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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム STP分析とは?目的やメリット、失敗しないための7つのポイント

STP分析とは?目的やメリット、失敗しないための7つのポイント

2022.07.15
マーケティング情報
STP分析とは?目的やメリット、失敗しないための7つのポイント

マーケティング戦略の策定フローにおいて、自社商品やサービスを販売するターゲットを選定し、競合との差別化を図るために「STP分析」と呼ばれる分析手法が頻繁に用いられます。

今回はSTP分析の目的やメリットに加え、失敗しないための7つのポイントも解説します。

新規事業の拡大や事業を推進させる上で、マーケティング戦略は重要な役割を果たします。

マーケティング戦略には様々な手法がありますが、その中でも自社のポジショニングや強みが明確となり、競合他社との差別化に役立つのが「STP分析」です。

今回は、STP分析の特徴やメリット・デメリット、分析手法まで詳しく解説しつつ、STP分析を行う際にチェックしておきたい、失敗しないためのポイントを7つご紹介していきます。

目次

STP分析とは

STP分析は具体的にどのような手法なのでしょうか?

まずはSTP分析の概要や行う目的、なぜSTP分析が重要とされているのか、その理由についてご紹介します。

STP分析の概要

STP分析とは、マーケティング戦略におけるフレームワークの1つです。

セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の頭文字を取り、STP分析と呼ばれています。

STP分析の3つの要素
  • セグメンテーション(Segmentation)
  • ターゲティング(Targeting)
  • ポジショニング(Positioning)

