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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム ウェビナーレポート:脱デモグラ時代のマーケティングを『欲望』の観点から考える

ウェビナーレポート:脱デモグラ時代のマーケティングを『欲望』の観点から考える

2025.05.16
イベント・ウェビナーレポート

近年のデジタルの普及により、マーケティング活動において顕在層へのターゲティングは格段に容易になりました。しかしその一方で、潜在層へのアプローチが不十分という声や、従来のデモグラフィックを中心としたマーケティング戦略に限界を感じる声も多く聞かれます。

 こうした課題を背景に、電通との消費者研究プロジェクト・DENTSU DESIRE DESIGN(以下DDD)では、消費者の心理と購買行動を「欲望」という視点から分析し、新たなマーケティングの可能性を探るために、「心が動く消費調査」を弊社とともに定期的に実施しています。

2025年2月12日に実施したウェビナーでは、202411月の最新調査結果や、消費の好循環メカニズムに関する分析結果、ならびに調査結果をもとに開発した新ソリューション「DESIRE Targeting」のご紹介を通し、潜在層の心にターゲティングし需要を創造する『欲望観点でのマーケティング』の重要性をお伝えするセミナーを開催しました。

当記事でそのウェビナーのダイジェストをご紹介します。

1部:DENTSU DESIRE DESIGN プロジェクトの概要

第一部では、まずDDDプロジェクトの概要を、株式会社電通の同プロジェクト主任研究員立木 学之氏より紹介いただきました。

株式会社電通 DENTSU DESIRE DESIGN 主任研究員 立木 学之

入社以来、リサーチを長年扱い、定量・定性・多変量解析などの業務経験が豊富。営業部門で自動車メーカーの企業広告と中期コミュニケーション戦略策定などに従事し、電通総研では「日本の広告費」を担当。2016年に電通デジタルへ出向し、多くのクライアントのデジタル広告配信をリード。2019年にメディアイノベーションラボ、2020年以降に未来予測支援ラボ、未来事業創研、SPORT TECH TOKYO、電通デザイアデザインなどのプロジェクト参画。著書:『情報メディア白書2012-2015』(ダイヤモンド社、共に共著)

なぜ今「欲望」に着目するのか?

DDDは、消費者の根源的な欲求と価値観に焦点を当て、購買行動の背後にあるメカニズムを解明することを目的とした研究プロジェクトです。

消費者の購買行動モデルとして広く知られているのが、サミュエル・ローランド・ホールによって1920年代に提唱された「AIDMA」です。その後、2000年代のインターネットの普及により「AISAS」へと進化し、2011年にはソーシャルメディアの台頭に伴い「SIPS」へと発展しました。

購入チャネルやプロモーション手段においてインターネット、SNSの存在感が拡大するとともに購買行動モデルは変化してきました。そうした中、初期の「AIDMA」に含まれていた「欲望」という要素は、次第に議論の中で希薄になってきています。DDDでは、この「欲望」こそが個々の行動を突き動かす心理的ドライバーであると再注目し、マーケティングへの応用を試みています

▼消費者購買行動モデルの変遷:いつしか消えた「Desire」に着目することが重要

消費行動に影響を与える「11の欲望」

では具体的にどのような欲望が存在するのでしょうか。

DDDでは、単なる消費ではなく「心が動く消費」= “人がワクワクドキドキした良質な消費”の動向把握を目的とし、「心が動く消費調査」を2021年より実施しています。

この調査で43種の根源的欲求に関する質問×105種の現代的な価値観に関する質問を聴取した結果、下記図のような11の欲望を導き出しました

▼11の欲望

11の欲望について詳しくは、こちらもご覧ください。
消費を刺激する「11の欲望(Desire)」~電通「心が動く消費調査」の結果から~

「心が動く消費調査」最新調査結果のご紹介

第一部の後半では、弊社のリサーチャー・工藤玲より、202411月に実施した「心が動く消費調査」第9回の結果について解説しました。

電通マクロミルインサイト 人と生活研究所 リサーチャー 工藤玲

金融機関系シンクタンク・事業会社のリサーチ部署を経て、2023年株式会社 電通マクロミルインサイト入社。“人”を基点に、インサイトやトレンドに関するメソッド開発や、情報発信していく窓口「人と生活研究所」所属。住宅、家電、日用品、飲食サービスなど、幅広い領域のコミュニケーションプランニングやPDCAサイクルの構築支援といったクライアントワークの他、欲望(Desire)視点から消費者インサイト研究とソリューション開発を行う「DENTSUDESIRE DESIGN(デンツウ・デザイア・デザイン)」への参画、α世代の研究などに従事。

