見積依頼無料相談 資料
ダウンロード
セミナー
申込
見積依頼
無料相談
資料
ダウンロード
セミナー
申込
見積依頼・無料相談 資料ダウンロード セミナー申込

マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム ポジショニングとは?マーケティングにおける位置づけや6つの基準、注意点など解説

ポジショニングとは?マーケティングにおける位置づけや6つの基準、注意点など解説

マーケティングにおけるポジショニングは、市場での成功を大きく左右します。
ポジショニングが優れていれば、必ずしも製品の性能やデザインが革新的でなくても、市場で際立つ存在になり得ます。ポジショニングは、競合との明確な差別化を可能にし、市場において製品やブランドのユニークな地位を築く上で不可欠です。
この記事では、市場で独自の地位を確立するためのポジショニングの重要性、その構築方法や注意点について詳しく解説します。

ポジショニングとは

ポジショニングは、マーケティング戦略の中核をなすものであり、企業やブランドが市場においてどのような立ち位置を目指すかを決めることです。製品やサービスが特定の顧客層に選ばれるために、競合とは異なる独自の価値を打ち出していくプロセスを指します。

ポジショニング戦略の目的は、顧客やターゲット市場に対して、製品やサービスが独自の地位を持つようにすることです。そのためには、ターゲット市場のニーズや願望を理解し、それに応じた製品の特徴やメリットを強調することが含まれます。効果的なポジショニングは、ブランド認知の向上、差別化の促進、そして長期的な顧客ロイヤルティの構築に寄与します。

マーケティングステップにおけるポジショニングの位置づけ

マーケティングを実践する際は、大きくは次の3つのステップで進めていきます。

マーケティングの実践ステップ
1. 環境分析 :市場のどこにチャンスがあるのかを探る
2. 基本戦略の策定:誰を対象にするか、どんな価値を提供するかを決める
3. 施策の立案と実施:どのように価値を伝えるかを決める

マーケティングプロセスにおけるSTP分析の位置づけ

ポジショニングとは、2つめの「基本戦略の策定」において、誰を対象とするのか、どのように差別化を図るのか、といったSTP分析の最終段階です。

セグメンテーション、ターゲティングとの関係や違いについて

STP分析では、まず先にセグメンテーションとターゲティングを行った後、「ポジショニング」を定めていきます。

セグメンテーション

セグメンテーションとは市場(顧客)を細分化し、戦略市場構造を定義するプロセスです。
類似の属性を持つ顧客ごとに市場を分類し、グループに分けることで、次のステップで実施するターゲティングがスムーズに進みます。

セグメンテーションについて詳しくはこちらでも解説しています

ターゲティング

ターゲティングとは、セグメンテーションによって分けた市場の中から、自社商品やサービスの強みや優位性が発揮できる市場を選定していくプロセスです。

セグメンテーション、ターゲティングで「誰に」という対象を決めた後、「何を」打ち出し、どのように訴求するのか、を明確にするのがポジショニングの役割です。

ターゲティングについて詳しくはこちらでも解説しています

ポジショニングの6つの基準

ポジショニングを検討する際には、選ぶ軸の決定が重要です。次に示すポイントで軸の選定をしていくと有効です。

特定の製品属性に基づいたポジショニング

最も一般的なポジショニングの観点は、価格、性能、品質といった製品の特徴に基づき行います。例えば「耐久性が高い」「使用が簡単」「デザイン性が優れている」といったものが挙げられます。
ただし、自社視点で考えすぎると、ユーザーにとって魅力的でなかったり意味のない特徴をあげてしまう場合もあるため、ターゲットにとって訴求できる特徴や属性を見極めることが重要です。

製品が提供するベネフィットに基づいたポジショニング

製品がもたらすベネフィットに注目してポジショニングを考える基準のことです。
ベネフィットとは、製品やサービスが消費者に提供する利益・便益のことです。ベネフィットにも3種類あり、例えば、薬用石鹸の例では、次のように具体化できます。