主に自社商品やサービスを販売するターゲット(顧客層)を選定し、競合との差別化を図るための戦略立案に使用されます

STP分析は新規事業の開拓はもちろん、既存事業の改善にも役立ちます。
また、マーケティング戦略の有効性まで把握できる便利なフレームワークです。

マーケティングプロセスについては、こちらでさらに詳しく解説しています。

STP分析を行う目的と重要な理由

STP分析は、マーケティング戦略の明確化や顧客ニーズの把握、競合他社との差別化を図ることを目的に行う手法です

STP分析によって市場の全体像やターゲット市場が明確になれば、実行すべきマーケティング施策が明確になります。

また、新規市場に参入するや商品開発をするときにも大事になる考え方です。

また、自社の商品やサービスがもつ強みや、競合他社と比較した独自性も理解できます。

競合他社にはない特徴を持っていれば、市場の中で有利なポジションを確立でき、シェアの獲得にもつながるでしょう。

STP分析のメリット・デメリット

次に、マーケティング戦略の中でSTP分析のメリットとデメリットを解説します。

STP分析についてより深く知っていくための注意点を理解しておきましょう。

メリット

顧客のニーズを整理することができる

目的でもご紹介したように、STP分析は顧客ニーズを把握することのできる分析方法です。

それぞれの市場にはどのような顧客が存在し、どのようなニーズがあるのかがSTP分析を通して整理されます。

顧客ニーズが整理できれば、市場や顧客(ペルソナ像)を具体的にイメージすることが可能になります。

すると、製品・サービスの強みをアピールできる方法などが明確となり、マーケティング戦略の立案や新たな市場開拓の計画も具体性を持って策定につながります。

自社のポジショニングや強みを明確にすることができる

STP分析は市場の中で自社がどのポジションにいるのか、さらに商品・サービスの強みなどを明確にすることができます

プロモーションを行う上で自社のポジショニングや強みを明確にしておかないと、チーム内で共通認識が持てず戦略にズレが生じてしまうかもしれません。

STP分析を行うことで自社のポジショニングや強みが分かりやすく言語化され、チームメンバーに共有・浸透できるようになります。

競合他社を避けて勝てる市場を狙いやすい

ビジネスを成功させるためには、競合との差別化ポイントを明確にすることが大切です。

しかし、優れた商品やサービスであっても既に大手がシェアを獲得しており、いくらその市場でマーケティング戦略を図っても売上につながらない可能性もあります。

そのような事態を回避する際にもSTP分析が便利です。

STP分析を行うことで競合の存在や規模を把握することができ、競合を避けながら自社が勝てる市場・ポジションを狙いやすくなります。

デメリット

細かなペルソナが設定できない

セグメントでターゲット抽出のできるSTP分析ですが、細かなペルソナまでは設定できません。

顧客ターゲットを設定する上で、STP分析で定める属性情報などを元にするターゲットに加え、顧客のリアルな人物像を定めたペルソナを作成する必要があります

エビデンス(根拠)の確保が難しい

顧客のニーズを明確化できるSTP分析ですが、セグメンテーションのやり方やポジショニングの方法次第では、エビデンスが弱い分析になることがあります。

購買データ分析による購入頻度の確認や市場調査によるターゲット顧客の特性理解を丁寧に行い、エビデンスを確保することを心がけましょう。

STP分析の3つの指標と分析方法

続いては、STP分析の3つの指標とそれぞれの分析手順について、詳しく解説します。

セグメンテーション(Segmentation)

セグメンテーションとは、類似の属性を持つ顧客ごとに市場を細分化するプロセスを指します。

このプロセスがあることで、次のステップで実施するターゲティングが容易になり、具体的なペルソナ設計へとつながります。

セグメンテーションは主に以下の4つの切り口で市場を適切に分解します。

人口統計的変数(デモグラフィック)

デモグラフィックは、あまり変化しない属性情報を元にした人口統計学的な指標です

例えば年齢や性別などの人口動態や家族構成、所得、学歴、職歴などの項目が挙げられます。

これらは統計調査を利用して判断できるもので、他の指標と比べても測定が容易なので最も活用されている変数と言えます。

行動変数(ビヘイビアル)

ビヘイビアルは、個人の行動にスポットを当てた指標です

購買頻度や使用目的、買い替えのタイミング、さらに休日の過ごし方なども挙げられます。ユーザーの行動追跡などから情報を収集し、判断していきます。

地理的変数(ジオグラフィック)

ジオグラフィックは、地理的要因によって区分する指標です

居住国や地域、気候、人口密度、文化、宗教などが挙げられます。

文化やその土地の生活習慣が違えば、購買行動や売れ筋となる商品にも違いが出てくるため、デモグラフィックと同様に以前から重視されていました。

主に国や地域が行った調査結果などを元に判断します。

心理的変数(サイコグラフィック)

サイコグラフィックは、個人の心理状態に基づいた情報を活用する指標です

例えばその人の性格やライフスタイル、価値観、購入動機などが挙げられます。
主にアンケートやヒアリング調査などから判断されるものです。

以前までは個別調査を行わなくては情報を得られませんでしたが、現在はGoogleの分析データやWebサイト・SNSなどを通して簡単にアンケート調査も行えるようになりました。

ターゲティング(Targeting)

ターゲティングとは、セグメンテーションによって分けた市場を選定するプロセスです。

ターゲットが魅力的かどうか、ターゲット層から十分な利益を得られるかを分析します

具体的には、セグメンテーションで分類した市場の中から自社商品やサービスの強みや優位性が発揮される市場を選び、顧客への到達可能性を検証していきます。

強みや優位性を発揮できる市場を検討する際は、自社の強み・市場・競合をそれぞれ分析します。

ターゲティングを効率的に行える一般的な3つの手法をご紹介します。

集中型マーケティング

集中型マーケティングとは、自社の強みが発揮できる市場を絞り込み、アプローチするマーケティング手法です

経営資源を投資することで自社の強みを最大限活かすことができます。

例えば高級ブランドとして認知されている場合や、コアなファンが付いている商品やサービスには効果的な手法となっています。

無差別型マーケティング

無差別型マーケティングとは、セグメンテーションで細分化した市場を無視し、さまざまな市場に同じ商品・サービスを展開する戦略です

より多くの顧客に働きかけられることから、思わぬところで顧客ニーズを満たせる可能性があります。

ただし、多くの市場に商品を提供する必要があることから、広告の大量投下などが必要で豊富な資金力を持つ大手企業や食料品・日用品などの消費財を手掛ける業界におすすめの手法です。

差別型マーケティング

差別型マーケティングは、セグメンテーションで細分化した複数の市場の中で、それぞれニーズに合致する商品やサービスを提供してゆく戦略です

それぞれの市場に対して差別化ポイントを明確にした商品を開発し、コンテンツマーケティングなどで訴求ポイントを市場ごとに明確にできる商品が適しています。

具体的には、複数の料金タイプを設定したり、類似するジャンルの商品を機能だけ変えて販売したりするなどの手法が取られています。

ポジショニング(Positioning)

