現地でのトレンドや消費者のリアルについて、グローバルリサーチ(海外調査)を担当するグローバルリサーチャーによるトレンドレポート第12弾は、サウジアラビア出張記です。
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目次
サウジアラビア「ビジョン2030」
サウジアラビアといえば石油大国、砂漠、イスラム教、絶対君主制、といったワードを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
しかし近年は、2016年にサウジアラビアをすべての面における「先駆的かつ優れたグローバルモデル」として成功させることを目標に掲げた経済改革構想「サウジビジョン2030」を打ち出しています。
参照:https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/middle_east/sa/sj-visionoffice/links/SVpdf_jp.pdf
このビジョンに沿って、経済、健康、教育、インフラ、レクリエーション、観光などの公共サービス部門において急速に欧米化、近代化が進んでいるサウジアラビアに、2025年5月に出張してきました。
女性の地位の変化
イスラム教における、女性の権利や行動が制限される慣習にも変化が見て取れました。
男女別の入り口を廃止
サウジアラビアでは、今までは女性が家族以外の男性と同席しないよう、飲食店などでは家族連れや女性客専用の入り口と、男性客専用の入り口というように、男女別々の入り口が義務付けられていました。
その規制が2019年より廃止され、入り口が一つの店を多く見かけました。
▼男女別の入り口ではなく、1つの入り口の店舗が増えている
女性の自動車運転の解禁
女性の労働参加の増加と社会進出に伴い、2018年6月から女性の自動車運転が解禁されています。
今回の出張では、2台、運転中の女性に遭遇しました。
自動車だけでなく自転車やスクーターで、40℃の炎天下であっても、女性が運転している光景も目にしました。
▼女性が車やスクーターを運転する光景も街中でみかけた
服装もゆるやかな変化
アバヤ+ニカブ(目だけがでるもの)がデフォルトだったサウジアラビア女性たち。伝統的な恰好をしている女性のほうが多数派ではありますが、おしゃれを楽しむ人も多くみられました
例えば伝統的な黒ではなく、色付きのアバヤ+頭だけを覆うヒジャブ、もしくはヒジャブだけの人、アバヤだけの人も。
コロナでマスクが流行ったため、ヒジャブに黒いマスクを着けている人もなどもいました。
▼伝統的な黒ではなく、色付きのアバヤ+ヒジャブでおしゃれを楽しむ人も
リサーチ実施時の影響
イスラム教においては、特に未婚の場合は男女の空間は分ける必要がありました。
しかし今回の調査では、男女同じ部屋での打ち合や、男女同室でのグループインタビューの実施が可能になっていました。
▼以前は許されなかった、男女同室での打ち合わせも可能に
外国資本の流入による発展
2030ビジョンを受け、2019年に日本を含む世界49カ国に対して観光ビザの発給を開始以来、急激に海外の資本、欧米からの人々が流入したことにより、受け入れ態勢が整いつつあります。
外国人への対応
イスラム教では飲酒は禁止されていますが、イスラム教徒以外の外国人(外交官など)であれば、お酒を買える(飲める)エリアも拡充されています。
服装も自由ですし、メトロに英語表記があるなど、英語でのサービスなども拡充されていました。
▼ショッピングモールにはTシャツ姿の女性も

外国資本の店舗も
特にアメリカ資本のお店(チーズケーキファクトリー、ハンバーガー、ドーナッツなど)が多くみられましたが、なかでもスターバックスはあちらこちらで見ました。
フランス発祥のカルフールやイギリスのマークス&スペンサーといったブランドも見かけました。
日本からはDAISOも出店しており、商品は日本と同じものが販売されていました。
▼外国資本の店舗が多く出店

▼DAISOも出店しており、商品は日本と同じものが販売されている
メトロの開通
2024年12月に、メトロも開通しています。車両は「First Class」「Family Class」「Single」の3種類。
・First Class:ファーストクラスのチケットを持っている方の乗車
・Family Class:レギュラーチケットを持っている女性、男女のグループ、カップル、家族の乗車
・Single:男性のみの乗車
世界最大の都市公園も
また、首都リヤドに、世界最大の都市公園を建築中でした。
約16.6平方キロメートルという広大な敷地面積の公園は、2025年までに完成予定とのことでしたが、工事中の風景を見る限りは、完成までまだ時間はかかりそうです。
▼完成予想図と工事中の様子
※画像出典:https://www.arabnews.jp/article/saudi-arabia/article_127926/
急速な変化と発展を遂げている現地の様子をお伝えしました。
電通マクロミルインサイトでは、様々な地域・国での調査実施や新興国での調査など、多数の実績があります。
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2013年電通マクロミルインサイト入社。 グローバル調査部門を立ち上げ、グローバル推進部長を経て現在はグローバルインサイトスペシャリストとして従事。
25年以上の海外調査の経験を持ち、渡航国数は50か国を超える。