薬用石鹼のベネフィット例

機能的ベネフィット

「手についた細菌やウィルスを効果的に殺菌・除去する」という石鹸の基本的な役割・効能

情緒的ベネフィット

「家族の健康を確保し、特に子供たちから感染症の心配を取り除く」ことで、心地よい安心感を提供

自己表現ベネフィット

「きちんと子供の世話をするという良い親のイメージ」を持続させる

ベネフィット概念

健康増進、時間節約、快適性向上など、製品の機能性や特性ではなく、顧客にとっての「得られる体験」や「解決できる問題」に注目することで、製品が顧客の生活にもたらす具体的なメリットを強調することが重要です。

製品が使用される機会によるポジショニング

製品が誰に、どのようなシーンや機会、状況で使用されるのかといった観点でポジショニングを考えます。
使用するのが
「朝か昼か」
「男性か女性か」
「仕事で使うのか、プライベートで使うのか」
「家か屋外か」
といった場合に、製品の使用機会を明確にすることで、顧客が製品をいつ使用すべきか、どのような場面で最大の価値を得られるかを理解するのに役立ちます。

また、製品を特定の状況やライフスタイルに密接に結びつけることで、製品の特性を際立たせ、市場における独自の位置づけを強化します。

競合製品との関係性を活用したポジショニング

他の製品との比較を通じて、自社製品の独自性や優位性を際立たせるというポジショニングも効果的です。
例えば、「他社製品より、〇〇の性能が〇%アップ」「「他社製品より、〇〇の成分配合が〇%多い」といったような例です。

競合製品と距離をおいたポジショニング

競合製品と距離をおいたポジショニングは、市場内での自社製品の独立性を強調し、競合とは異なる独自のイメージを構築する戦略です。製品を既存の市場カテゴリーや競合製品群とは異なるものとして位置づけ、新しいニーズを創出または満たすことを目指します。
例えば既存の製品カテゴリーに属さない新しい概念や機能の製品はもちろんですが、それ以外にも、競合が高性能を競っているなか、「あえてこの機能だけに絞り込む」といった場合などが該当します。
これにより、製品は独自の市場セグメントを創出し、競合との直接的な比較を避けることができます。

製品の種類別のポジショニング

製品の種類別のポジショニングは、製品のカテゴリーや種類に基づいて、市場における位置付けを行う戦略です。このアプローチでは、たとえば、高級品、エコフレンドリー製品、日常使いの実用品など、製品の種類に応じてポジショニングを行い、特定のカテゴリーやセグメントに属するものとして明確に定義し、その中で独自の地位を築こうとするものです。

ポジショニングマップの作成手順

ポジショニング戦略を検討するためには、「ポジショニングマップ」を作成し、自社と競合との関係性を可視化することがおすすめです。その作成手順について解説していきます。

ポジショニングの軸を決める

ポジショニングマップを作成する際の最初のステップは、縦と横の「ポジショニングの軸を決める」ことです。
ポジショニングの軸とは、ユーザーが市場内の製品やブランドを比較し評価するための基準となる要素です。先ほど解説した「ポジショニングの6つの基準」も参考にしながら、軸を選定していきます。

この時に重要なのが、自社視点や自社の強み・特徴などを軸に選ぶのではなく、顧客のニーズや、顧客が購入時に何を重視するのか、といった点に焦点を当てるということです。
これらの要因はKBF(Key Buying Factors)と呼ばれます。

KBF(Key Buying Factors)とは

KBF(Key Buying Factors)、すなわち「主要購買要因」とは、消費者が製品やサービスを選択する際に最も重視する決定的な要素を指します。
KBFは業界や市場、製品カテゴリー、顧客セグメントによって異なりますが、一般的に以下のような要素を含みます。

価格:製品やサービスのコストや価値提案。
品質:製品の耐久性、信頼性、性能。
ブランド:ブランドの認知度、評判、イメージ。
デザイン:製品の外観、ユーザーインターフェース、使いやすさ。
機能性:製品やサービスが提供する機能や特性。
サービス:顧客サポート、保証、アフターサービス。

