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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム NPS®とは?算出方法やメリット、注意点など調査会社として解説

NPS®とは?算出方法やメリット、注意点など調査会社として解説

2025.01.22
マーケティングリサーチ
NPS®とは?算出方法やメリット、注意点など調査会社として解説

掲載日:2023年5月1日
更新日:2026年1月22日

自社のサービスや商品を利用いただくお客様の満足度は、とても重要なことは自明だと思います。日々のマーケティングや販売活動に従事する方々は、顧客の満足していただくことがなにか?を日々自問しながら様々な取り組みを行っていらっしゃると思います。

顧客が満足しているかどうか?を図るために、アンケートやインタビューなどで顧客満足度合いを聴取されている方も多いと思いますが、一方で満足度だけで本当に顧客がサービスに満足をしているのか測りかねている方もいるかと思います。

近年、顧客満足度に変わる指標としてNPS®Net Promoter Score)という指標が注目されています。NPS®は、顧客ロイヤリティを測定するため信頼性の高い指標として多くの企業が活用し始めています。これは、NPS®のスコアと企業の業績に相関性が高いことがわかってきたからです。

そこで本記事では、年間多数の調査を実施するマーケティングリサーチ会社として、NPS®とはなにか、算出方法や顧客満足度との違い、メリットとデメリットなどについて解説していきます。

顧客満足度を正しく捉える手法を理解し、マーケティングに活かしていただけたら何よりです。

本記事のおすすめ対象者

・顧客満足度やNPS®を測定したいが、具体的なやり方を知りたいCS部門の担当者・責任者
・顧客満足度調査をやっているが、調査結果を施策に活かしきれていないと悩むマーケティング担当者
・自社だけでなく競合他社の満足度も気になる調査部門、事業企画部門の担当者

NPS®とは

NPS®とは(ネットプロモータースコア)の略で、顧客ロイヤルティを数値化する指標です。
この記事では、NPS®の基本的な意味や顧客満足度との違い、具体的な計算方法を分かりやすく解説します。さらに、NPS®をビジネスに活用するメリットや導入事例も紹介し、顧客との良好な関係構築をサポートします。

顧客ロイヤルティを測るための指標

NPS®は、顧客ロイヤルティ、つまり顧客が企業やブランドに対して感じる「信頼」や「愛着」を測るために開発されました。顧客満足度が一時的な感情を評価するのに対し、NPS®は顧客との継続的な関係性を評価する指標として位置づけられています。
ロイヤルティの高い顧客は、繰り返し製品を購入してくれるだけでなく、良い口コミを広めてくれる可能性が高いと考えられます。

【関連記事】ブランドロイヤリティとは?意味や調査方法や高め方、顧客満足度との違いまで徹底解説

指標

測定対象

特徴

NPS®

顧客ロイヤルティ(信頼・愛着)

未来の推奨意向を問い、収益性との相関が高い

顧客満足度

過去の体験に対する満足感

必ずしもリピート購入や推奨行動に繋がらない

事業の成長と相関性が高い

NPS®が多くの企業で導入されている最大の理由は、事業の収益性や成長率との間に強い相関関係が認められている点です。
NPS®の考案者であるベイン・アンド・カンパニー社の調査によると、NPS®が高い企業は競合他社に比べて約2倍の成長率を上げていると報告されています。これは、NPS®が高い状態、つまり推奨してくれる顧客が多い状態が、企業の売上向上に直接的・間接的に貢献するためです。

eNPS®とは

NPS®から派生した指標に、eNPSEmployeeNetPromoterScore)というものがあります。

eNPSは、顧客ではなく、企業の従業員の満足度、推奨度を測るために利用します。

「親しい友人に勤務先の職場を、どのぐらい推奨したいか」と質問して、その結果を元に、従業員のロイヤルティや離職率の可能性を評価します。

調査・算出方法はNPS®と同じく、下記のステップです。

eNPSの調査・算出方法
  • 質問に対して0(薦めない)~10(薦める)の11段階で聴取する
  • 上記のアンケート結果で、10~9と答えた集団を推奨者(Promoter)、8~7を中立者(Passive)、6~0を批判者(Detractor)の3つに分類
  • 「推奨者」-「批判者」の割合の差をNPS指標として算出する