11欲望×心が動いた商材カテゴリー

「心が動く消費」調査では、その背景にどんな欲望があったかを聴取しています。第9回調査では「心が動いた消費」の背景にある欲望でもっとも多かったのは11の欲望のうち「自由&安楽」で、「遊興&解放」が続きました。

こうした結果から「自分らしく自由でいたい」「たまには自分を甘やかしたい」といった欲望を満たす消費は心を動かしやすいのではと推察されます。

▼11欲望×心が動いた商材カテゴリー① 背景にある欲望の分布

次に、「心が動いた商品・サービス」をカテゴライズしてランキングにしてみました。
その結果、TOP5に「外食」「衣料品」「映画」「旅行」「レジャー」など、コト寄り消費が4つランクインしており、「コト」寄り消費が心を動かしやすいことが伺えました。 

▼11欲望×心が動いた商材カテゴリー② 心が動いた商材カテゴリーランキング

※過去の「心が動く消費調査」レポートは以下からご覧ください

電通「心が動く消費調査」ダイジェスト・レポート ダウンロードはこちら

2部 DDDが考える消費の好循環とは

2部では、再び立木氏に登壇いただき、「消費の好循環」メカニズムの可視化について解説いただきました。

DDDでは、「心が動く消費」を起点として、「欲望が刺激されて良い消費経験をすると、さらに欲望に刺激されてまた良い消費に至る」という、このループが発生することを、「消費の好循環」と定義しています。

どの「欲求」が「消費の好循環」を促すのか?

「消費の好循環」がどのように生じるのかを分析するため、20245月に実施した「第8回 心が動く消費調査」の結果をもとに共分散構造分析を実施しました。

この分析の前提として、近年、消費者と企業は1度きりの関係性で終わるのではなく、双方にとって好ましく持続的な関係性を構築し、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値)を高めることが重要視されているという背景があります。

持続的な関係構築のためには、ブランドロイヤリティを継続的に高め、新たな需要を喚起し、次の消費へとつながるメカニズムを解明することが不可欠です。
そこで、本分析では、性別・年齢・年収といった従来の「デモグラフィック」セグメンテーションではなく、「欲求」こそが「消費の好循環」に影響を与えるではないかという仮説のもと、アプローチを行いました。

その結果、人間が持つ11の欲求のうち、特に<誰かの役に立ちたい、世の中の大切なものを守りたい>と<好きなモノを集めたい、好きな事に没頭したい>という2つの欲求が、「新たにやりたいことや、新しいものへの意欲が湧いてきた」という消費者の意欲増進につながり、さらに「同じ商品・サービス、または同じブランドや企業の同じタイプの商品・サービスを購入した・購入したいと思った」という企業や、ブランドのロイヤリティを高める方向にも作用していることを導き出しました。

消費の好循環モデルについて詳しくはこちらもご覧ください。
株式会社電通 DENTSU DESIRE DESIGNが、「消費の好循環」メカニズムを可視化

3部 欲望起点のプロモーション施策を生み出すソリューション

3部では、調査で明らかになった11の欲望をどのようにマーケティングに活用していくのか、といった点を株式会社電通の同プロジェクト部長 高見憲氏より紹介いただきました。

株式会社電通 DENTSU DESIRE DESIGN 部長 高見憲

プランナー、ディレクターとして各種キャンペーン企画、新商品開発、およびそのローンチ/ブランディングを多数手がける。現在はCX領域を起点とした統合プランニングに重点的に取り組んでいる。

DDDは、「欲望こそが需要創出のカギである」と提言し、新たなソリューションを開発しました。

その背景には、デジタル技術の進化により顧客の行動データが蓄積され、「顕在化」したニーズには対応できるようになったものの、「潜在的」なニーズを捉えることはいまだに難しいという課題があります。そこで、「いかにして新たな需要を創出するか」が、マーケティングにおける新たなテーマとなっています。