KBFを洗い出したら、二つの軸を使用してポジショニングマップを作成します。これらの軸は通常、相反する特性を持つものが選ばれます。例えば、一つの軸は「価格(高い vs 低い)」、もう一つの軸は「品質(高品質 vs 低品質)」といった形です。
他にも、「機能性(高い vs 低い)」、「使いやすさ(簡単 vs 複雑)」、「エコフレンドリー性(高い vs 低い)」など、製品や市場に特有の要素を軸として選ぶことができます。

他社をポジショニングマップに配置する

次のステップは、「他社をポジショニングマップに配置する」ことです。市場内の主要な競合他社や関連製品を、あらかじめ決定したポジショニングの軸に基づいてマップ上に配置します。

競合他社をマップ上に配置するためには、まずそれらの製品やサービスが選定した軸(例えば価格や品質)においてどのような位置にあるかを評価する必要があります。この評価は、市場調査、顧客のフィードバック、業界のレポートなど客観的なデータに基づいて行います。各競合他社の製品を正確に評価し、それに応じてマップ上の適切な位置に配置します。

競合他社をポジショニングマップに配置することで、自社製品の市場内での相対的な強みや弱点を理解できるだけでなく、新しい市場機会が見つかる可能性もあります。

自社のポジションを決める

競合他社の配置が完了した後は「自社のポジションを決める」段階です。
自社製品やブランドが市場内でどのように位置付けられるべきかを決定し、ポジショニングマップ上にその位置を示します。
このポジション決定は、自社の市場戦略、製品の特性、ターゲット顧客のニーズ、そして競合他社との関係性を総合的に考慮して行います。

ポジショニングの検証を行う

ポジショニングマップを作成し、自社と競合他社のポジションを決定した後の最終ステップは「ポジショニングの検証を行う」ことです。
検証プロセスには、市場データとの比較、顧客フィードバックの収集、パフォーマンス指標の分析、そして調整と改善が含まれます。
市場の変化に対応し、顧客のニーズや期待に合わせてポジショニングを適宜更新することが重要です。

検証と改善のサイクルを繰り返すことで、ポジショニング戦略を常に最適な状態に保ち、市場での競争力を維持することができます。

ポジショニングを設定する際の注意点

ポジショニングを検討および設定する際に最も重要なのは、「顧客ニーズの把握」です。
市場と消費者の両方の視点から顧客のニーズを深く理解することが、効果的なポジショニング戦略の基盤となります。

市場調査・消費者調査による顧客ニーズの把握

顧客のニーズを正しく理解するためには、市場や消費者調査が不可欠です。
市場調査には、アンケート調査、インタビュー調査、ソーシャルメディアの分析などが含まれます。これらの方法を通じて、顧客の現在のニーズ、未充足のニーズ、および潜在的なニーズを明らかにします。

また、顧客のニーズは時間と共に変化します。市場のトレンド、技術の進化、社会的・経済的変動などは顧客の行動に影響を与えるため、定期的な市場調査とニーズの再評価が必要です。

ポジショニングのためのマーケティングリサーチをお考えの際は電通マクロミルインサイトにご相談ください

ポジショニングは単なる製品の特徴や価格設定だけではなく、顧客がどのように製品やブランドを感じたり、どのように体験するかにも大きく関わります。

市場のトレンド、消費者の行動、競合他社の動向を詳細に分析し、自社製品が市場でどのように差別化されるべきか、またどのようなポジショニング戦略が最も効果的であるかの検討に際して、マーケティングリサーチを用いてサポートいたします。

マーケティングリサーチをお考えの場合はぜひ電通マクロミルインサイトにご相談ください。

マーケティングのお悩み、リサーチのプロにご相談ください

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

CONTACT マーケティングリサーチに関する
ご相談・資料請求はこちら