NPS®と同様、eNPSを導入・活用する企業も増えています。
その理由として、eNPS®は、「顧客満足度」「生産性」「離職率」など企業にとって重要な指標と相関があることがわかってきているためです。

eNPS調査は、定期的に実施することで組織の状況変化を把握することができます。数値が変化したときに組織の問題点を深掘りしたり、改善の取り組みを見直すことができるため、より良い職場環境の実現に役立てることができます。

顧客満足度とNPS®の違い

顧客満足度とNPS®は、どちらも顧客の満足度合いを測る点では共通していますが、その目的と評価方法に違いがあります。

顧客満足度は、企業が提供する製品やサービスに対して、顧客がどの程度満足しているかを測定する指標です。

一般的には、顧客に「この製品・サービスに対する満足度を教えてください?」と質問し、5段階や7段階のスケールで評価します。

顧客満足度は、製品やサービスの品質や価格、アフターサービスなどの要素を総合的に見た顧客の現在の評価を知ることができます。

しかし、満足の指す範囲が非常に広いため、解釈が曖昧になりがちで、満足度が高いからリピートにつながらない場合もあります。また、顧客が利用する頻度が低いもの(耐久材の購入やライフイベント等に関するサービス)だと、満足度が高くても将来の売上には寄与しない場合があります。

一方、NPS®(ネットプロモータースコア)は、顧客が企業の製品やサービスを他人に勧める意向を測る指標です。顧客の未来の行動を想定した質問のため、将来性を見込んだ満足度を測ることができます。

このスコアが高いと、他の顧客にサービスを広めるだけでなく、自らがリピートする可能性が高くなります。結果としてNPS®は企業の業績と連動しやすい指標と言われており、今後の収益性を予測する上で重要な指標とも言えます。

顧客満足度とNPS®は、それぞれ異なる視点から顧客の意見や感情を捉えるため、両方を組み合わせて分析することで、より総合的な顧客理解が可能となります。

NPS®の計算方法と評価の仕組み

NPS®の調査は非常にシンプルです。基本的な質問は一つだけで、計算方法も分かりやすいのが特徴です。

たった一つのシンプルな質問

NPS®を測定するための基本的な質問は、「あなたはこの企業(製品/サービス)を、親しい友人や同僚にすすめる可能性はどのくらいありますか?」です。顧客はこの質問に対し、0点(全く思わない)から10点(非常にそう思う)までの11段階で回答します。

回答者を3つのグループに分類する

アンケートの回答は、点数に応じて3つのカテゴリーに分類されます。

分類

点数

特徴

推奨者(Promoters)

9~10点

企業の熱心なファンであり、積極的に良い口コミを広めてくれるロイヤルティの高い顧客層です。

中立者(Passives)

7~8点

商品やサービスに満足はしているものの、熱心なファンではなく、競合へ乗り換える可能性も秘めている顧客層です。

批判者(Detractors)

0~6点

不満を抱えており、悪い口コミを広めるリスクがある顧客層です。解約や離反の可能性が高いとされます。

NPS®スコアの計算式と具体例

 NPS®スコアは、回答者全体に占める「推奨者」の割合(%)から、「批判者」の割合(%)を引いて算出します。中立者の割合は計算には使用しません。

NPS®スコア=推奨者の割合(%)-批判者の割合(%)

例えば、100人から回答を得て、推奨者が30人(30%)、中立者が50人(50%)、批判者が20人(20%)だった場合、NPS®スコアは「30%-20%=10」となります。スコアは-100から+100の範囲で算出されます。

NPS(Net Promoter Score)の測定方法

NPS®のメリット

NPS®の指標をマーケティング活動に活用するメリットは次の3点です。

計測が容易で理解しやすい

自社ユーザーに数問のアンケートをするだけで把握が可能です。

また、その計算方法もわかりやすく誰でも算出が可能なため、多くの関係者が理解しやすいことがメリットの1つです。

競合他社と比較しやすい

NPS®は国内だけでなく、世界中の多くの企業で採用されているスコアのため、業界平均NPSや競合他社と比較することで自社の立ち位置を把握しやすいということもメリットです。

調査会社などに委託すれば、競合他社ユーザーにも同じ調査をすることができ、比較も容易にできます。

ただし、業界が異なると平均スコアも大きく変わるため、同業界での比較をすることが重要です。

時系列での比較がしやすい

シンプルな質問のため、継続的にモニタリングをすることが容易で、時系列で比較がしやすいというメリットもあります。何か販促施策やCS施策を実施したときに顧客ロイヤリティにどのような影響を与えているのか、NPS®が改善しているかを、確認することもできます。