この課題を打開するため、DDDは「欲望」に着目し、需要を創出する新たなアプローチとして開発したのが「DEIRE Targeting」です。

次のような施策を一連で実施可能です。

①欲望と商品の関係性を紐解く「欲望分析」

DEIRE Targeting」の最初のステップとしては、どの「欲望」を意識すべきかを特定することです。

DDDでは「11の欲望」×電通が保有する他のデータを掛け合わせることで、各欲望と商品カテゴリーとの関係性を可視化しました。

その中でも、例としてスポーツドリンクとヨーグルトが挙げられました。


累積寄与率:75.4%(Dimension:61.0%、Dimension2:14.4%)

通常、スポーツドリンクというと「止渇」という機能性が注目されがちですが、欲望との関係をみると「繋がり&共感」に近いことが分かります。
スポーツドリンクが、スポーツを通じてのチームワークやチームへの貢献などの気持ちが重要であることが読み取れる例です。

次にヨーグルトに着目すると、「愛情」との関係性が強いことが示されました。単なる自分自身への健康目的の商品ではなく、家族の健康を思う=愛情が購入の動機となっている商品ということが伺えます。

②「欲望」に基づくセグメントへの広告配信

DDDとLINEヤフーの共同チームは、「11の欲望」と、LINEヤフーの多様なデータを活用し、LINEヤフーユーザーの「欲望」を予測する機械学習モデルを構築しました。これにより、該当商品と親和性がある「欲望」を特定し、その「欲望」を持つLINEヤフーユーザーに対して、Yahoo!広告でアプローチが可能です。

③クリエイティブ作成

広告配信に必要なクリエイティブ素材も、DDD専属のクリエイターが、欲望、デモグラ、興味・関心データを鑑み、消費者の「欲望」にアプローチするクリエイティブ制作体制を構築しています。

④効果検証

広告配信を行ったセグメントに対して、需要創出に寄与したかを「広告を見た後の指名検索リフト」をKPIに設定して計測可能です。

このように、「欲望分析」を行い、その結果を用いて「広告配信」から「クリエイティブ制作」、そして「効果検証」まで一気通貫で提供するソリューションです。

ユーザーのインサイトをさらに深めるHAKONIWAリサーチ

また、検索行動や購買行動とリサーチデータを統合し、 より深いインサイトを得ることが可能な「HAKONIWAリサーチ」について、弊社のリサーチャーの柴田より紹介しました。

電通マクロミルインサイト マーケティング推進部 リサーチャー 柴田 理成

製薬会社、外資系広告代理店メディアプランナー兼アナリスト、マーケコンサルを経て2015年DMIに入社。消費財(FMCG・お酒・ファッションetc.)、耐久消費財(自動車)、サービス(映画産業)等多岐に渡るクライアントを担当。ベーシックなリサーチだけでなく、多変量解析含む統計解析、グローバル調査、非アスキング領域調査などにも従事。

HAKONIWAは、ヤフーと電通/電通デジタルの共同分析プロジェクトです。

HAKONIWA上では、広告データ以外にも検索データやYahoo!ショッピングの購買データなどヤフーが展開している多数のデータと、マクロミル社ユーザーのアンケートデータを紐づけて、ユーザー行動の傾向を分析することが可能です。

例えば検索や購買などのコンバージョンがあった後に、どのように態度変容し、何が購入の決め手になったのかなどを深堀することも可能になります。

HAKONIWAを活用したリサーチについては、一部条件などがございますので、詳しくはお問い合わせください。

まとめ

本ウェビナーでは、消費者の購買行動を単なるデータではなく、「欲望」という感情的側面から分析することで、 新しいマーケティングの可能性が広がることが示されました。

また、従来の「デモグラ」軸でのターゲティング手法では捉えきれなかった消費の本質を明らかにし、 企業がより深く消費者理解を進めるための有効なアプローチとして紹介しました。

“欲望”基点のマーケティング支援サービスDENTSU DESIRE DESIGN(デンツー・デザイア・デザイン)についてより詳しくはこちら

DDDは消費者分析・トレンド分析、その視点を生かしたマーケティング戦略の立案や、「DESIRE Targeting」などのソリューションをご提供しています。ご興味を持たれた方はぜひ一度お問い合わせください。

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