近年、Z世代とその上の世代とのコミュニケーションギャップに課題を抱える企業が増えています。
そこで弊社は株式会社CARTA COMMUNICATIONS(以下CCI)様と共同で「職場におけるZ世代と中年層以上の世代のコミュニケーションに関する調査」を実施し、2025年1月29日には、この調査結果をもとにしたウェビナーをCCI様と実施しました。
第一部では「職場でのコミュニケーション」実態とのギャップについて弊社が解説し、第二部ではSNS運用における企業とユーザーとのコミュニケーション戦略について、CCIの中でもZ世代を対象としたマーケティング活動の強化を目的としたプロジェクト「Z世代研究会」の新津様に解説いただきました。
CCI様はSNS運用のSocialAdTrimというサービスや、Z世代研究会などのプロジェクトを手掛けられている、SNS×Z世代に精通されている企業です。
世代間ギャップを把握し、ギャップを埋めるために必要なアプローチについてのウェビナーの一部をご紹介します。
目次
職場におけるZ世代と中年層以上の世代のコミュニケーションに関する調査
調査概要は下記のとおりです。
▼調査概要
イントロダクション「Z世代と中年層世代の特徴」
まずイントロダクションとして、Z世代と中年層世代の特徴について簡単に紹介しました。
各世代の特徴としては、Z世代はデジタルサービスや新技術と親和性が高い特性を持つことが読み取れる一方、中年層はSNSとは一定の距離を取る傾向がうかがえる結果となりました。
▼「新しい技術やトレンドについて、それぞれあなたのお考えや態度をお知らせください」へのZ世代と中年層の回答
日常や仕事に対する価値観も対照的といえます。
リモートワークの意向が強く、副業・転職にも前向きで、フラットな関係を好むZ世代に対して、中年層はオフィス勤務や、同じ職場で長く働くなど、保守的な一面が垣間見えます。
▼「あなたの日常生活や仕事に対する価値観について、それぞれお考えをお知らせください」へのZ世代と中年層の回答結果
職場における世代間コミュニケーション実態調査
次に、第一部の電通マクロミルインサイトでは、主に職場における世代間のコミュニケーション実態にフォーカスし、解説していきました。
調査結果からは、Z世代の約6割が年長者の言動を「老害」「ハラスメント」と感じるのに対して、自分の言動をそのように受け取られかねないと危惧している中年層は約4割と、ギャップが生じています。
▼「自分と、おおよそ20歳以上の年数が離れている人との【仕事中】のコミュニケーションについて伺います。コミュニケーションについて、それぞれお知らせください。」への回答結果
同時に、両世代ともに、異世代とのコミュニケーションにストレスを感じているのは半数程度いることも判明しています。
▼「自分と、おおよそ20歳以上の年数が離れている人との【仕事中】のコミュニケーションについて伺います。コミュニケーションについて、それぞれお知らせください。」のうち、【年の離れた人とのコミュニケーションは、ストレスだ】」とお回答した人の結果
そのモヤモヤについては、相手に「気を遣って疲れる」し、「本音がわからない」というところから生まれているようです。
さらに中年層は「背中を見て学べ」は過去の遺物である点、そして自分で考えようとしないZ世代にさらに不満を抱えている点も窺えます。
▼「自分とおおよそ20歳以上年齢が離れている人とコミュニケーションをしていて、相手に対してモヤモヤすることはありますか」への回答結果
モヤモヤ解消のヒント
では、職場でのコミュニケーションにおけるモヤモヤはどのように解決すればよいでしょうか。
そのヒントとして、下記のような調査結果を合わせて紹介しました。
まず、職場においてポジティブなフィードバックは、多くのZ世代に「モチベーション向上につながった」「自分のことをよく見てくれていると感じた」と受け入れられるようです。
賞賛はZ世代のモチベーションUPに貢献するだけでなく、承認欲求を満たすと同時に心理的安全性を高めることにもつながっていることが伺えます。
▼「上司や先輩から受けてフィードバックで、印象に残っているものについてお答えください。それぞれどのように感じることが多いですか。」の回答結果
また、日頃からコミュニケーションが充分に取れている場合では、指導・注意といったネガティブなフィードバックであっても、ポジティブな印象で受け止められるようです。
▼「上司や先輩から受けたフィードバックで、印象に残っているものについてお答えください。それぞれどのように感じることが多いですか。」回答結果
このほか、調査レポートでは、他調査項目の回答も閲覧可能です。
情報収集における世代間ギャップとSNSや炎上事例、それを防ぐポイント
第二部では、株式会社CARTA COMMUNICATIONS様のパートで、情報収集における世代間ギャップとSNSや炎上事例、それを防ぐポイントなどについてご紹介いただきました。
まず最初に、Z世代と比較すると、31歳以上であっても「トレンドのキャッチアップ方法」「情報収集の際のメディア」「ニュースを見る媒体」「興味関心のある社会課題」では差があり、SNSの使い方の違いが大きく異なると発表されました。
また、最近のSNSでは、世代間の受け取り方の違いのギャップから炎上につながってしまった事例を複数紹介いただきました。
それぞれ、炎上した内容やポイントは異なりますが、共通しているのは、価値観や考え方が多様化している現状に対して、企業やSNS運用者が合わせてアップデートできていないために起きているという点でした。
効果的なSNSアカウント運用のためには、
1. SNSを知る
2. 運用戦略を立てる
3. 企画、制作、運用する
4. 効果を検証
という各ステップが必要となる点を挙げられていました。
世代間ギャップをはじめ、生活者の実態調査なら電通マクロミルインサイトにご相談ください。
ご紹介してきたように、当セミナーでは「Z世代と中年層」の職場におけるコミュニケーションギャップを中心とした調査結果を解説いたしました。
他にも当社では、Z世代のメディア接触・SNS利用実態についての調査や、ECサイト利用実態や推し活などの調査、Z世代よりさらに下のα世代についての調査など、様々な世代への調査を通じて、生活者理解を深めています。
マーケティングの基盤となる生活者理解のためのマーケティングリサーチをお考えなら、電通マクロミルインサイトにご相談ください。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。