また、時系列での比較を通じて、顧客満足度が低下し始める兆候を早期にキャッチし、対策を講じることもできます。

NPS®のデメリット・注意点

NPS®を調査、活用する際には次のようなデメリット・注意点もあります。

日本では実態よりも低めのスコアが出やすい

海外に比べて日本人は、自分の意見を控えめに表現する傾向があり、中央値の56点を付けやすい傾向があります。

5~6点はNPS®では「批判者」に分類されるため、日本での調査の場合「批判者」が多いという結果になりがちです。

そのため、推奨者より批判者を差し引いて算出するNPS®では、日本では上位企業であってもマイナスの数値結果が算出されることが多くあります。海外の同業他社と比較すると差が大きく出てしまうため、国際比較をするときは注意が必要になります。

スコアだけでなく、理由や意見を合わせて聴取する必要がある

商品を他社に紹介するか、しないかといったスコアだけでは、スコアが高い・低いということは判明しても、その理由や改善点、満足されている点などは不明のままです。

また、NPS®は数字で表されるため、一見わかりやすく便利な指標に思えますが、 1つの数値だけで表すということは、結果の解釈が曖昧な場合があります。

NPS®だけに依存せず、他の定性的なフィードバックや詳細な顧客分析と併用することが重要です。

弊社でNPS®を調査する場合は、「そのように評価した理由をお答えください」というフリーコメントを聴取することで理由やスコア以外の定性的な情報も把握ことをおすすめしています。

定性的なコメントを、まずは「ネガティブ」「ポジティブ」「どちらでもない」といった種類にわけ、さらに「価格」「サービス」「サポート」など分類することで、自社の満足点や不満点を具体的に把握することができ、NPS®改善の手がかりが見えてきます。

また、顧客がサービスを利用するときに重視している点を理解することで、より適切な対応やサービスの提供が可能になります。

質問の仕方やタイミングで回答が変わる

NPS®のスコアは、質問を投げかけるタイミングや文脈によって大きく変動するという側面があります。例えば、顧客が製品を購入した直後の高揚感がある時期に調査を行うと、推奨度は高くなる傾向にあります。一方で、配送の遅延やシステムの不具合が発生している最中に調査を実施すれば、本来のブランド価値とは無関係にスコアが急落することも珍しくありません。
このように、NPS®は「その瞬間」の顧客の感情に左右されやすい、一時的なスナップショットとしての性質を持っています。

また、質問の仕方も回答に影響を与えます。ブランド全体に対する愛着を問う調査なのか、特定のサポート体験を問う調査なのかを明確に使い分ける必要があります。これらの設計が不十分だと、得られた数値がブランドへの忠誠心を示しているのか、単に直近の作業への評価なのかが判別できなくなります。正確な動向を把握するためには、調査の方法を一貫させ、継続的に実施することが不可欠です。

NPS®調査の具体的な進め方

NPS®調査には大きく分けて2つのアプローチがあり、目的に応じて使い分けることが効果的です。

目的を明確にするリレーショナル調査

リレーショナル調査は、企業やブランド全体に対する顧客ロイヤルティの全体像を把握するために、定期的(例:半期に一度、年に一度)に行う調査です。経営指標としてNPS®を追跡したり、競合他社と比較したりする際に用いられます。これにより、事業全体の健康状態を診断することができます。

顧客接点を改善するトランザクショナル調査

トランザクショナル調査は、商品購入後、問い合わせ後、セミナー参加後など、顧客が特定のサービスを体験した直後に行う調査です。個別の顧客接点(タッチポイント)における課題をリアルタイムで発見し、現場レベルでの迅速な改善に繋げることを目的とします。

調査手法

目的

実施タイミング

リレーショナル調査

ブランド全体の評価、競合比較、経営指標としての活用

1回、半期に1回など定期的

トランザクショナル調査

個別の顧客体験の評価、現場での迅速な改善

商品購入後、問い合わせ後など、体験直後

調査後の分析と改善アクションが重要

NPS®は調査して終わりではありません。得られた結果を分析し、具体的な改善アクションに繋げ、その効果を次の調査で検証するという「クローズドループ」を回すことが成功の鍵となります。批判的な意見にも真摯に向き合い、改善に取り組む姿勢が顧客の信頼を高めます。

