見積依頼
無料相談
資料
ダウンロード
セミナー
申込
見積依頼
無料相談
資料
ダウンロード
セミナー
申込
見積依頼・無料相談 資料ダウンロード セミナー申込

マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム カテゴリーエントリーポイント確立のための調査設計ポイントや施策活用についてリサーチ会社が解説

カテゴリーエントリーポイント確立のための調査設計ポイントや施策活用についてリサーチ会社が解説

目次

カテゴリーエントリーポイント(CEP)とは

カテゴリーエントリーポイント(CEPCategory Entry Points)とは、消費者が特定の製品カテゴリーを思い出す「きっかけ」や「状況」「感情」「目的」などを指します

「どんなときにそのカテゴリーを想起するのか?」という消費者の記憶の入り口を設計するための重要な概念です。
単にブランドの知名度を高めるのではなく、「使いたいと思う状況」と結びついた想起を生み出すことで、選ばれるブランドになる確率を高めることができます。

特に、選択肢があふれる現代の市場においては、文脈での想起こそが競争力の源泉です。

たとえば、同じ清涼飲料水であっても、商品やブランドによっては連想されるシーンや目的(カテゴリー)が異なります。

▼清涼飲料水のカテゴリー例

「喉が渇いたとき」ブランドA

「リフレッシュしたいとき」ブランドB

「集中力を高めたいとき」ブランドC

「食事と一緒に飲みたいとき」ブランドD

上記のように、ある行動や感情がきっかけとなり、その製品やサービスが想起されるのがカテゴリーエントリーポイント(CEP)です。

なぜカテゴリーエントリーポイント(CEP)が重要なのか?

消費者は、常にブランドを覚えているわけではありません。むしろ、多くの場合は「状況」や「シーン」に紐づけてブランドを思い出していることが多くあります。

ブランドは単に知名度を高めるだけでなく、「〇〇したいときは、あのブランド」といった文脈的な想起(=カテゴリーエントリーポイント:CEP)を獲得することが重要なのです。

ブランドが思い出される場面を増やすことができれば、購買時に候補に入る確率も高まり、ブランド選好度の向上や売上の拡大にも直結します。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)の特徴

カテゴリーエントリーポイント(CEP)の特徴は主に次の3つです。

顧客起点である:企業側の提供価値ではなく、顧客の「行動」や「感情」を軸に設計される

複数存在する1つのカテゴリーに対して、複数のカテゴリーエントリーポイント(CEP)が存在するのが一般的

ブランド間競争の場:同じカテゴリーエントリーポイント(CEP)に複数のブランドが想起される場合、そこで選ばれるかどうかが勝負

カスタマージャーニーの複雑化がカテゴリーエントリーポイント(CEP)を加速

現代の消費者は、SNS、検索、口コミ、レビュー、広告など、多様な情報媒体・チャネルの中で接点を行き来しながら意思決定をしています。そのため、「価格」「性能」「機能」といった比較軸だけでなく、

  • どんな場面でその商品が必要になるのか?
  • どんな気持ちのときに思い出されるのか?

といった“使用文脈”や“心理状態”の理解がブランド選定のカギとなってきています。

こうした背景から、企業のマーケティング戦略では、ターゲットインサイトに基づいたカテゴリーエントリーポイント(CEP)の設計と、その想起を促すコミュニケーション設計が、ブランド成長の必須要素として注目されているのです。

B2CだけでなくB2Bにも有効

カテゴリーエントリーポイント(CEP)は、一般消費者向け(B2C)だけでなく、法人向けビジネス(B2B)においても応用可能です。たとえば、

  • 「業務効率を改善したいとき」→ ITソリューション
  • 「資料作成をスピーディにしたいとき」テンプレートサービス

といったように、意思決定のトリガーとなるシーンを押さえることで、商談のきっかけや選定プロセスに影響を与えることが可能です。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)の具体例と活用イメージ

カテゴリーエントリーポイント(CEP)は、抽象的な概念に感じられるかもしれませんが、日常的な行動や感情に根ざした「きっかけ」であるため、あらゆる業界・商材で具体的に活用できます。こうした「状況」がカテゴリーエントリーポイント(CEP)となり、その場面で思い出されるブランドが「選ばれるブランド」となります。

B2Bでも、業務課題や意思決定の「きっかけ」に寄り添うことで、ブランドやサービスの想起を促進できます。

活用イメージ:カテゴリーエントリーポイント(CEP)に基づいた訴求の変化

従来の広告メッセージが「商品の良さ・機能」にフォーカスしていたのに対し、カテゴリーエントリーポイント(CEP)を意識した訴求では「使うシーン」や「心の動き」に共感を促す表現が求められます。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)に基づいた訴求例:
  • 従来:「高性能な加湿器」
  • カテゴリーエントリーポイント(CEP)視点:「朝起きたときの喉の乾燥が気になるあなたへ」

このように、生活者やビジネスパーソンの状況に寄り添ったメッセージを打ち出すことで、より自然にブランドが想起され、選ばれる確率が高まります。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)の設計ステップ

カテゴリーエントリーポイント(CEP)を戦略的に活用するには、自社の商品・サービスが想起される「文脈」を意図的に設計することが重要です。
ここでは、カテゴリーエントリーポイント(CEP)を発見し、マーケティング施策に落とし込むための基本ステップを4つに分けて紹介します。

ステップ1:顧客の「使用状況」や「心理的トリガー」を洗い出す

最初に、顧客がそのカテゴリーの商品・サービスを思い出すシーンを明らかにすることです。

  • どんなタイミングで使われるのか?
  • どんな気持ちのときに必要になるのか?
  • どんな課題や不安を抱えているときに関心が高まるか?

