現地でのトレンドや消費者のリアルについて、グローバルリサーチ(海外調査)を担当するグローバルリサーチャーによるトレンドレポート第7弾は、世界各国の「おまけ」事情についてです。
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外国人は飲食店で「おまけ」を求める?
一回り以上年の離れた外国人男性との再婚をはたし、地元九州で飲食店をオープンしたできる友人が久しぶりに東京にやってきた。コロナや彼女の移住の忙しさなどもあり、顔を合わせての食事は3年振りとなる。
話の端々から忙しいながらも充実した生活が感じられ、年齢を言い訳にせず一歩を踏み出した女性の強さを感じる瞬間だった。ビジネスの方も順調のようで、想定以上にインバウンド客が多いとのこと。
ただ、インバウンド客との会話の中でいまだに困ることがあるらしく、それが「おまけ」。
ある国の方はしきりに、「なにかおまけはありますか」と尋ねるらしい。
おまけと聞いて、言葉そのものは理解するのだが、
「なにをどうしていいのかピンとこないんだよね。自分自身お店でなにかおまけしてください、おまけくださいの類を言ったことがないから…」
確かに私自身今までどこかで、「おまけください」「おまけしてください」の類は言ったことがない。
それは使ってはいけない、恥ずかしい、親に言ってはいけないことだと躾けられたわけでもない。
ただなんとなく、身近になかった、言う機会がない、どのようなタイミングでどのようなお願いをしていいのか分からないというだけ理由のような気がする。
世界各国の「おまけ」事情
おまけという言葉を聞いて、ふと海外のスーパーで1+1(BOGO Buy one get one free )のようなプロモーションを目にするのを思い出した。
日本では、「〇〇%引き」または「〇円引き」という具体的な数値表現の方を多く目にするが、海外ではよく「おまけ」による量・数を多く得られることによるお得感の訴求の方が多い印象がある。
特定のエリアや商材のみに対するプロモーションではなく、全世界的にFMCGに対して行われている。BOGOプロモーションは20世紀初頭アメリカを中心に広まったらしい。
バングラデシュのスーパーの様子
▼2つ買えば1つ無料になる洗濯洗剤。既に3つ分がパッキングされていてありがたい。
※以下記事内の写真は筆者撮影
▼3つ買えば1つ無料になるお菓子。こちらもすでにパッキングされている。
4袋もお得だなと思うと同時に、日本との家族形態・世帯人数の違いを実感する。
タイのスーパーにて
▼シャンプーや洗剤も1+1。コンビニなど店舗内スペースがあまりないところでは、既におまけ分パッケージされた商品を陳列していることは少ない(自分で該当商品を探してレジにもっていく)。
スーパーなど大型店では、このようにすでにパッケージしてくれていて自分で準備する必要もない。
韓国のスーパーにて
▼1+1とは記載されていないが、1.5Lの液体洗剤を購入すると、
1.5Lの洗剤がおまけ1.5L+1.5L=1+1。
▼同じように1.6L+1.6Lの表記が。こちらも既におまけ分パッケージされている。
中華圏は少し例外の割引事情
ただ中華圏は別で、OO%引き(折)と表現することが多い。この割引表示が日本とは逆で香港で恥ずかしい思いをしたことがある。
7折を70%引きと都合よく脳内変換し、「安い~」とレジに行ったはいいが、全く逆で7折は30%引きのことだった。明らかに私よりも20歳は若いであろう店員さんに、「すいません、止めます」と言ったら特大の舌打ちをされ、いろんな意味で中国語での値引き表示を学ぶいい機会になった。
大人の学びは痛みが伴うとはよく言ったもの・・・。
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