マーケティングリサーチの手法として用いられることの多い「アンケート調査」について、その作成時のポイントを解説します。
アンケート自体は、無料で作成ができるツールなどで誰でも簡単に作成可能なように思えます。
しかし良いアンケート結果を得るためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
このコラムでは、調査の手順や実施のポイント、回答者に負担の少ないアンケート調査作成のポイントやコツを、アンケート(調査票)作成前と作成段階に分けて説明します。
目次
アンケート調査とは
アンケート調査とは、多くの消費者や顧客から一斉に情報を集めるための調査手法の1つです。
あらかじめ用意した質問について複数人から回答してもらうことによってデータを収集します。
アンケート調査は定量調査の手法の1つ
企業のマーケティング課題を解決するための調査をマーケティングリサーチといいます。 マーケティングリサーチの中でも、アンケートはよく実施される代表的な調査方法です。
マーケティングリサーチは、その目的や分析対象のデータの違いから大きく「定量調査」と「定性調査」の2種類に分けることができ、「アンケート調査」は「定量調査」の手法の1つとされます。
アンケート調査の方法
「アンケート調査」というとネット上で実施されるイメージが強いかと思いますが、対面形式などインターネットを使わない方法もあります。
ここでは、代表的なアンケート調査の方法をご紹介します。
インターネットリサーチ(Webアンケート)
インターネット上で実施する調査を指します。調査対象者に対してインターネット上でアンケートを配信し、回答をしてもらってデータを回収する方法です。
インターネット調査については、こちらでさらに詳しく解説しています。
会場調査(CLT)
指定の調査会場で実施する調査を指します。調査対象者に会場に来てもらい、実際の商品やサービスを試してもらったり、広告を見てもらった後に感想や印象などの評価を聴取する方法です。
ホームユーステスト(HUT)
新商品や試作品を調査対象者に送付し、使用したのちにアンケートを実施する調査を指します。
商品を使用した感想や評価を集める手法ですが、一定期間使わないと良し悪しがわからない健康食品やスキンケア用品などの商品についての評価を取得する際に適した方法です。
ホームユーステストについては、こちらでさらに詳しく解説しています。
郵送調査
アンケート用紙を郵送して実施する調査を指します。
調査対象者に用紙を郵送し、回答を記入した用紙を返送してもらい、結果を回収する方法です。
郵送調査については、こちらでさらに詳しく解説しています。
電話調査
調査員が調査対象者に電話をかけて質問をしていく形式の調査です。
あらかじめ作成したアンケートを使って順に口頭で質問していき、回答を集める方法です。
アンケート調査の目的・活用事例
アンケート調査はどのように活用されているのでしょうか?実際のビジネスシーンでアンケート調査が活用されている事例を、そのアンケート調査の目的別にご紹介します。
新商品開発時の消費者のニーズ把握調査
新商品の開発時には、様々な調査が必要になります。
- 世の中にはどのようなニーズがあって、どのような商品(サービス)が喜ばれるか
- 開発中の商品が消費者ニーズに合っているか
- ニーズがあるとしたらそのボリュームはどのくらいか
- ニーズを持つ人達の特徴 はどのようなものか
次のような質問項目を設定し、消費者のニーズを把握する調査を行います。
- 特定商品(サービス)への興味・関心
- 購入(利用)状況
- 購入(利用)意向
- アンケート回答者の価値観・趣味嗜好
これらのデータを実際に売れる商品の開発に役立てることができます。
商品やサービスの顧客満足度調査
企業の成長には、自社の商品やサービスが顧客から支持され続けることは非常に重要です。
そのためには、顧客の目線に立ち、顧客の自社商品(サービス)に対する評価をただしく把握することが必要です。
このような自社の顧客からの評価を把握する場合にもアンケート調査は効果的です。
顧客からの評価を測定し、顧客が抱いている期待値、それに対する満足度を調べます。
アンケート調査で質問する内容は、 下記のような項目です。
- 購入前の期待していた点
- 購入時の重視点
- 購入理由
- 満足度
- 満足している点
- 不満に感じている点
このような調査を顧客満足度調査と呼びますが、顧客からのインプットを得ることで商品(サービス)の改善をすることが可能です。