ポジショニングとは、市場における自社の立ち位置を決めるためのプロセスです

競合との差別化を図り、「○○(商品)といったら○○(会社)」と独自の位置づけを獲得していくための重要な要素です。

2軸で作るマトリクス上に自社や競合の商品・サービスを配置する「ポジショニングマップ」を作成し、比較していきましょう。

ただし、市場で既に強い競合が存在する場合は、独自の位置づけを獲得するのは非常に難しくなります。

もし後発でポジションを獲得したい場合は、競合商品にはないメリット・強みを押し出すことが大切です。

STP分析で失敗しないための7つのポイント

マーケティング戦略の効果を高めるSTP分析ですが、上手く活用しないと失敗する恐れがあります。

STP分析で失敗しないためにも、以下でご紹介する7つのポイントをあらかじめ押さえておきましょう。

顧客視点で考える

STP分析を行う時は、顧客視点を第一に情報の整理を行うことが大切です。

顧客に選ばれるプロダクトを作るためには、顧客の行動を客観的に把握していかなければなりません。

特に現代は同じような商品やサービスが溢れており、顧客は自由に商品やサービスを選択することができます。

その中から競合に打ち勝ち、選ばれるためにもSTP分析を行う際は顧客視点で考えることが重要です。

各指標を連動させて考える

セグメンテーションやターゲティング、ポジショニングはそれぞれの要素で成り立つものではなく、連動させることで初めて効果が発揮されます

単体のみで考えてしまうと結果が矛盾してしまう可能性もあるため、各指標を連動させて考えることが大切です。

分析を見直したり、戦略の軌道修正を図ったりする際も、当てはまる部分だけでなくS・T・Pの全体を見直して、矛盾が発生しないようにしましょう。

事前に市場の適性を分析・把握しておく

市場の選定を行う前に、まずは市場の適性を分析・把握することが大切です。

市場の適性を分析しておかないと、たとえ自社の商品・サービスが顧客ニーズと合致しており競合が少ない市場であっても、規模の小ささや成長性が懸念される市場だと十分な収益も見込めません。

市場分析は自社で行うことも可能ですが、リサーチ会社へ依頼することで信頼のあるデータが得られます。

BtoBの場合はペルソナをより細かく設定する

BtoCの商品・サービスは、使用する人物像もイメージしやすいためペルソナは比較的設定しやすいと言えます。

しかし、BtoBの場合は社風や企業理念、従業員数などを考慮する必要があり、ペルソナの設定は複雑になりがちです。

BtoBでSTP分析を行う際は、セグメンテーションでより細かくペルソナを設定してからターゲティングを行うようにしましょう

客観的でフラットな視点を持つ

自社の商品やサービスを販売するターゲット(顧客層)を選定するSTP分析は、顧客ニーズを理解するための手法と言っても過言ではありません。

しかし、自社側の視点だけで「こう考えているだろう」と希望的観測から判断してしまうと、マーケティング自体が失敗に終わる可能性もあります。

まずは先入観や非論理的な方向づけを避け、調査データや統計情報など客観的なデータに基づき、正しくSTP分析を行うことが大切です。

STP分析だけではなく他の事業分析も実施する

STP分析は、たとえ自社の商品が優位に立つ市場を発見できたとしても、市場の顧客に商品の良さや魅力が十分に伝わらなければ意味がありません。

しかし、STP分析はターゲットを絞り込み、自社の立ち位置を確認することが目的のフレームワークなので、マーケティング戦略においては不十分と言えます。

そのため、STP分析だけに限らず他の事業分析も併せて実施しましょう

分析を行う順番や細部にこだわりすぎない

STP分析の各指標はそれぞれ連動しており、分析の順番が変わっても結果が大きく変わることはありません。

例えば、最初に自社の強みを明確にしておきたい場合はポジショニングからスタートさせても良いのです。

分析がしやすいプロセスからスタートし、各指標を行き来しながら自由に分析を進めていきましょう。

STP分析と合わせて使うべきフレームワーク

マーケティング戦略を行うならば、STP分析に加えて他のフレームワークも活用した方が事業の成功につながりやすくなります。そこで、STP分析と合わせて使うべきフレームワークを6つご紹介します。

