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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム パネル調査とは?アドホック調査との違いや特徴や活用例について

パネル調査とは?アドホック調査との違いや特徴や活用例について

2022.07.20
マーケティングリサーチ
パネル調査とは?アドホック調査との違いや特徴や活用例、について

「アンケート調査について調べていてパネル調査、という言葉を耳にしたけどどんな調査方法か詳細を知りたい」

「自社商品のマーケティング戦略のためにパネル調査を検討しているけど、どのように調査結果を活かしたら良いかわからない…」

今回はこのような疑問や課題をお持ちの方のために、パネル調査の特徴や活用例を分かりやすく解説します。

パネル調査は消費者のニーズを時系列で捉えることができ、マーケティング戦略の企画・分析・改善といった、どのフェーズにおいても活用することのできるデータの取得が可能です。

こちらのコラムでは、データの具体的な活用方法も併せて解説しておりますので、マーケティングリサーチについて情報収集中の方は是非ご覧ください。

パネル調査とは

マーケティングリサーチでよく耳にする「パネル調査」ですが、そもそもどのような調査を指すのか、どのような目的で実施される手法なのかを詳しく解説します。

また、パネル調査と対比で使われるアドホック調査についても紹介し、両者の違いからそれぞれの特徴をわかりやすく解説します。

パネル調査の意味

パネル調査とは、ネットリサーチの手法の一つです

その中でも同じ対象者に、同じ質問を同じ形式で、一定期間の間に複数回行う調査のことを指します。

毎回、同じ対象者に対して調査をするという点が大きな特徴で、対象者を固定する(=パネル化する)ことからパネル調査と呼ばれます。

調査対象と質問内容を固定することで、商品の購入チャネル、購入頻度、購入金額などを明らかにすることができます

また、一定期間に複数回調査を実施するため、回答内容が時間の経過に伴い、どのように移り変わってゆくかを捉えることが可能です。

市場の動向を詳細に把握することができるため、将来の動向についてもデータ的裏付けをもってロジカルに予測をすることが可能となります。

パネル調査を実施する目的

パネル調査を実施する目的は「消費者ニーズを捉えること」です。

特定のカテゴリ、商品、サービスに関して、消費者のニーズを特に時間軸で捉える目的のために実施します。
パネル調査により消費者ニーズを明らかにすることで、今後のマーケティング戦略を考案する際に役立てることができます。

既に立てた戦略や実行中の施策が上手くいっているか否かの分析、また既存の施策改善といったマーケティングフェーズにおいても、取得した調査データを大いに活用できます。

こうした理由から「パネル調査」は、マーケティング戦略における企画・分析・改善のどのフェーズにおいても役立つデータを取得することのできる、非常に効果的な調査手法と言えます。

パネル調査とアドホック調査の違い

パネル調査と対比される調査手法に「アドホック調査」があります。

アドホック調査とは、特定の目的のために、調査の都度対象者を選定して実施する単発の調査を指します。

アドホックとは「特定の目的のための」「その場限りの」という意味で、パネル調査との違いは調査回数にあります

アドホック調査は、無造作に選別した対象者に対して1度のみ単発で実施されるのに対して、パネル調査は同じ対象者に何度も繰り返して調査します。

パネル調査とトラッキング調査の違い

マーケティングリサーチにおいて実施されるアンケート調査は、大きく単発の実施か、複数回実施するかに分かれます。

単発の実施が前述の通り「アドホック調査」です。

複数回実施する調査のうち、パネル調査と比較されるのが「トラッキング調査」です。

両者の違いはその回答対象が毎回同一か、異なるかという点です。

毎回、同一の対象者に対して調査を行う手法を「パネル調査」、毎回異なる対象者に対して調査を行う手法を「トラッキング調査」といいます。

パネル調査もトラッキング調査も、同じ質問を一定期間に複数回聴取する調査であるという点は同じです。

しかし、トラッキング調査において「ある特定の条件(年齢、性別などの属性や商品の購入経験、利用頻度など)を満たす母集団から毎回異なる対象者を抽出する」という点で、パネル調査と異なります。

トラッキング調査についての用語解説はこちら

パネル調査のメリット・デメリット

消費者のニーズを時間軸で把握することができるパネル調査ですが、実施にあたり、次のようなメリット・デメリットがあります。

パネル調査のメリット
  • 時系列に沿って細かなデータの分析ができる
  • 無駄を省いて効率良く調査ができる
パネル調査のデメリット
  • 調査対象者の途中離脱が起こる可能性がある
  • 調査の準備・実施に時間と労力がかかる

ある程度、時間とコストのかかる調査方法であるため、メリット・デメリットを理解した上での設計が重要です。
それぞれについて詳しく解説していきます。

メリット

時系列に沿った調査やデータの分析ができる

パネル調査は固定の対象者に対し、数カ月から数年にわたり継続的に調査を実施することで、時系列に沿って精度の高い調査結果を取得することができます。

そのため一定期間のデータを元に、時系列に沿った細かな分析が可能です。

例えば特定の商品の購入に関して「いつ」「どこで」「誰が」「どれくらいの頻度」「どのくらいの購入金額」などの詳細なデータを把握することができます。

さらに対象者は毎回現在のことについて回答し、その回答が積み上がってゆく形式のため、「過去のことは忘れてしまった」ということもなく精度の高い回答を得られます。

無駄を省いて効率良く調査ができる

パネル調査は特に2回目以降、小さな労力で効率よく実施できると言えます。

理由は2点あり、1点目は「基本情報の取得が1回で済む」という点です。

固定された対象者に複数回調査をするため、事前(もしくは初回調査の際)に性別、年齢、居住地、職業などの情報を取得してしまえば2回目以降その質問は聴取する必要がありません。