自社ブランド(製品)の認知度・イメージ把握調査
自社のブランドや製品を数ある中から選んでもらうために、前提として自社ブランドの認知やブランドのイメージなどの現状を把握することが必要になります。
アンケート調査では、そうした自社の認知度やブランドイメージ把握をすることが可能です。
アンケートで質問する内容は、下記のような項目です。
- 自社ブランド(製品)と競合他社ブランド(製品)の認知
- 興味・関心
- 購入意向
- 購入経験
- ブランドイメージ
自社ブランド(製品)の絶対値での評価を把握するとともに、競合他社との相対的な評価も分析することが重要です。
認知度・イメージ調査から自社ブランド(製品)が目指す方向性、ブランディング活動を行う上で解消すべき課題を判断することができます。
キャンペーン・広告の効果測定調査
キャンペーンや広告活動を実施した際、どんな効果を得られたかを正しく把握することが必要です。
商品の売上や認知率がどの程度向上したかを把握したいときに実施するのがキャンペーン・広告効果測定調査です。
こうしたキャンペーンや広告の効果測定に対し、アンケート調査はよく使われる手法です。
キャンペーンや広告の効果を測定するためには、 リーチ(到達度)、態度変容、費用対効果などを調査します。
アンケートで質問する内容は、下記のような項目です。
- キャンペーンや広告の認知
- キャンペーン・広告への印象
- キャンペーン・広告に接した後の、購入(利用)意向
- キャンペーン・広告に接した後の、実購入(実利用)有無
目的の効果が得られたかを把握すると共に、次回の施策へ向けての改善点を見つけることもできます。
キャンペーン効果定については、こちらでさらに詳しく解説しています。
従業員満足度調査
企業活動の中で、近年自社ブランドや製品の評価と同様に重要視されているのは、働く従業員の自社に対する満足度です。
従業員のモチベーションを高め、より働きやすい環境に整える目的でアンケート調査を実施し、その結果をもとに職場環境の見直しや、人事制度の整備内容を検討することができます。
アンケート調査で質問する内容は、下記のような項目です。
- 仕事内容
- 業務負荷
- 上司や同僚との関係
- 人事
- 会社風土
これらの質問を通して従業員の満足度を分析・把握します。
アンケート(調査票)作成の流れ、ポイント・注意点
次に、アンケート調査票作成の流れやポイント・注意点について解説します。
アンケート調査の実施には、まず調査企画を行います。
効果的なアンケート調査のために、次の3点を意識しましょう。
調査企画①目的を明確にする
アンケート調査を実施する最大の目的は、調査結果をマーケティング課題解決のための意思決定やアクションにつなげることです。アンケート調査は、その判断材料にすぎません。
よいアンケートを実施するには、次の視点で調査目的を明確にすることが重要です。
- どのようなマーケティング課題を解決したいのか
- どのような意思決定につなげたいのか
- その判断のために必要な情報は何か
調査企画②仮説を立てる
アンケート調査作成前に重要なポイントの2点目は、仮説を立てることです。調査課題の仮説をたてることで、アンケート調査で聴きたい項目が明確になり、良い調査結果を得ることができます。
仮説がない状態で闇雲に調査をしても、情報を広く浅く収集することになり、課題解決のための具体的なアクションにつなげることができません。
そのため、調査課題に対してできるだけ具体的な仮説を立て、それをアンケート調査の質問に落とし込むというステップを踏むことが重要です。
例えば、次のような仮説です。
- 商品Aが売れない理由は、パッケージが良くないせいではないか
- 商品Bを、お得訴求をすれば女性にも刺さるのではないか
- ブランドAの認知が高まったのは、生活様式が変化して、自宅で過ごす時間が増えたからではないか
仮説を立てることで、アンケート調査内容の焦点を絞ることができ、意思決定や次のアクションに直結する調査結果を得ることができます。
調査企画③誰に、どのような手法で聴取するのかを決める
調査の目的を明確にし、仮説の構築ができたら、詳細にアンケート調査を設計します。
具体的には、「誰に聴取するのか」「回答者をどれほど集めるのか」「どのような手法で聴取するのか」を決めます。
誰に聴取するのか(どのような人を調査の対象とするのか)
調査で明らかにしたい事項に応じて適切な調査対象者を決めます。