これらの情報は、インタビュー調査(グループインタビュー/デプスインタビュー)、カスタマージャーニーマップアンケート調査などから把握することができます。

ステップ2:洗い出したカテゴリーエントリーポイント(CEP)における競合状況を分析する

次に、それぞれの使用シーンにおいて、競合ブランドがどのように想起されているかを確認します。

  • そのカテゴリーエントリーポイント(CEP)ではどのブランドがまず想起されるのか?
  • 自社ブランドはその文脈で思い出されているか?
  • 想起されていない場合、その原因は何か?

この分析を行うことで、どのカテゴリーエントリーポイント(CEP)を取りに行くべきか、どこにブランドギャップがあるかが見えてきます。

ステップ3:自社ブランドの強みと合致するCEPを選定する

競合分析を踏まえた上で、自社が取りに行くべきカテゴリーエントリーポイント(CEP)を絞り込みます。

  • 自社の提供価値と親和性の高いカテゴリーエントリーポイント(CEP)はどれか?
  • まだ競合が強く押さえていない空白地帯はあるか?
  • ブランドの中長期戦略と整合性があるか?

特定のカテゴリーエントリーポイント(CEP)にフォーカスすることで、広告、SNS、営業資料、商品設計で一貫性あるコミュニケーションが可能になります。

ステップ4:選定したカテゴリーエントリーポイント(CEP)に基づいてコミュニケーションを設計する

最後に、選定したカテゴリーエントリーポイント(CEP)ごとに、どのような表現やチャネルでメッセージを届けるかを設計します。

  • 広告コピーやタグラインにシーンを取り入れる
  • 体験型コンテンツやUGCで使用状況を可視化する
  • LPや製品説明文に「〇〇なときにおすすめ」と記載する

このように、使用文脈ベースで設計された顧客体験やタッチポイントを通じて、カテゴリーエントリーポイント(CEP)での想起率を高めることができます。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)を活用したマーケティング施策例

カテゴリーエントリーポイント(CEP)が設計できたら、次はそれを具体的なマーケティング施策に落とし込むフェーズです。
カテゴリーエントリーポイント(CEP)
は、広告表現から商品開発、コンテンツ戦略まで幅広く活用できるフレームワークです。ここでは、代表的な施策例を4つ紹介します。

施策1:広告・コピー開発で「シーンを切り取る」

広告やプロモーションのメッセージにカテゴリーエントリーポイント(CEP)を反映させることで、特定の文脈でブランドを想起させる効果が期待できます。

シーンを切り取った例:

  • 商品機能訴求:「糖質オフのビール」
  • カテゴリーエントリーポイント(CEP)訴求:「今日は早く帰れたから、自分にちょっといいご褒美を。」

単なる機能やスペックではなく、「どんなときに使いたくなるか」を描くことで、より感情に訴えるクリエイティブが可能になります。

施策2SNSや動画コンテンツで文脈を可視化する

SNSやYouTubeなどでは、日常のシーンを切り取ったストーリー仕立ての投稿や動画を通じて、カテゴリーエントリーポイント(CEP)を自然に想起させることができます。

文脈を可視化した例:

  • ◯◯な朝のルーティン動画」
  • 「疲れた日の帰り道におすすめの3選」
  • 「リモートワークあるある」

といった点からプロダクトへの導線を設計し、生活者のリアルな共感を引き出すことで、共感→想起→選択の流れをつくりやすくなります。

施策3:ECサイトやLPで「用途別」訴求を展開

ECサイトやランディングページでは、商品の用途や使用シーンをカテゴリーエントリーポイント(CEP)ベースで分類・ナビゲートすることで、ユーザーに寄り添った導線設計が可能です。

用途別に訴求した例:

  • 「こんなときにおすすめ」セクションを設置
  • 「朝活」「会議前」「集中したい午後」などのシーン別提案
  • 「お悩みから選ぶ」UIでカテゴリーエントリーポイント(CEP)ごとに商品をレコメンド

自分ゴト化しやすくなり、コンバージョン率向上にもつながります。

施策4:パッケージや店頭POPで「使用シーン」に言及

オフラインでも、カテゴリーエントリーポイント(CEP)を活用することで購買を後押しできます。
商品パッケージや店頭POP「いつ、どんな気分のときに使うか」を明記することで、衝動買いを後押しする効果もあります。

