商品自体の価値を魅力とした“モノ売り”から、魅力的なユーザー体験(UX)を提供する“コト売り”へと変化する時代にあって、新規・既存のサービス・製品におけるUXデザインの重要性が増しています。
しかし、実際に『どのように「UXデザイン」を取り入れれば、良い「UX」が実現できるのかわからない』という方も多いのではないでしょうか?
2024年8月8日に「電通マクロミルインサイト」と「モンスターラボ」の2社で実施した「UXデザインをサービス/プロダクトに適用する方法~最適な顧客体験を実現するには~」のセミナーでは、UXデザインの課題発見と解決方法、具体的な実装方法について解説いたしました。
この記事では、当ウェビナーの概要について紹介いたします。
セミナー概要
第一部では、電通マクロミルインサイトの内藤氏から、マーケティングリサーチ会社が提供するUXソリューションについて、デザイン思考とデザインリサーチの実例が取り上げられました。
第二部では、モンスターラボの津山氏から、リサーチ結果をどう実装していくか、UXデザインをプロダクトやサービスに適用する際の重要なポイントや具体的なプロセスについて解説が行われました。
本セミナーを通じて、UXデザインの価値とプロダクトへの実装方法についての理解が深まりました。
第一部: マーケティングリサーチ会社が解決するUser eXperience
1. マーケティングにおける顧客の成長とUX
ユーザー体験(UX)は顧客の成長に不可欠であり、良好なUXは顧客をリピーターへ成長させ、更にはリピーターからからロイヤルカスタマーへと育てます。これにより、ブランドや企業への信頼や愛着が高まり、持続的な利用が促進されます。
2. デザイン思考とUXデザイン
デザイン思考は、ユーザー視点に基づく問題解決プロセスで、UXデザインの基盤です。電通マクロミルインサイトでは、「共感」、「定義」、「アイデア創出」、「プロトタイプ制作」、「評価」を通じて、ユーザーに最適な体験をデザインします。
このアプローチにより、ユーザー視点に立ち、サービスやプロダクトの本質的な課題やニーズを発見し、ユーザー課題を解決する思考法を実践しています。
3. デザインリサーチを通じて顧客やユーザーを知る
デザインリサーチによって、現在の状況(As-Is)を理解し、理想的な未来の状態(To-Be)を探ります。このアプローチにより、暗黙的な課題まで抽出し、本質的なデザイン要件を特定し、最適なユーザー体験をデザインするための有効な検証が可能となります。
また、「顧客自身も気づいていない新しい体験」や「既存の価値観にない新しいサービス」を提供するための具体的な手法についても説明しました。
4. 電通マクロミルインサイトのデザインリサーチ事例
具体的な事例を通じて、どのようにデザインリサーチがビジネスに貢献できるかを解説しました。
第二部: モンスターラボが提供するUXデザインの適用方法
1. UXデザインをサービス/プロダクトに適用する方法
最適な顧客体験を実現するには、サービスやプロダクトにUXデザインを適切に取り入れることが重要です。
2. UXデザインのリサーチ結果をどう実装するか
リサーチ結果の活用には、以下の2つのパターンがあります。
– マーケティング戦略に活かすリサーチ
– 要求定義、要件定義に活かすリサーチ
リサーチ結果をどのように扱うかは、どのようなリサーチを実施し、どの事業フェーズにいるかによって進め方が異なります。今回は「要求定義、要件定義に活かすリサーチ」について詳しく説明しました。
3. リサーチ手法と結果の活用
– アンケートリサーチによる「課題把握」
– ユーザーテストによる「問題箇所の把握」
– インタビューによる「深い課題把握」
各リサーチ手法の結果を基に、尺度評価の扱い方や課題の定義、優先順位のつけ方を解説し、それらをどのように要件に落とし込み、実装まで進めるかのフローについても詳述しました。
4. まとめ
適切なリサーチを状況に応じて選択し、本質的なニーズに応えることが重要です。さらに、ユースケースやタスクをしっかりと定義し、着実に進めることが鍵となると強調されました。
全体を通してのまとめ
本セミナーを通じて、UXデザインが顧客体験の向上に果たす役割と、そのリサーチから実装までの一貫したアプローチが紹介されました。
電通マクロミルインサイトによるデザイン思考とデザインリサーチの事例は、ユーザー視点を取り入れた課題解決の有効性を示し、モンスターラボの具体的な実装プロセスは、リサーチ結果をいかにして要求定義や要件定義に反映させるかの実践的な知見を提供しました。
これらの知見を活かし、リサーチを通じて本質的なニーズを見極め、ユーザーに寄り添った体験を実現することが、今後のマーケティング戦略やプロダクト開発において重要であると再認識されました。
当ウェビナーの参加者からの反響
多くの参加者から「実務的で参考になった」「具体的なUXからUIデザインへの実践的な手法が役立った」といった評価を頂いています。
また、リサーチの結果をいかにサービスやプロダクトに反映するかについては特に好評で、「理解を深めることができた」「すぐに業務に活かせそうだ」とのコメントがありました。
一方で、「もう少し具体的な事例やより深い話を聞きたかった」との声も見受けられました。
今後のウェビナー企画でも、具体的かつ実践的な内容を提供しつつ、参加者の期待に応える形でさらに深掘りした情報提供を目指していきたいと考えています。