調査対象者を考える際には、次のような視点があります。
- 属性(年齢、性別、職業、未既婚、年収など)
- 行動(商品/サービスに対する認知、購入経験、利用頻度など)
- 心理的情報(価値観、趣味・嗜好など)
これらの視点から調査対象者を決めます。
調査対象者は具体的であるほうが良いですが、細かく設定しすぎると必要な回答数を集めるのに苦労するため、バランスよく設定をしましょう。
調査対象者の決め方のポイントについて詳しくはこちらをご覧ください。
回答者をどれほど集めるのか
回答者数の(サンプルサイズ)を決定するには、「割付設定」をする必要があります。
割付設定とは、調査対象者の条件ごとに、それぞれどれほどの回答者数が必要となるのかを決定することを指します。
マーケティングリサーチの調査でよく使われる割付方法は、「均等割付」と「母集団構成比に合わせた割付」です。
▼均等割付
20代 | 30代 | 合計 | |
---|---|---|---|
男性 | 100 | 100 | 200 |
女性 | 100 | 100 | 200 |
合計 | 200 | 200 | 400 |
各マスのサンプル数を同じにする方法です。
各マスの単位ごとに傾向を見たり、比較したい時にこの割付に設定します。
上記のようにサンプルを回収すると、下記のような見方をすることができます。
- 男性20代と30代の傾向をそれぞれ見る
- 男性と女性の傾向を比較する
▼母集団構成比に合わせた割付(※総務省統計局「人口推計」より算出)
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 43 | 102 | 129 | 113 | 119 | 506 |
女性 | 41 | 97 | 125 | 111 | 120 | 494 |
合計 | 84 | 199 | 254 | 224 | 239 | 1000 |
各マスのサンプルサイズを、調査をかける母集団の構成比率に合わせて設定する方法です。
上記は、日本の人口構成比に合わせて性別×年代別に人数を割り付けたもので、この他にも、あるカテゴリユーザーの年齢構成比に合わせるなどがあります。
日本の人口全体の傾向を把握する際にはこちらの割付を用います。
人口構成比に合わせると、下記のような見方をすることができます。
- 1000サンプルの回答を、日本市場を反映させた母集団のデータとして見る
- 男性合計506サンプルの回答を、日本市場の男性(年代別)を反映させた母集団のデータとして見る
割付設計をするにあたり、各マスにどれほどの回答者数が必要なのかを検討します。
適切な回答者数は調査ごとに異なりますが、目安として傾向を見たい軸は最低50サンプルを回収することを推奨します。
どのような手法で聴取するのか
アンケートの調査手法は様々な手法があります。
それぞれの手法の特徴を踏まえ、最も調査目的の達成にふさわしい方法を選択します。
アンケート調査票の作成
調査企画の後は、アンケート調査票を作成していきます。
アンケート調査票作成時のポイントは多数ありますので、後述します。
スクリーニング調査実施
調査方法が決定したら、まず本調査を実施する前に、アンケート対象を絞り込む事前調査をスクリーニング調査といいます。特定の条件(年齢や地域などの属性)に該当する対象者を絞り込むために行います。
電通マクロミルインサイトでは、独自に構築した130万人の自社パネルに加え、国内提携会社のパネルも含めて国内最大級のパネルネットワークにアクセス可能で、様々なターゲットに絞り込んで調査が可能です。
また、登録時の不正登録などを防止する独自の品質管理ポリシーを設け、高品質のデータ提供を継続する仕組みを構築しております。
アンケート調査の実施
本調査の対象となる方へアンケートを配信・回収します。
電通マクロミルインサイトが利用しているマクロミルのインターネットリサーチでは、アンケートへの不正回答を防止する仕組みも構築しています。
アンケート結果の集計、分析
アンケート終了後、集計分析します。
電通マクロミルインサイトのインターネットリサーチをご活用いただいた場合では、最終納品前に、アンケートシステムより調査結果の速報値をご確認いただくことも可能です。
レポーティング
調査結果から得られた示唆を記載したレポーティングの作成まで対応いたします。
ご要望に応じて報告会の実施も可能です。
アンケート(調査票)作成段階の注意点・ポイント
目的が明確になり、仮説を立て、調査設計が確定した後は、アンケート調査票を作成していきます。
