消費者のニーズや価値観が多様化する中、サービスやプロダクトも消費者に合わせて開発・改良していく必要があります。そのためには顧客理解が欠かせません。
顧客理解を起点としたプロダクト開発をテーマにしてイベント登壇した内容について紹介いたします。
目次
イベント概要
2024年8月30日に開催された「ProductZine Day 2024 Summer」に弊社スペシャリストでHCD-Net人間中心設計専門家の内藤泰嗣が、プロダクト開発における顧客理解のためのリサーチ手法と具体的な事例について解説しました。
その概要について紹介いたします。
顧客の成長プロセス
まず最初に説明したのは顧客の成長プロセスについてです。
顧客は、製品やサービスの認知と興味から「見込み客」となり、試用や比較を経て「顧客」となります。その後、繰り返し利用する「リピーター」へ進み、最終的には企業への愛着を持つ「ロイヤルカスタマー」へ成長します。
この成長を促進するためには、まず認知度を上げて試用機会を提供し「顧客」に引き上げます。その後、顧客を「リピーター」へさらに「ロイヤルカスタマー」に成長させるためには、UXやCXの向上が欠かせません。
プロダクト開発において、よく寄せられる意見
プロダクト開発において、次のような意見がよく聞かれます。
- 「自信を持って開発したWebサイトやアプリなのに、思ったより売れなかった」
- 「顧客の声を反映して改善したつもりが、思ったより評価が上がらなかった」
こういった点が当てはまる場合、顧客やユーザーを真の意味で理解できていない可能性があり、顧客やユーザーの課題に寄り添ったプロダクトやサービスが開発できていないのではないかと問題提起しました。
顧客やユーザーを理解した新しい顧客体験の創出事例
実際に顧客やユーザー理解を徹底した事例として、不動産販売会社のWebサイトリニューアルの事例を紹介しました。
過去にもサイト改善を実施した際は、顧客の声を反映して、物件情報を増やしたり、検索機能を強化したものの、UIが悪化し、結果的にサイトの来訪数/滞在時間共に悪化したというクライアントからの相談でした。
そこで、リニューアルにあたって、「そもそもどういうプロセスで不動産の検討~購入をしているのか?」という点を、インタビューにて購入プロセスを理解することにつとめました。
そのうえで、理想的な購入プロセスに沿って購入の後押しをするサイトとしてリニューアルを実施。
その結果、サイトの来訪数/滞在時間の増加しただけでなく、相談件数の増加にもつながりました。
顧客理解のためのデザイン・リサーチご紹介
最後に、顧客理解を深めるためのデザインリサーチについて具体的に紹介しました。
たとえば「既存プロタクト改善」における「特定機能のUI」の場合、ユーザビリティテストやエキスパートレビューが効果的です。
ユーザビリティテスト
ユーザビリティテストは、文字通りユーザーに操作をしてもらい、課題を発見する調査です。
操作ログなどの量的検証だけでは分からない、サービス利用上や操作上の不具合を知りたい場合や、既存製品やサービスがなぜ期待したほど受け入れられていないのか、その具体的理由や背景を知りたいといった場合に効果的です。
エキスパートレビュー
エキスパートレビューは、専門家がユーザーに成り代わり、操作をして課題を発見します。
プロトタイプやワーヤーフレームなど、まだ一般ユーザーが操作できる段階にはないが、一次的評価をしたい場合、また現状の案に未発表の新規サービスがあり、一般ユーザーに知られたくないが、客観的な評価を得たいといった際に活用できます。
電通マクロミルインサイトでは、このような人間中心やUXの観点から製品やサービスの開発・改善を支援しています。また、調査結果に基づいたプロトタイプの制作やシステム開発など、実行フェーズの支援も行っております。
既存プロダクトの改良や新規プロダクト開発におけるUI・UX改良に関するご相談なら、電通マクロミルインサイトにお任せください。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。