ペルソナシート

ペルソナシートは、具体的な顧客の人物像や情報をまとめたシートです。

ペルソナの情報をまとめておくことで、ターゲットよりも明確にユーザー像がイメージしやすくなります。

STP分析はセグメンテーション・ターゲティングによって大まかにターゲットを設定することは可能ですが、細かなペルソナの設定まではできませんでした。

しかし、ペルソナシートを活用すれば「細かなペルソナが設定できない」というデメリットも埋めることができます。

ビジネスモデルキャンバス

ビジネスモデルキャンバスとは、複雑な要素が多いビジネスの構造を整理し、設計図のように可視化するためのフレームワークです。

ビジネスモデルキャンバスの要素として、顧客セグメント・顧客との関係・チャネル・収益の流れ・提供価値・キーアクティビティ・キーリソース・キーパートナー・コスト構造の9つがありますが、この中でも顧客に近い要素、特に「顧客セグメント」を整理する際にSTP分析が役立ちます。

3C分析

3C分析とは、ミクロ環境を分析する上で欠かせない基礎手法です。

市場を絞り込み、自社の位置づけを把握するためのSTP分析とは異なり、3C分析では自社・競合・顧客から事業の方向性を明確化します

ターゲティングで自社・競合・顧客の観点から自社に適した市場を見つけやすくなります。

また、3C分析で適した市場が見つからなければ別の市場に切り替えてみるのも良いでしょう。

3C分析については、こちらでさらに詳しく解説しています。

4P分析

4P分析とは、自社の商品やサービスの販売を拡大するために、商品(Product)・価格(Price)・立地や流通(Place)・広報や宣伝(Promotion)を分析する手法です。

新商品のローンチや既存商品の売れ行きが怪しくなった際に行い、販売を促していきます

4P分析は複数のフレームワークと連携させることで、より精度の高い戦略を立案することも可能です。

STP分析と組み合わせる場合も4P分析によって自社の商品・サービスの強みがより詳細に把握でき、マーケティングミックスを適正化することができます。

4P分析については、こちらでさらに詳しく解説しています。

SWOT分析

SWOT分析とは、自社を取り巻く内部環境と外部環境をプラス面とマイナス面に分けて整理するための手法です。

内部環境では強み(Strength)・弱み(Weakness)を、外部環境では機会(Opportunity)・脅威(Threat)に整理していきます。

SWOT分析を行う上で重要なのは、「目的を明確に定義すること」です。

例えば「営業拠点が多い」という特徴は、目的が明確でなければプラス面にもマイナス面にも捉えられてしまいます。

この目的を明確に定義するという前提こそ、STP分析におけるセグメンテーション・ターゲティングが当てはまります。

SWOT分析については、こちらでさらに詳しく解説しています。

PEST分析

PEST分析は、マクロ環境を分析するためのフレームワークです。

政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)という4つの観点を分析することで、自社で統制できない外部環境を知ることができます。

マーケティング戦略を策定フローにおいて最初に行われる分析であり、ここから3C分析やSWOT分析にもつながっていきます。

STP分析においても市場規模や成長率を確認する上で、PEST分析で得たデータを活用する必要があります。

PEST分析については、こちらでさらに詳しく解説しています。

STP分析を含むマーケティングリサーチは電通マクロミルインサイトにご相談ください

STP分析はマーケティング戦略の策定フローにおいて、ターゲットや市場を明確にするために必要なフレームワークです。

STP分析を活用してマーケティング戦略を効果的に立案していくためには、今回ご紹介した7つのポイントを押さえながら分析を行うようにしましょう。

また、STP分析を成功させるためには他のフレームワークと組み合わせることも大切です。

特に市場や自社の状況をリサーチし、エビデンスを確保した上でSTP分析を行う必要があります。

電通マクロミルインサイトでは、電通が持つリサーチ会社としての豊富な実績と、マクロミルが持つマーケティングデータやテクノロジーの活用が組み合わさり、最適な分析手法をご提案することも可能です。

また、専門性の高い100名以上のリサーチャーやアナリストが在籍し、ビジネスの成功へと導きます。

当社では、STP分析についての豊富な活用事例をご案内することが可能です。
STP分析を含むマーケティングリサーチは、電通マクロミルインサイトへご相談ください。

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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