調査票作成時におさえるべきポイントは、次で紹介する「質問数・時間」「順番・構成」の2点があります。これらは回答の精度や回収などに関わってくるため、大変重要です。
アンケートの質問数を適切な量にする
より良い調査結果を得るためには、質問数は適切な範囲に抑えることが望ましいです。
具体的には、以下の点が推奨されています。
- 質問数:30問以内
- 回答所要時間:10分以内
質問数を適切な量に抑えるべき理由は大きく2つあります。
1つは回答の精度を担保するため、
もう1つは離脱を抑え十分な回答数を集めるためです。
日本マーケティング・リサーチ協会のインターネット調査品質ガイドラインによると、次のような調査結果が報告されています。
・設問数が増えることによってアンケート回答の離脱率は増加
・設問数が20問程度(回答所要時間が約10〜15分)になると、離脱率が10%を超える場合がある
アンケート調査票の作成を始めると、様々なことが気になり質問をどんどん追加したくなります。
しかし、質問数・時間の目安を大幅に超える調査は、回答者の負担が大きく精度も数も十分な結果になりません。
そのような場合は、「ついでにこれも聞いておこう」と含めている質問を削り、調査目的を達成に必要な質問に絞り込みましょう。
ただ質問数を減らせばいいというものでもなく、仮説の検証のために必要なデータが確保できるような設計となっているか確認したうえでの精査が重要です。
質問の順番・構成に注意する
質問の順番は、回答のしやすさに大きくかかわります。
その理由は、Webアンケート調査は一度回答すると一つ前の設問に戻ることができないからです。また、質問する順番によっては矛盾する回答データになってしまう可能性もあります。
例えば、買ったことがある(購入経験)ブランドは、知っている(認知)ブランドの質問の後に聞くべきです。
以下のブランドの中で、あなたが購入したことのあるものをすべてお選びください。
ブランドA/ブランドB/ブランドC・・・
①のブランドのうち、あなたが知っているものをすべてお知らせください。
ブランドA/ブランドB/ブランドC・・・
以下のブランドの中で、あなたが知っているものをすべてお知らせください。
ブランドA/ブランドB/ブランドC・・・
①のブランドのうち、あなたが購入したことのあるものをすべてお選びください。
ブランドA/ブランドB/ブランドC・・・
NG例では、「買ったことがあるのに知らない(購入経験があるのに認知していない)」ブランドがあるという矛盾した回答データが発生してしまう可能性があります。
それを避けるため、順番を考える際は以下の視点を意識すると良いでしょう。
回答者にとって理解しやすい順番に
例えば「過去→現在→未来」と時系列に沿った順で聴取することで、回答者が回答しやすくなります。
自然な流れになる順番に
例えば「単純な質問→複雑な質問」と日常会話の流れをイメージして組み立てることで、回答者がスムーズに思考し、回答することができます。
定義の大きいものは先に
「一般論→個別事例(具体論)」と大きな概念から徐々に範囲を狭めることで、回答者が思考しやすくなります。
実態などの事実の質問は先に
「実態/事実に関する質問→意識/意向に関する質問」の順に聴取することで、実態/事実に対し矛盾の生じないデータを回収することができます。
回答にバイアスがかかることを回避する
アンケート調査では、前の質問が後の質問の回答に影響を与えてしまうことがあります。
例えば、以下のような点は注意が必要です。
商品の特徴解説になる質問は後にする
商品の特徴を解説する質問の後に商品の購入意向を聴取すると、回答者は商品についてあらかじめ詳しく理解している状態で回答することになります。
結果、商品に対して何らかの先入観を持ってしまい、純粋に購入したいかどうかの回答データではなくなってしまう可能性があります。
飲料Aの特徴について知っていることをすべてお知らせください。
脂肪燃焼効果がある/特定保健機能食品である/カロリーゼロ /開発に10年を要した
飲料Aを購入したいと思いますか。
購入したい/やや購入したい/どちらともいえない/あまり購入したくない /購入したい
飲料Aを購入したいと思いますか。
購入したい/やや購入したい/どちらともいえない/ あまり購入したくない /購入したい
飲料Aの特徴について、次の選択肢のうち知っているものをすべてお知らせください。
脂肪燃焼効果がある/特定保健機能食品である/カロリーがゼロ/開発に10年を要した
