グローバルリサーチとは

 海外でのビジネス展開やブランド育成を検討する際には、現地の文化や法規制への理解を踏まえたうえで、現地市場や消費者ニーズ、製品・サービスへの反応に関する調査分析が不可欠です。

この調査結果を基に、製品・サービスの受容性を確認したり、市場の潜在的な需要を理解できたりと、戦略的なマーケティングプランや製品のローカライズを行うことが可能となります。

この記事では、グローバルリサーチの注意点や手法について解説していきます。

 グローバルリサーチが求められるシーン

 新市場への進出

企業が新しい国や地域市場に進出する際、現地の市場状況や消費者行動を理解するためにグローバルリサーチが必要不可欠です。これにより、市場のニーズや競合状況を把握し、効果的な進出戦略を立てることができます。

製品のローカライズ

国内で成功した製品が海外でも同様に受け入れられるとは限りません。

新しい市場での成功を確実にするためには、文化的差異や地域ごとの消費者の好みを把握するリサーチが必須です。これに基づき、適切なローカライズ戦略を策定します。

国際的なマーケティングキャンペーン

効果的な国際マーケティングキャンペーンを展開するためには、対象地域のメディア環境や広告規制についての理解が必要です。グローバルリサーチを利用して、ターゲット市場に合わせたマーケティング戦略を設計します。

市場リスクの評価

海外投資や合弁事業を計画する際、政治的リスクや経済的安定性の評価が必要です。グローバルリサーチを通じて、投資のリスクと収益性を事前に検証できます。

競合分析

 競合他社が国際市場でどのように活動しているかを理解し、自社の戦略を練るためにもグローバルリサーチが重要です。競合の成功事例や失敗事例から学び、自社のアプローチを最適化します。

グローバルリサーチの注意点

 現地の法律や商習慣を把握する

グローバルリサーチを実施する際の注意点は、現地の法律や商習慣を十分に理解し、尊重することです。

各国には独自の法的規制やビジネス慣習が存在し、これらを軽視すると海外事業のリスクを高める原因となります。

事前にこれらの情報を収集し、理解することが、不測のトラブル回避につながり、スムーズなビジネス展開が可能となります。法規制の遵守はもちろん、現地の文化的背景や価値観を把握したうえで調査を進めることが重要です。

現地パートナーとの協力による品質の担保

グローバルリサーチにおいて非常に重要な点の一つが、「現地パートナーとの協力による品質の担保」です。

海外市場での成功には現地の文化や市場に対する深い理解が必要であり、これを実現するためには信頼できる現地パートナーの存在が欠かせません。

市場調査の計画立案から対象者選定、調査の実施、さらにはサポートに至るまで、品質管理を含めたさまざまなプロセスで現地パートナーの果たす役割は極めて重要です。そのため、信頼性の高い現地企業と連携することが、グローバルリサーチの成果を最大化する上で重要となります。

現地のネット環境やリテラシーを考慮する

「現地のネット環境やリテラシーの考慮」も重視すべき点です。
国や地域によってインターネットの普及度合いや使用状況には大きな差があります。

たとえば、途上国の中にはインターネットアクセスが限定的である場所も多く、このような地域ではオンラインの調査が不向きな場合があります。そのため、各地域のネット環境やデジタルリテラシーを踏まえた上で、最も効果的な調査手法を選ぶことが必要です。 

スケジュールに余裕を持つ

グローバルリサーチにおいて「スケジュールに余裕を持つ」ことは国内での実施以上に注意が必要です。海外でのプロジェクトでは、予想外の遅延が生じる場合が多々あります。時差による影響、地域の承認プロセスの遅れ、文化的な祝祭日による業務休止、物流の遅れなど、さまざまな要因が影響します。

このため、プロジェクト開始の初期段階から十分な余裕をスケジュールに組み込むことが不可欠です。さらに、現地のパートナーやステークホルダーと密接に協力し、情報をリアルタイムで共有することで、スケジュールの調整や迅速な問題対応が行えるようにすることが求められます。