使用シーン例:

  • 「お風呂上がりにすぐ飲みたい!」(飲料)
  • 「大事な打ち合わせの前に」(スキンケア)
  • 「深夜残業のおともに」(スナック菓子)

このように、カテゴリーエントリーポイント(CEP)はアイデアの種にもなり、クリエイティブや施策展開に生活者の視点を取り入れるための非常に有効なフレームワークです。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)を捉えるためのマーケティングリサーチ活用方法

ポイント1:カテゴリーエントリーポイント(CEP)を捉えるための調査設計

カテゴリーエントリーポイント(CEP)は、消費者の「行動」や「感情」「状況」と結びついています。そのため、一般的な属性や嗜好だけではなく、文脈やトリガーに注目した調査設計が必要です。

有効な質問例:

  • あなたがこの商品・サービスを使いたくなるのはどんなときですか?
  • どんな気分・状況のときにこのカテゴリーを思い出しますか?
  • 最近この商品を使ったときのシーンを思い出してください。

自由回答と選択肢を組み合わせることで、想起されるカテゴリーエントリーポイント(CEP)を網羅的に把握することができます。

ポイント2:カテゴリーエントリーポイント(CEP)の定量分析でポジショニングを可視化

定量調査では、カテゴリーエントリーポイント(CEP)ごとにブランドの「想起率」や「選好度合い」を数値化し、ポジショニング分析や競合比較に活用することができます。

分析イメージ:

  • 仕事に集中したいときに思い浮かべるブランド」Top3
  • CEPにおけるブランドごとの想起・使用経験
  • 自社ブランドが強いCEP/弱いCEPのマッピング

これにより、戦略的に狙うべきカテゴリーエントリーポイント(CEP)や、強化が必要な文脈が明確になります。

ポイント3:カスタマージャーニーやパーセプション分析と連動

カテゴリーエントリーポイント(CEP)の調査結果は、カスタマージャーニーマップやブランドパーセプション分析と組み合わせることで、より立体的な顧客理解が可能になります。

  • 各タッチポイントで想起されるカテゴリーエントリーポイント(CEP)の違い
  • 購買前/使用後でのカテゴリーエントリーポイント(CEP)の変化
  • セグメント別(年齢・性別・職業など)によるカテゴリーエントリーポイント(CEP)の違い

こうした情報は、施策の優先順位付けやパーソナライズ戦略の設計にも直結します。

カテゴリーエントリーポイント(CEP)確立のためのマーケティングリサーチなら電通マクロミルインサイトにご相談ください

カテゴリーエントリーポイント(CEP)は、「どんなときにそのカテゴリーを思い出すのか?」という消費者の記憶の入り口を設計するための重要な概念です。

「どのタイミングで、誰に、どう想起されるか」を設計することで、ブランドの成長は確実に加速します。
もし、自社の商品・サービスにおけるカテゴリーエントリーポイントを明確にしたい、あるいは施策に活用したいというお考えがあれば、ぜひ電通マクロミルインサイトまでご相談ください

マーケティングのお悩み、リサーチのプロにご相談ください

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

関連コンテンツ

潜在ニーズの見つけ方とは?意味や具体例、顕在ニーズとの違いを解説
ターゲットマーケティング(ターゲティング)とは?進め方やメリット、事例、分析手法を徹底解説
ニーズ調査とは?目的や方法、顧客ニーズを収集するときの注意点
ペルソナマーケティングとは|ターゲットとの違いは?古いと言われる理由や具体的な手順
顧客(消費者)インサイトとは?潜在ニーズとの違いやマーケティングにおける分析、活用について解説
顧客満足度調査(CS調査)の方法、注意点、設問例などをリサーチ会社が解説
認知度調査のポイント、進め方、手法を解説
SNSマーケティングとは?メリットや参考になる成功事例もあわせて解説
【独自調査レポート有】α(アルファ)世代とは、定義や特徴、マーケティングのヒントまで紹介
Z世代の定義、特徴、マーケティングのヒントを解説
AIDMAとは?AISASとの違い、意味やポイント、類似モデルについて解説
カスタマージャーニーマップとは?意味や考え方と作り方、必要性など解説
市場機会を発見するためのリサーチとフレームワークを解説
イノベーター理論とは?マーケティングに活用するために5つのタイプと具体例を解説
アーリーマジョリティとは?市場拡大のカギを握る層の特徴と攻略法を解説
レイトマジョリティとは?市場拡大の最後のピースを埋める消費者層の攻略法
ブランドアイデンティティとは?定義・構成要素・メリット、リサーチが果たす役割などを解説
顧客生涯価値(LTV)とは?LTVの意味、計算方法、高めるためのポイントとリサーチの活用方法を解説
タッチポイント(顧客接点)とは?チャネルとの違いやリサーチ活用のポイント

CONTACT マーケティングリサーチに関する
ご相談・資料請求はこちら