このように、前の質問が後の質問に影響を与えてしまうことを、キャリーオーバー効果と呼びますが、このような順番は避けるべきです。
商品のパッケージや広告は先に見せない
商品のパッケージや広告を先に見せる質問をすると、後の質問の回答に影響を与える可能性が大きいです。商品パッケージや広告の呈示によって、商品の特徴やイメージが伝わってしまうからです。
回答者がこれまでそのパッケージや広告を見たことがなかった場合、調査で新しい情報をインプットしたことになります。
その後に商品の認知やイメージなどを聞くと、それは回答者の自然な状態のイメージ回答ではなく、調査で情報をインプットした状態の回答データになるため、注意が必要です。
適切な回答形式を選択する
アンケート調査の回答形式も注意が必要なポイントです。
回答の形式には主に下記3つがあり、聴取する目的と内容によっていずれかを選択します。
自由に回答を記載して欲しいのか、提示した選択肢の中から答えて欲しいのかを考えてみると、回答形式をイメージしやすいでしょう。
単一回答(SA)
質問に対して、複数の選択肢の中からもっともあてはまる回答を1つだけ選ぶ回答形式です。
各回答の全体に占める割合を捉えたい時や、選択肢に被りがなく回答が自ずと1つに絞られる時、などに採用します。
単一回答には大きく以下の2種類があります。
例)
【質問文】
あなたが最もよく購入している銘柄はなんですか。以下の中からあてはまるものを1つお選びください。
【選択肢】
1,銘柄A
2,銘柄B
3,銘柄C
・・・
例)
【質問文】
あなたは銘柄Aについて、どの程度購入したいですか。
【選択肢】
※5段階評価の場合
1,購入したい
2,やや購入したい
3,どちらともいえない
4,あまり購入したくない
5,購入したくない
複数回答(MA)
質問に対して、複数の選択肢の中から該当するものを複数個選ぶ回答形式です。
選択肢ごとの回答者の割合の違いを捉えたい時や、1番目の選択肢だけでなく2番目、3番目まで把握したい時などに採用します。
複数回答には大きく以下の2種類があります。
【質問文】
あなたがプライベートで海外旅行をする際に重視する点はなんですか。以下の中からあてはまるものをすべてお選びください。
【選択肢】
1,総額の費用
2,ホテル
3,旅行会社
・・・
9,その他
10,あてはまるものはない
【質問文】
あなたが行ってみたい旅行先を、以下の中から3つまでお選びください。
【選択肢】
1,地名A
2,地名B
3,地名C
・・・
9,その他
10,あてはまるものはない
自由回答(FA)
文章や単語を回答者自身に記入していただく回答形式です。
記入する量は、1単語のみの場合から、文章を字数制限なしに入力していただく場合もあります。
回答者の率直な意見や感想、こちらが事前に想定して選択肢化できないような回答を得たい時に採用します。
【質問文例】
あなたが「生命保険会社」と聞いて思いつく会社名をあげてください。
・文章記入式:何かに対する理由や意見、要望など
【質問文例】
あなたが商品Aを買ってみたいと思う理由を自由にお書きください。
調査票のワーディング(言葉づかい)の注意点・ポイント
アンケート(調査票)の作成で、実際の質問文を考える際には以下のポイントに注意します。
調査票作成時に共通する考え方は、「誰が読んでも同じ解釈になるか」です。
主語や定義を明確にし、中学生が理解できるレベルの表現になるよう意識すると適切な質問文を作成することができます。
①質問の対象を明確にする
「誰について」「何を」問いかけているのか明確になっている文章にすることが重要です。
【NG例】では、自分が使っているのか、家族が使っているのか、また携帯タイプなのか、卓上タイプなのかなど、人によって解釈が異なるため、明確な回答を得られない可能性があります。
②期間の定義を明確にする
購入時期や行動頻度を聞く質問は、期間を明確にすることが重要です。
例えば、「最近買ったもの」という質問をすると、人によっては「最近」を1週間程度と捉える人もいれば、1年前のことを「最近」という人もいます。
そのため、「最近半年以内に」や「最近3カ月以内に」など期間について具体的な表現を入れることでより精度の高い回答データを得られます。
③同じ設問では聴取する内容は1つに絞る
同じ設問で2つ以上のことを聞くと回答者はどれについて回答するのか、分からなくなってしまいます。
【NG例】では、「商品」か「サービス」のどちらについて聴取しているのか、回答者が迷ってしまい、回答にバラつきが生じてしまいます。
