信頼できる調査データを得るには、まず適切な対象者にアンケートするための対象者の選定が欠かせません。
本記事では、スクリーニング調査の役割や質問例、成功のポイントを整理し、よくある質問など解説しています。
目次
スクリーニング調査とは?
スクリーニング調査とは、本調査を実施する前に行う事前調査であり、「SCR」と表記されることもあります。
目的は、あらかじめ設定した条件(例:年齢、性別、地域、購買経験など)に合致する回答者だけを抽出することです。これにより、本調査は条件を満たす対象者のみに配信され、データの精度が高まり、不要な配信やコストを削減できます。
スクリーニング調査が「対象者の選別」を目的とするのに対し、本調査はその対象者に詳細な質問を行い、目的に沿ったデータを収集します。例えば「過去3か月以内に化粧品を購入した30代女性」に限定して新商品の評価を行う場合、まずスクリーニング調査で該当者を抽出し、その後の本調査で具体的な意見や評価を掘り下げます。
このように、スクリーニング調査は調査全体の効率と信頼性を確保するための重要な工程です。
スクリーニング調査の質問例
必要な対象者を効率よく抽出するために、次のような質問を設ける場合があります。
購買経験・利用経験に関する設問
- 「直近3か月以内に〇〇を購入しましたか?」(はい/いいえ)
- 「過去1年間で〇〇を利用した回数をお答えください」(0回/1~2回/3回以上 など)
- 「現在ご利用中の〇〇サービスをお選びください」(複数回答可)
商品・ブランド認知に関する設問
- 「以下のブランドのうち、ご存知のものをすべて選んでください」
- 「〇〇という商品名を見聞きしたことがありますか?」(はい/いいえ)
意向・関与度に関する設問
- 「今後1年以内に〇〇を購入・利用する予定はありますか?」
- 「〇〇に関心がありますか?」(関心がある/あまり関心がない/関心がない)
属性情報に関する設問
- 「あなたの性別をお知らせください」
- 「現在のご職業を最も近いものからお選びください」
- 「あなたの役職を教えてください」(BtoB調査の場合:経営層/部長/課長/一般社員など)
BtoB向けスクリーニングの例
- 「あなたの勤務先の業種を以下からお選びください」
- 「あなたは自社の商品・サービスの導入や購買の決定に関与していますか?」
- 「従業員規模をお知らせください」(1〜99人/100〜999人/1,000人以上)
電通マクロミルインサイトでは、スクリーニング調査を実施しなくても、職業・業界/業種・職種・役職など、BtoBマーケティングリサーチに必要な基本情報を聴取している47万人のモニタを活用可能です。
詳しくはこちらの資料をご確認ください。
スクリーニング調査のメリット・目的
スクリーニング調査は、次のようなメリットや目的があります。
データ精度の向上
条件を満たさない回答者を排除できるため、分析結果のノイズを最小化し、信頼性の高いデータを得られます。
コストの最適化
不要な対象者への配信を防ぐことで、サンプル回収費用や調査全体のコストを削減できます。
調査期間の短縮・効率化
対象者をあらかじめ絞り込むことで、本調査の配信・回収がスムーズになり、短期間で実施できます。
スクリーニング調査のデメリット・注意点
一方、スクリーニング調査には次のようなデメリットや注意点があります。
出現率予測を誤るリスク
条件を厳しく設定しすぎると、想定よりも対象者が集まらず、回収遅延や追加配信が必要になることがあります。
設計精度の問題
スクリーニング設問の表現が不明確だと、条件に合わない人が混入したり、逆に本来対象の人を取りこぼしたりするリスクがあります。
本調査への影響(順序効果)
条件に関わる質問を先に出すことで、後続の本調査の回答姿勢や評価が意識的・無意識的に偏ることがあります。
スクリーニング調査を成功させるポイント
スクリーニング調査を成功させるためには、次のような点に留意する必要があります。
条件設定の明確化
条件が曖昧だと対象者の混入や取りこぼしが発生し、調査結果の信頼性が低下します。条件は明確でありながら現実的に設定することが重要です。
回答離脱を防ぐ設問数と順序
設問数が多すぎたり、いきなり複雑な質問から始めると回答途中での離脱につながります。
設問数は5問程度を上限に、簡単な質問から始めるのが効果的です。
ロジック設計とチェック体制の徹底
条件分岐や配信条件は複数人で確認し、テスト配信で誤りを防ぎます。
実際の回答画面を確認するレビューも欠かせません。
設問数とロジックのシンプル化
特にスマートフォンからの回答を想定し、分岐や画面遷移はシンプルに設計します。簡潔な構成が回答者にも運用側にもメリットをもたらします。
スクリーニング調査のよくある質問とその答え
出現率はどのように予測・設定すべきですか?