2点目は、2回目以降の対象者を新しく探す必要がないことです。

単発の調査(アドホック調査)では調査のたびに対象者のリクルーティングが必要です。

対象者の条件が厳しい場合は特にこのリクルーティングの作業が大変になります。
パネル調査ではこのリクルーティングの作業は最初の1回だけで済むため工数を抑えて調査データが取得できます。

デメリット

調査対象者の途中離脱が起こる可能性がある

パネル調査は長期に渡る調査で、同じ対象者に何度も回答してもらうことになるため対象者の負担になる可能性があります。その結果回答者が途中で離脱してしまうというケースも見られます。
対策として、以下の2つ方法が挙げられます。

1つ目は途中離脱をある程度想定し、調査開始の際に必要となるサンプル数以上の対象者を確保しておくことです。

結果を分析するにあたり最終的に必要なサンプル数と、最後まで調査に協力してくれる調査協力率を考慮した上で逆算すると良いでしょう。
回収するサンプル数を、対象者の条件別のセグメントごとに設定しておく(=割付をする)必要がある場合は、それぞれの割付ごとに対象者を多く確保しておく必要があります。

2つ目は回答の負担を減らし最後まで協力してくれる人をできるだけ多くする工夫をすることです。

設問の設計において「質問文を分かりやすくする」「専門用語を使用しない」など、回答率が落ちないよう気を配った調査票の設計が必要です。

調査票作成時に気を付けたいポイントについて、詳しくはこちらで解説しています。

調査の準備・実施に時間と労力がかかる / 調査結果が出るまでに時間がかかる

「パネル調査」では、毎回、同じ対象者に対し、同じ質問を繰り返すため、準備の段階で長期的な視点で設計できるか否かが大変重要です。

途中で調査内容を変更することは基本的にできないためしっかりと設計、準備をする必要があります。

またパネル調査の大目的である「消費者ニーズを時間軸で捉える」ためには、複数回分の調査結果を時系列に沿って分析する必要があるため、時間とコストがかかります。

1回の調査から得られる示唆もありますが、本来の目的である時系列での分析をするまでには複数回の調査結果を集めなければならず、調査結果を活かせるまでにはある程度の時間をかけることが必要となります。

パネル調査の活用例

パネル調査は、その時間軸に沿った分析ができるという特徴から、特に今後の予測・企業の戦略策定に最適な手法といえます

顧客のニーズを詳細に把握することを起点に幅広くデータが使われ、マーケティングの上流である事業計画の立案にも活用されています。

以下において、その活用方法をご紹介します。

顧客ニーズの把握

パネル調査はニーズの変化を捉えることができ、企業が自社の顧客について時間軸に沿って把握することができます

商品のニーズの変化や認知度、満足度、浸透度などを時系列で分析できるため今後のマーケティング戦略の立案に有効なデータと言えます。

また、対象者の年齢や性別を絞って分析を行うことで、ターゲットごとのニーズを把握にも活用が可能です。

事業計画の立案に向けた市場調査

特定の商品やサービスの購入についてパネル調査を実施することで、一定期間内におけるその購入頻度や買い替えのタイミング、ブランドのスイッチ、並買状況などが詳細に把握できます。

それらの情報は事業計画の立案の際にも活用することができます。
消費者や世間の動向を調査できるので、それに合わせた商品開発を計画したり、先回りした売り出しの計画を立てたりすることができるでしょう。

販売や広報の戦略策定

パネル調査のデータは販売や広報の戦略策定にも有効です。
自社商品の認知やイメージなどについて複数回に渡り取得したデータは、その分析の仕方によって様々なことを明らかにすることが可能です。

例えば「認知率が上がったタイミングで印象が上がっているイメージは?」というように認知とイメージの相関を分析するとします。

それにより、どのようなイメージを向上させれば認知率の向上に繋がるかを把握することが可能です。
そうしたイメージを向上させるような訴求で広報をしていくという方針に繋げることができますので、今後の広報戦略立案にあたっての有益な情報となるでしょう。

パネル調査の実施なら電通マクロミルインサイトにご相談ください

マーケティングリサーチにおいて最も重要なのは、調査の目的を明確にしてその目的に適した調査手法を選択するという点です。

今回ご紹介したパネル調査は、特に消費者のニーズを時系列で捉える目的の際に有効な方法です。
明らかにしたい課題が、時系列での分析を必要としている場合は、アドホック調査ではなくパネル調査を選択することをおすすめします。

またパネル調査の実施では回答者の質が重要です。
長期間同一の回答者から回答を集めるため、回答者の質がダイレクトに調査の質に繋がります。

質の良い回答者を集めるためには、調査モニター(回答者)を適切に管理している調査会社を選択し、ご相談されることをおすすめします。

電通マクロミルインサイトでは、独自に構築した130万人のマクロミルパネルに加え、国内提携会社のパネルも含めて国内最大級のパネルネットワークを活用可能です。
そのため、一般的な消費者のみにとどまらず、特定市場のニッチな消費者にも調査が可能です。

汎用的なマーケティングリサーチ(定量調査・定性調査)に加え、大規模データや時系列データなど、専門性の高いリサーチャーによる質の高い調査設計と、幅広いマーケティングデータが提供可能です。

マーケティングリサーチの進め方や手法などにお悩みの方は、ぜひ弊社にお問い合わせください。

マーケティングのお悩み、リサーチのプロにご相談ください

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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