④専門用語は使わない
普段の業務で使っている言葉が一般的には専門用語であり、回答者に意味が伝わらない場合があります。
例えば「CVS」はコンビニ、「キャッチコピー」は広告の説明文、などに置き換えるのが適切です。
また、以下の例に挙げた「携帯キャリア」という言葉について、一般には「携帯電話会社=キャリア」という認識が広まっていますが、厳密には固定電話なども含めた電気通信事業者を総じて「キャリア」と称するため、三大キャリアをはじめ全国各地の電話関連企業は、すべて「キャリア」です。
もし回答者に専門家がいれば上記のように解釈してしまうため、回答結果が想定と異なる場合もあります。
そのため「携帯キャリア」は「携帯電話会社」という言葉に置き換えるのが適切です。
⑤設問文を短くする
最近の調査では、PCではなくモバイル端末で回答することが多くなっています。
設問文が長いと回答者が画面をスクロールする回数が多くなり、「途中で回答を止めてしまう」または「意味が理解しづらくなる」という可能性が考えられます。そのため設問文は可能な限り短縮化を心がけましょう。
アンケート調査に関してよくある質問
初めて調査を実施予定ですが、どこまでお任せできますか?
電通マクロミルインサイトにご依頼いただいた場合、上記アンケート調査の流れに記載した1〜6を一気通貫で対応可能です。
調査票の作成や分析はもちろん、調査背景をヒアリングして調査目的を整理したり、調査目的に適した手法、設計をご提案させていただきます。
また、調査票を貴社でご用意いただき、調査実施〜分析まで弊社で対応する、など対応範囲を柔軟にお選びいただくことが可能です。
アンケート調査の適切なサンプル数は、どれほどでしょうか?
一概に何サンプルが適切である、断言することは難しく、標本誤差を考慮して決定します。
アンケート調査などの標本調査では必ず誤差が発生しますが、統計学的な観点からその誤差範囲をどこまで許せるかを考えてサンプル数を決めます。
また、ある特定の条件の人たちを母数に分析したい場合や、特定の分析軸を作りたい場合には、最小のサンプル数になる集団を起点に数が担保できるようなサンプル数に設定する必要があります。
どのようなデータが納品されますか?
調査目的やスケジュール、ご予算によって納品されるデータの形式を選択いただくことが可能です。
納品物の種類としては、ローデータ(集計をしていない無加工のデータ)、クロス集計表(各質問の回答結果を、回答者の属性や質問の回答別に集計したもの)、グラフ集、レポート(回答結果をグラフ化・図式化したものと調査結果の全体まとめ)をご用意しております。これらの中から必要に応じてデータの加工対応範囲をお選びいただけます。
電通マクロミルインサイトのアンケート調査の特徴
私たちは、電通とマクロミルの2社の資産と強みが融合したマーケティングリサーチ会社です。
アンケート調査においても以下のような強みを活かした実施が可能です。
業界最大規模かつ高品質のパネル
マクロミルの国内リサーチ対象パネルは約1,000万人と、業界最大規模です。また独自の管理基準による高品質なデータ提供を継続する仕組みを構築しています。
この資産を利用することで、幅広いマーケティングデータを、高品質でご提供することが可能です。
専門性の高い100名以上のリサーチャー/アナリスト
専門性の高いリサーチャーやアナリストが在籍し、日々、多彩なデータを扱いリサーチの設計・分析を行なっています。
アンケート調査の設計・分析の支援はもちろん、目的に合わせた様々な調査手法でご支援が可能です。
電通×マクロミル双方の利点・資産
株式会社電通のマーケティングリサーチ会社として、年間3,000件以上のプロジェクト実績があります。そのノウハウと、マクロミルの資産を掛け合わせて活用し、クライアントビジネスの成功に向けた質の高い調査を提供しています。
アンケート作成でお困りなら電通マクロミルインサイトにご相談ください
以上アンケート調査作成の方法・ポイントをご紹介しましたが、それぞれのポイントを押さえて、調査の質を担保するには、専門の調査会社にご相談いただくことをおすすめします。
アンケート調査票の設計・作成でお悩みなら電通マクロミルインサイトにお問い合わせください。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。
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