過去データや統計情報をもとに予測します。必要に応じて事前調査(プレ調査)を行う場合もありますが、多くは有料です。調査会社によっては既存データベースからの推計や、過去案件での出現率情報を無料で提供してくれることもあります。
電通マクロミルインサイトでは、過去の実績データと詳細属性を蓄積したターゲットモニタを活用し、事前調査を行わずとも高精度で出現率を見積もれるケースが多くあります。
複数条件を組み合わせたスクリーニングも可能ですか?
可能ですが、条件が厳しいと出現率が低下します。優先度の低い条件は本調査で確認する方法もあります。
スクリーニング調査の対象者にはどのような属性情報を取得すべきですか?
属性情報は「後の分析で使用するかどうか」を基準に選定します。必要な場合は、性別・年代・地域・職業・購買経験など、クロス集計やターゲット比較に使える分析軸に限定して取得します。
スクリーニングで対象者を絞りすぎるとどうなりますか?
必要サンプル数が確保できず、追加配信や期間延長が必要になる可能性があります。
どの程度の設問数が適切ですか?
5問以内が理想です。短時間で完了できる構成が望ましいです。
スクリーニングと本調査を同時に実施することはできますか?
スクリーニングと本調査を一体化する方式もありますが、電通マクロミルインサイトでは条件を満たす対象者をいったん抽出・精査したうえで本調査を別途実施するケースが一般的です。この分離方式により、対象者の管理精度や調査設計の柔軟性が高まります。
スクリーニング設問は回答者に条件を悟られないようにできますか?
可能ですが、条件質問を他の質問と混在させる、表現を間接的にするなどの工夫が必要です。
電通マクロミルインサイトの強み:一気通貫で支える、精緻なスクリーニングと戦略設計
業界最大級のモニターパネルと精緻な設計ノウハウを融合し、的確かつ精度の高い対象者抽出を実現します。さらに、調査前の課題整理から設問設計、データ分析、レポーティング、結果に基づくアクションの示唆や施策提案まで、一貫してご支援。
確かなエビデンスに基づく意思決定を後押しします。
業界最大級のモニターパネルでレアターゲットにも対応
マクロミルグループの国内モニター約3,600万人を活用し、低出現率条件にも対応可能。また、弊社が活用するターゲットモニタには、基本属性に加えライフスタイル情報やBtoBマーケティングに活用可能なビジネスパネルも含まれ、一般消費者からビジネスパーソンまで幅広い層を効率的に抽出できます。大規模かつ多様なパネルを活用することで、精度と信頼性を両立しつつ、迅速な調査が可能です。
調査目的に応じた最適なスクリーニング設計
経験豊富なリサーチャーが、目的や条件に応じて最適な調査設計を行います。
事前ヒアリングで条件や設問文を精査し、対象者を的確に抽出。電通マクロミルインサイトではスクリーニング調査を単なるオプションではなく、多くの案件で必須工程として実施し、調査結果の精度向上と無駄なサンプル配信コストの削減を実現します。
不正・なりすまし防止の精度管理
複数の不正検知システムと厳格なモニター管理体制により、調査品質を維持。回答ログ分析やモニター履歴の照合など多角的なチェックを行い、不正検出の精度を高めています。
電通×マクロミルの資産融合が生む独自のリサーチ力
電通のマーケティング・コミュニケーションノウハウと、マクロミルが保有する多彩なデータアセット・テクノロジーを融合。年間3,000件以上の実績と、購買・意識・WEBログなどのデータ活用、さらに100名以上の専門リサーチャー/アナリストによる統合分析で、生活者インサイトを的確に抽出し、クライアントの事業成長に直結させます。
電通マクロミルインサイトでは、豊富なパネル資源と高度な設計ノウハウを掛け合わせ、調査設計から結果活用まで一貫して支援。的確な対象者抽出と質の高いデータで、より確かな判断につながる調査を実現します。リサーチをご検討の際は、お気軽にご相談ください。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。
