(アルファ)世代です。世代の呼称に使われていたアルファベットが、X,Y,Zと最後まで使用されたため、ギリシャ文字の先頭である「α(アルファ)」が使用されています。

2023年時点ではα世代はまだ幼く、世代としての傾向についてはこれから変化していく可能性がありますが、現時点では、Z世代の特徴がさらに強まっていると考えられています。

では、Z世代の特徴がどういったものがあるかについて、次の章で詳しく紹介していきます。

Z世代の特徴

Z世代の特徴は、次のような点が挙げられます。

デジタルネイティブ

Z世代の最も特徴的な部分は「デジタルネイティブ」という点です。

デジタルネイティブというのは、デジタル技術を本能的に理解し、利用する能力を持つ人々を意味しています。

生まれたときにはインターネット環境が整備されており、さらに10代の頃にSNSが様々生み出され、デジタル技術が身の回りに存在するのが自然な状態で成長しているのがZ世代です。このため、情報の収集やコミュニケーションだけでなく、学習や娯楽にもスマートフォンやパソコンなどを駆使することを、自然なスキルとして身に着けています。

タイムパフォーマンスを重視

ビジネス上では「コストパフォーマンス」を重視することが多いですが、Z世代が重視するのは「タイムパフォーマンス(タイパ)」です。

タイムパフォーマンスとは、限られた時間の中で最大の成果を追求する考え方や行動パターンを指します。

Z世代は、多様な情報やエンターテインメントが消費しきれないくらいの多量にさらされているため、限られた時間の中で、どれだけ楽しく過ごせたか、という点を重視しています。

その姿勢が表れる最たるシーンとしては、動画視聴です。動画は倍速で視聴したり、長時間動画は敬遠され気味で、ショート動画の方が好んで視聴されます。

映画やドラマ、アニメなども、時間をかけて視聴したのに面白くなかった、時間を無駄にしてしまった、ということを避けるために、事前のネタバレも厭わない傾向があります。

このように、Z世代は「時間の質」に重きを置く傾向があります。単に時間を過ごすのではなく、その時間をどれだけ価値あるものとして過ごせるかを重要視しているのです。

「自分らしさ」を重要視

Z世代は、多様性と個性を尊重し、自分らしさを大事にするという点も特徴的です。

インターネットやSNSを通じたグローバルな情報と繋がりの中で成長し、多様な価値観や文化に触れる機会が増えたことに起因しています。

Z世代にとって、自分のアイデンティティや価値観を大切にし、それを自らの行動や言動に反映させることを重要と考えています。これは、ファッションやライフスタイル、性的指向やジェンダーアイデンティティなど、多岐にわたる分野で顕著に見られます。

SNSやYouTubeなどのデジタルプラットフォームは、彼らの自己表現の場として、自分の価値観や考えを発信するツールとして利用されています。また、Z世代はブランドや企業に対しても、その価値観や倫理的姿勢を重視し、自分の考えと合致するものを選択する傾向があります。

調査から見えるZ世代の実態

今注目されているZ世代を詳しく知るために、電通マクロミルインサイトではメディア利用、SNS利用、推し活などの実態についての調査を実施しました。

Z世代の中でも、10代中心の中高生と、大学生以上では、ライフスタイルや消費行動が異なると考え、別々に集計しています。

メディア利用について

動画閲覧、SNS利用が活発

Z世代のうち、中高生が休日に利用しているメディアのTOP3は、
①スマートフォン等での動画閲覧(YouTubeやNetflix,Tverなど)
②リアルタイムでのテレビ閲覧
③ショート動画閲覧
といった結果でした。

大学生以上になると、
①スマホでの動画閲覧(YouTubeやNetflix,Tverなど)と
②インターネット利用
が突出するようになり、次にSNS利用と変化します。

デジタルネイティブ、デジタル世代という点が数値上も明らかになった結果といえます。

また、両者ともにテレビの視聴時間は、シニア世代と比べると約半分程度ですが、それでもまだ一定の時間接触しているメディアとして、テレビの存在はZ世代にも影響力があるといえます。

▼Z世代の休日のメディア平均利用時間

Z世代の休日のメディア平均利用時間グラフ

他世代の利用実態も合わせて掲載している調査レポートはこちらからダウンロード可能です

SNSは複数活用

よく利用するSNSとしては、Z世代(中高生)では、LINE、YouTube、Instagramの割合が高いです。

大学生以上では、Instagramの割合がさらに高まり、またX(旧Twitter)の利用も高まっているのが特徴的です。複数のSNSを駆使して情報収集やコミュニケーションをとっていることが伺えます。

