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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム 純粋想起と助成想起とは?ブランド調査に欠かせない2つの指標を徹底解説

純粋想起と助成想起とは?ブランド調査に欠かせない2つの指標を徹底解説

ブランドマーケティングにおいて「どの程度自社ブランドが生活者の頭の中に残っているか」を把握することは極めて重要です。その際に用いられる代表的な調査指標が「純粋想起」と「助成想起」です。両者は似ているようで異なる意味を持ち、調査結果の活用方法やマーケティング戦略に与える影響も大きく変わります。
本記事では、純粋想起と助成想起の定義や違い、マーケティングリサーチにおける活用方法、さらにマーケティングでの活用法について詳しく解説します。

純粋想起とは

純粋想起の意味と特徴

純粋想起とは、調査対象者にヒントを与えず「〇〇といえばどのブランドを思い浮かべますか?」と自由に回答してもらう調査手法です。生活者が自然に思い出せるブランドだけが回答として挙がるため、ブランドの「トップ・オブ・マインド(第一想起)」や、潜在的なブランド力を測定できます。

この指標は、強いブランド認知を示すだけでなく、購買意思決定に直結する可能性が高い点が特徴です。たとえば、飲料市場で「緑茶飲料といえば?」と聞かれた際に最初に出てくるブランドは、その人にとって購入候補の最上位であることが多いのです。

純粋想起の質問例とアンケート設計ポイント

代表的な質問例はインターネットリサーチなどで、「〇〇と聞いて思い浮かぶブランドを自由にお答えください」といった形式です。
重要なのは、質問の表現をシンプルに保ち、回答者に余計なヒントを与えないことです。
設問の順番や選択肢の提示を誤ると、調査の純度が下がる恐れがあるため注意が必要です。

助成想起とは

助成想起の意味と特徴

助成想起とは、調査対象者にブランドの候補を提示したうえで「この中で知っているブランドはありますか?」と確認する手法です。回答者が見たことはあるが強く記憶に残っていないブランドでも、選択肢に出てくれば想起される点が特徴です。

助成想起はブランド認知度の裾野を把握するのに適しています。特に新規ブランドや知名度が低い商品にとっては、純粋想起では検出できない潜在的な認知を捉えられるため、有効な調査手法といえます。

助成想起の質問例とアンケート設計ポイント

典型的な質問例は「以下のブランドのうち、知っているものをすべて選んでください」という形式です。
ブランド名を網羅的に提示する必要があり、選択肢の順番が回答に影響を与える点にも注意が必要です。

純粋想起と助成想起の違い

記憶の強さと購買行動への影響

両者の最大の違いは「記憶の強さ」です。
純粋想起は自力で思い出せるブランドに限られるため、生活者の購買行動に直結しやすい傾向があります。一方、助成想起は「知ってはいるが普段は意識していないブランド」も含むため、認知の広がりを測る指標として価値があります。

ブランド調査での使い分け(製品特性・目的別)

製品特性やマーケティング目的によって使い分けが必要です。
たとえば、日常的に購入される消費財では純粋想起が購買の指標になりやすいですが、高額耐久財やBtoBサービスなど検討期間が長い商品では、助成想起の結果が重要な意味を持つ場合があります。

純粋想起・助成想起を用いたブランド認知度調査

ブランド認知度調査とは?

ブランド認知度調査とは、生活者がどの程度ブランドを認識しているかを測定する調査です。純粋想起と助成想起の両方を組み合わせることで、ブランドの「深さ」と「広がり」を包括的に把握できます。

トップ・オブ・マインド(第一想起)の測定方法

トップ・オブ・マインドとは、純粋想起の中でも最初に挙げられるブランドを指します。競合に対する優位性を測る上で重要であり、広告投資や認知戦略の成果を検証する際に欠かせない指標です。

エボークトセット調査・カテゴリーエントリーポイント(CEP)調査との関係

近年は純粋想起・助成想起だけでなく、「購買時に思い浮かべるブランド集合(エボークトセット)」や「購入動機に直結するカテゴリーエントリーポイント(CEP)」を把握する調査が注目されています。これらはブランド想起の背景にある意思決定プロセスをより深く理解することにつながります。

マーケティングでの活用方法

認知向上のためのタッチポイント戦略

純粋想起を高めるには、生活者の日常的な接点にブランドを露出させることが有効です。テレビCMSNS広告、店頭販促など、多様なタッチポイントを組み合わせることで、自然と想起されやすくなります。

調査結果を広告・販促戦略に活かす方法

助成想起の結果は「知っているが購買に結びついていない層」を明らかにします。この層に対しては、購入体験を促すプロモーションやトライアルキャンペーンが有効です。純粋想起を強化する施策と併用することで、ブランド成長の基盤が築けます。

定期的な測定と改善サイクルの重要性

ブランド認知は一度の調査で完結するものではありません。市場環境や競合の動きによって大きく変動するため、定期的に純粋想起・助成想起を測定し、広告投資や施策効果を検証することが重要です。継続的な改善サイクルを確立することで、長期的なブランド価値の向上につながります。

マーケティングリサーチに関することなら電通マクロミルインサイトにご相談ください

純粋想起と助成想起は、ブランド調査における基本でありながら、それぞれ異なる意味と活用方法を持つ指標です。純粋想起は購買行動に直結しやすい強い認知を示し、助成想起は潜在的な認知の広がりを把握するのに有効です。両者を組み合わせて測定し、戦略的に活用することで、より精度の高いマーケティング判断が可能になります。

純粋想起、助成想起を活用したマーケティングリサーチの実施をお考えなら電通マクロミルインサイトにご相談ください

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執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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