生成AIの登場を背景に、購買モデルやカスタマージャーニーには変化の兆しがみられます。
本調査は、生活者の購買行動におけるAIの浸透実態や活用方法の把握を目的として、電通マクロミルインサイトが生活者1,500人を対象に実施したものです。
本記事では「AI購買行動調査シリーズ」の第1回として、生活者におけるAI浸透の現状に焦点を当て、その実態を整理します。具体的には、生成AIの利用状況、購買行動における活用度、カテゴリ別にみたAI活用の兆しを整理・分析しています。
その結果、以下の3点が明らかになりました。
・生成AIは生活領域で広く浸透しつつある
・購買行動への直接的影響は現時点では限定的
・ただし一部カテゴリを起点に変化の兆しがみられる
順を追って解説していきます。
目次
本記事における用語の整理
「AI活用による購買」とは、商品選択や比較検討、購入手順の理解など、購買意思決定プロセスの一部に生成AIを利用する行動を指します。本記事では、生活領域でのAI利用状況と購買領域への影響度を区別しながら、AIがカスタマージャーニーに与える変化の兆しを整理します。
生成AIツール利用率は全体の約半数
15〜69歳の生活者の約半数が、何らかの生成AIツールを利用した経験があると回答しました。利用ツールは全世代でChatGPTが最多となり、次いでGeminiが続いています。また、若年層ほど利用率が高く、「勉強」「趣味」「日常の相談」など複数の生活シーンにおいて活用が広がっている様子がみられました。これらの結果から、生成AIは一部の先進的利用にとどまらず、生活領域において一定の浸透段階に入りつつあると考えられます。


AI活用は生活領域で先行し、購買領域では限定的
一方で、買い物においてAIを活用している層は1割未満にとどまり、生活用途と比較すると購買領域での活用は初期段階にあることが示されました。
ただし、
・気軽に質問できる
・初歩的な内容でも相談できる
といった特性から、知識が十分でないカテゴリではAI利用意向が6割を超える結果となっています。
この結果は、AIが購買意思決定を直接代替する段階には至っていないものの、購買前の理解や比較検討を支援する役割を担い始めている可能性を示唆しています。

AI活用の兆しは自動車・金融など一部カテゴリから
カテゴリ別にみると、自動車や金融など、購入金額が大きく検討に時間を要する領域において、情報源としてAIを重視する層が一定数確認されました。
特に自動車分野では、「いずれかのAIを活用する」とする回答が約2割に達しています。
これらの結果は、
・情報量が多い
・判断が難しい
・検討負荷が高い
といった特徴を持つカテゴリにおいて、AI活用が先行的に進行する可能性を示しています。

結論|AIは購買行動をどう変えるのか
・自動車や金融など一部カテゴリではAI活用の兆しがみられる
現時点のAIは、商品選択を代替する存在というよりも、購買前の理解や比較検討を支援する役割を担い始めている段階にあると考えられます。
これらの変化を踏まえると、企業のマーケティング活動においては、生成AIを前提とした情報接触および比較検討プロセスの設計を、中長期的な前提条件として捉える必要がある可能性が示唆されます。
次回(第2回)|AI購買パイオニアの実像
第2回では、すでにAIを活用して購買を行っている「AI購買パイオニア層」に着目し
・一般層との違い
・カテゴリ別のAI活用方法
・AI活用が浸透しやすいカテゴリ
・具体的な活用シーン
について整理します。
調査概要
本調査は、生活者の購買行動におけるAIの浸透実態と活用状況を把握することを目的として、電通マクロミルインサイトが実施した「購買行動におけるAI浸透・実態調査」です。
調査主体:株式会社電通マクロミルインサイト
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の15~69歳男女
サンプル数:1,500人
調査時期:2025年10月
生成AI時代の生活者理解・購買行動分析に関するマーケティングリサーチをご検討の際は、ぜひ電通マクロミルインサイトまでお問い合わせください。
本記事では、生活者1,500人を対象としたAI購買行動調査の結果をもとに、生成AIの利用実態および購買プロセスへの影響の兆しを整理しました。生成AIの浸透状況を客観データに基づき把握することは、今後のマーケティング戦略や情報接触設計の前提条件を見直す上で重要な示唆をもたらします。
生成AI時代の生活者理解・購買行動分析に関するマーケティングリサーチについては、お気軽にお問い合わせください。
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