電通マクロミルインサイトで提供しているグローバルリサーチの手法

 私たちが提供可能なリサーチ手法とその特徴について紹介します。

 オンライン調査（インターネットリサーチ）

弊社では世界100か国以上でインターネットリサーチが可能です。さらに、単一国だけでなく、複数国を対象としたマルチカントリー調査にも豊富な実績があります。長年にわたる経験を活かし、クライアントの課題に適した調査設計を行い、データ収集からレポーティングまで一貫してサポートします。

インタビュー調査（グループインタビュー、デプスインタビュー）

グループインタビュー/デプスインタビューの実施も可能です。

経験豊富なスタッフが各種手配（モデレーター、速記、会場、同時通訳手配等）に加えて、現地事情を踏まえた分析も実施いたします。

対面調査（訪問面接調査・CLT）

インターネット環境が整っていない新興国や、Web調査では回答者の偏りの懸念が大きい場合は、訪問調査や会場調査などの対面調査の実施も可能です。アジア、ASEAN地域においても多くの調査実績を有しています。

また、対象者の自宅を訪れてのヒアリング（ホーム・ビジット）の実績・経験も豊富です。

デスクリサーチ

次のような場合に、デスクリサーチをご活用いただけます。

各企業の財務指標、コミュニケーション事例の収集や、実際に店頭で並んでいる製品の店頭調査など、多種多様な情報収集が可能です。

現地で結婚したり働いたりしてコミュニティに溶け込んでいる、女性を中心とした現地の日本人生活者および、そのつながりの外国人といったネットワークも活用できるため、店頭観察、メディア、トレンド、ライフ等の情報収集等もスムーズです。

有識者ヒアリング

海外市況、現地の文化や商習慣の違い等の把握のために、雑誌記者、企業内の意思決定者、政府関係者等、有識者へのヒアリングが可能です。

新興国調査

想定外のハプニングやトラブルが起こることが多い新興国の調査でも、高い案件対応力で、調査を完遂し、データをご納品いたします。

例えば、ミャンマー、コートジボワール、ナイジェリア、イラン、ネパール、ペルーといった国でも調査実績がございます。

独自のネットワークで現地のパートナー会社とのリレーションを築き、現地での調査前のインストラクションを綿密に行うなど、安定したクオリティを担保しております。 

インバウンド調査

コロナ禍のあと、再び活況を呈しているインバウンド。訪日意向のある外国人や、多様化している訪日者の実態・インサイトを把握するための調査の経験が数多くあり、目的・課題に合わせて最適な手法をご提案します。

電通マクロミルインサイトのグローバルリサーチの特徴

 電通マクロミルインサイトのグローバルリサーチには次のような特徴があります。

 年間400件以上の豊富な実績

定性・定量問わず、パネル・パートナーネットワークを構築し、年間では400件以上、約60カ国での調査実績があります

多種多様なネットワーク

安定したクオリティでの調査のためには、現地パートナーとの連携が欠かせません。

数多くの現地パートナーをリサーチプランナー自らが開拓しており、定量調査や定性調査はもちろん、カークリニックのような高難度の会場調査も対応可能です。現地パートナーとの緊密な連携により、日本と同様の調査品質を担保する体制が整っています。

経験豊富なリサーチプランナーの提案力

海外調査経験20年以上のスペシャリストを筆頭に、10年以上の経験豊富なリサーチプランナーが多数在籍しています。

海外におけるブランド調査や意識・商品使用実態の調査だけでなく、近年ご要望の多い海外進出サポート、インバウンド、新興国調査など幅広いテーマ・課題に応じた調査を実施可能です。

依頼された調査をそのまま実施するだけではなく、提示された課題を解決するために最適なご提案をいたします。

マルチカントリー調査の豊富な実績

弊社のグローバル調査の51%は、2カ国以上で実施するマルチカントリー調査です。

各国の文化や宗教、経済環境が異なる中、同一の品質で調査を実施するノウハウが私たちにはあります。

グローバル展開における調査なら電通マクロミルインサイトにお任せください

海外へのビジネス展開を考えるときに、現地の習慣やニーズ、市況についての把握は欠かせません。

グローバルリサーチをお考えなら、電通マクロミルインサイトにお任せください。