NPS®を導入して活用するためのポイント

NPS®を効果的に事業成長へ繋げるためには、導入時の設計が非常に重要となります。単にスコアを測定するだけでなく、そのデータをいかに活用して組織を動かすかが成功の鍵を握ります。ここでは、導入時に必ず押さえておくべき核心的なポイントについて具体的に解説していきます。

できるだけ多くの回答を集める

NPS®のスコアに信頼性を持たせるためには、統計的に十分な母数と、偏りのない回答データを確保することが不可欠です。回答数が少ない場合、極端に満足している層や強い不満を持つ層の声ばかりが目立ち、顧客全体の真の姿を見誤るリスクがあります。高い回答率を維持するためには、アンケートの設問を極力シンプルにし、回答者の負担を軽減する工夫が求められます。

現場にフィードバックする

NPS®調査で得られた結果を経営層だけで保持するのではなく、顧客と直接接点を持つ現場のスタッフへ迅速に共有する体制が欠かせません。現場が自分たちの仕事に対する具体的な評価を直接知ることで、自律的な改善行動が生まれます。スコアの数値だけでなく、具体的な理由をセットでフィードバックすることで、どの行動を継続し、どの行動を改善すべきかが明確になります。

サイレントマジョリティも考慮する

アンケートに回答してくれない「サイレントマジョリティ」の存在を無視することはできません。一般的に、非常に満足している顧客や強い怒りを感じている顧客は回答しやすい傾向にありますが、その中間に位置する多くの顧客は沈黙を守ったまま他社へ乗り換えてしまう可能性があります。回答データの分析と並行して、未回答者の属性や行動ログを確認し、潜在的な離反リスクを察知する姿勢が不可欠です。

項目

成功のためのアクション

期待される効果

回答数

設問の簡略化と配信タイミングの最適化

データの統計的信頼性の向上

フィードバック

現場スタッフへのリアルタイム共有

サービスの自律的な改善

サイレント層

未回答者の属性や行動ログの分析

潜在的な解約リスクの防止

NPS®の効果的な分析方法

NPS®の結果を効果的に分析するためには、以下のポイントに注意しましょう。

スコアの内訳を把握

 NPS®のスコアは推奨者(9-10点)、中立者(7-8点)、批判者(0-6点)の3つのグループに分けられます。まず、各グループの割合を確認し、スコアの内訳を把握することが基本となります。

同じスコアでも中立者が多いのか、推奨者も批判者も多く意見が分かれるサービスなのか、によって打ち手が変わります。

中立者が多い場合、多くのユーザーに印象がなく差別化されていないと言う仮説が立てられます。推奨者、批判者ともに多い場合、強みを活かしつつターゲティングを明確に絞るなどの対策が考えられます。スコアだけでなく構成比も必ず確認するようにしましょう。

セグメント別分析

 顧客層によってNPS®のスコアに違いがある場合があります。年齢、性別、地域、購入履歴などのセグメントごとにスコアを比較し、特定の層で問題があるかどうかを確認しましょう。これにより、ターゲットに合わせた改善策を立案できます。

フリーコメントによる理由の分析

 NPS®調査では、スコアだけでなく顧客がそのスコアを付けた理由も重要です。具体的な意見や改善要望を「商品スペック」「デザイン・見た目」「ブランド」「アフターフォロー」などに分類し、問題点や改善ポイントが明確にしましょう。

時系列での把握

NPS®調査を定期的に実施することで、スコアやフィードバックの変化を確認できます。これにより、改善策の効果や新たな問題点を把握し、継続的な改善を図ることが可能となります。

顧客満足度や項目別満足度との関連性を確認

NPS®スコアと顧客満足度の関連性を確認することで、NPSの要因を把握しやすくなります。さらに、価格、商品スペック、デザイン、アフターサービスなど項目ごとの満足度を同時に聴取しておくと、NPSに寄与しやすい項目がわかり、自社が注力するポイントが明確になります。

他社や業界平均との比較

NPS®スコアを他社や業界平均と比較することで、顧客から見た自社の相対的な立ち位置を把握できます。とくにベンチマークしている競合との比較を行うことで、自社の良い点、改善点を把握することが可能です。

注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。

 

マーケティングのお悩み、リサーチのプロにご相談ください

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。
監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

※この記事は自動化技術を使用して生成され、編集者によって編集および事実確認されています。


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