▼ふだん使っているSNS(複数回答)ふだん使っているSNS(複数回答)のグラフ

他世代の利用実態も合わせて掲載している調査レポートはこちらからダウンロード可能です

2割弱の中高生が商品検索から購入まで決裁権あり

未成年の購買力は、社会人に比べるとまだまだではありますが、中高生でも2割弱は、「ひとりで商品の検索から購入までを一人で行うこと」が許可されているとの結果でした。

購入までいたらなくとも、一人で商品の検索や購入候補を選ぶことを許可されている割合も2割前後存在します。

▼α世代・Z世代(中高生)のEC利用実態:親が許可している範囲

α世代・Z世代(中高生)のEC利用実態:親が許可している範囲のグラフ

購入金額を支払うのは親世代がほとんどとは言え、中高生のZ世代自身にもSNS・インターネット上でのアプローチが重要といえます。

新商品認知は全方位のメディアから

それではZ世代は何を通じて新商品を認知しているかというと、中高生では「友人・知人・家族の話」という点がトップでした。次にテレビCMと、YouTubeTikTok等の動画が同程度となります。

大学生以上になると、動画のスコアは下がり、代わりにX(旧Twitter)やInstagram上のインフルエンサーのスコアが上がっています。Z世代には動画やインフルエンサーの活用が有効的ですが、同時にテレビの影響力や、口コミとなどもまだまだ無視できない結果となっています。

新商品・サービス認知チャネル

新商品・サービス認知チャネルのグラフ

全方位のメディアから情報収集を得意とする特徴が伺えます。

美意識や推し活について

個性を重要視

Z世代に対して美容の目的・理由を聴取したところ、「個性を出したい」という項目が、特に女性ではミレニアル世代と比べて特徴的に高い結果となりました。

髪・顔・体の改善・維持(美容)のためにお金や時間をかける理由

髪・顔・体の改善・維持(美容)のためにお金や時間をかける理由のグラフ

自分のアイデンティティや個性、自分らしさを重視するという傾向が、調査からも判明しています。

個性の重視という点は、自分自身だけでなく、もちろん他者にも向けられます。

Z世代に「かっこいいと思う人」を聞いたところ、「King Gnu」の常田大希さん、お笑い芸人「EXIT」の兼近大樹さん、お笑い芸人「EXIT」の兼近大樹さんの名前が多く上がるようです。

3人に共通するのはスタンスをもっている点。見た目の良さだけでなく、「自分のスタンスを持ち、信念をもって行動する姿」がZ世代にとっての「かっこいい」の基準ともいえ、「個性」「自分らしさ」という点を重視している点が伺えます。

参照URLhttps://www.advertimes.com/20201125/article329557/

推し活も活発

推し活という言葉が一般化し、様々な世代に広まってきていますが、やはり推し活が最も活発なのはZ世代で、その中でも大学生以上となっています。

中高生となると、大学生以上と比べるとスコアはやや下がりますが、代わりに、「親と一緒に推し活をしている」割合が10%前後と、親子で推し活を行う様子もうかがえます。

▼推し活の実施率

推し活の実施率

推している対象も、「芸能人」「配信者」「キャラクター(二次元コンテンツ)」と、多岐にわたります。多様性への理解があり、「自分らしさ」を重要視する世代だからこそ、誰を推すのか、という点にも、それぞれの個性を持っている様子がうかがえます。

Z世代へのマーケティングのヒント

テレビの活用は未だ有効的

「若者のテレビ離れ」が叫ばれて久しいですが、確かに動画やSNS利用も活発な世代であるものの、視聴時間、商品・サービス認知チャネル両面でまだまだ健在なことが伺えます。

テレビを活用した施策のインパクトは今後も無視できないといえます。

SNSを多角的に活用

テレビも有効とは言え、Z世代にとって最も身近といえるのは、やはりSNSです。Z世代へのマーケティングとしては、SNSでのプロモーションやインフルエンサーの活用は欠かせないといえます。

活用するSNSもどれか単一では、リーチできません。Z世代は目的別にSNSを使い分けているため、各SNSの特徴に合わせたプロモーションが必要になります。

例えば、X(旧Twitter)はリアルタイムの情報や、ユーザーの本音のレビューなどを探したいときに使用する機会が多いため、口コミなどが集まりやすくなる施策・プロモーションなどが有効と考えられます。

Instagramでは、自分の趣味に近いトレンドを探すときに使用し、世界観を重視しているため、ブランドや商品の世界観を伝えるメディアとして活用していくことが重要です。

Tiktokは暇つぶしや、仲間同士のトレンドをキャッチするために使用することが多いといわれるため、「見たことある」「流行っているらしい」と認知・興味喚起に重点を置くことが望ましいようです。

このように、各SNSの特徴や使われ方を考慮して、Z世代向けには多角的かつ全方位的にマーケティングしていくことが求められています。

Z世代の意識や実態の調査も電通マクロミルインサイトにお任せください

Z世代へのアプローチ、マーケティングには、この世代の理解と実態把握が欠かせません。

電通と共同で多数のプロジェクトを実施した経験と、マクロミルの保有する多彩なデータとテクノロジーの活用により、Z世代の素顔や本音、実態を紐解く消費者調査なら、電通マクロミルインサイトにお任せください

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執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。
監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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