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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム ブランド価値をリサーチで把握し、ブランディングに活用する方法とは?

ブランド価値をリサーチで把握し、ブランディングに活用する方法とは?

ブランドロイヤリティの向上

近年「ブランド価値」がマーケティングにおいて、非常に重要な役割を果たしています。

ブランド価値を向上させるブランディング施策は、いまや売上拡大に直結するものとして、多くの企業に認識されはじめています。

しかし、ブランディング施策は、数値に頼らない感覚的な面もあるため取り組み方が分からないという方も多いのが現状です。

ブランディングにマーケティングリサーチを活用することで、ブランドの実態把握ができ今後の目指すべき姿を捉えることができるため、効率的に取り組むことが出来ます。

ブランドに関する調査を年間多数実施するマーケティングリサーチ会社として、本記事ではブランド価値とは何か、構成要素やマーケティングリサーチによるブランド価値を把握する方法などについて解説します。

ブランド価値とは何か

ブランド価値とは言葉通り、ブランドの価値を表します。

そこで最初に「ブランド」とは何かについて説明します。

AMA(アメリカマーケティング協会)における「ブランド」の定義は以下のようになっています。

AMAにおける「ブランド」の定義
個別の売り手もしくは売り手集団の商品やサービスを識別させ、競合他社の商品やサービスから差別化するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはそれらを組み合わせたもの。

AMAの説明を簡単にまとめると「ブランドとはサービス・商品・企業に対して消費者の持つ印象そのもの」を指します。

例えば、同じ時計会社であっても、A社の時計は高級であり、B社の時計はリーズナブルであるという場合、高級やリーズナブルといったイメージそのものが企業の有するブランドであると言えます。

そして、消費者が購買決定をする際の要素として、企業の持つブランドは大きな影響を及ぼします。
このブランドの持つ影響を現状より良いものにしていこうとする取り組みが、「ブランディング」であると言えます。

ブランド価値の構成要素

ブランド価値は主に3つのベネフィットという要素から構成されています。

ベネフィットとは、商品やサービスを通じて消費者に与える効果や利益のことを指しますが、マーケティング上では次のように分類されます。

本章では、ブランド価値の構成要素として、3つのベネフィット=便益の特徴を解説します。

機能的便益

機能的便益とは商品やサービスの機能面や品質面をもって、消費者に提供できる便益のことを指しています。

機能的便益とは
商品やサービスを購入することで「○○が出来るようになる」という便益が機能的便益です。

昨今では技術革新が進み、多くの成熟市場などにおいて、今までにない革新的な製品・サービスを生み出すのは困難です。

しかし、常に新規市場は生まれ続けているため、成熟しきっていない市場などにおいては、機能的便益がブランド価値の差別化要素として非常に重要です。

情緒的便益

情緒的便益とは企業の商品やサービスを利用するなどした際に、体感できる精神的な側面での便益を指します。

情緒的便益とは
商品やサービスを購入することで「○○な気分になれる」という便益が情緒的便益です。

モノがあふれる現代においては、モノ消費からコト消費に移っていると言われますが、「何かを買うこと」ではなく、「購買後に体験する価値」により重きが置かれるようになっています。

「顧客体験」や「体験価値」という言葉が近年よく聞かれるようになったことも情緒的便益が今まで以上に重要度を増してきていることを示唆しています。

自己表現的便益

最後に自己表現的便益とはブランドを所有または利用することにより、消費者が自分自身で抱いている自己イメージを表現することができる便益を指します。

自己表現的便益とは
商品やサービスを購入することで「想像していた○○な自分になれる、近づける」という便益が自己表現的便益です。

自分のステータスとして高級品などが一部の消費者に好まれるのは、自己表現的便益の表れと言えるでしょう。自分の価値観、感性を表現するための手段としてそのブランドを選んで身に着ける、ということが自己表現的便益の一例です。

例えば企業ブランドランキングの上位常連であるApple社の場合、Apple社の新製品をいちはやく購入することで、新しい機能や体験を使いこなせる「機能的便益」「情緒的便益」を享受するだけでなく、自身が先進的で革新的であると表せる「自己表現的便益」をユーザーにもたらしているといえます。

ブランド価値を向上させるためには

ブランド価値を向上させるには、前述した3つの便益を上げることが必要です

とはいえ、すべてを同時に行う必要があるわけではなく、あくまで自社のサービス・商品にあった施策を選択・組み合わせて実行していくことが大切です。

自社に適したブランド価値向上施策を選択するためにも、ブランド価値を向上させる方法を把握しておきましょう。

ブランディングを行う

ブランディング活動は、消費者に自社のブランド価値の浸透を図るうえで非常に重要です。

競合とは異なるポジションを取り付加価値を付与し、さらにそれをターゲットの消費者に広く認識してもらう取り組みが重要になります。

自社のブランドやブランドコンセプトを認知してもらうためには、広告やメディアを活用することになります。

活用できるメディアには、オウンドメディア・アーンドメディア・ペイドメディアなどがありますが、予算とリーチ数などを鑑みながら調整をします。

ブランディングってそもそも何?意味から事例、向上のポイントまで徹底解説

ネットワーク外部性を働かせる

ネットワーク外部性とは、サービスを消費する個人の数が増えれば増えるほど、そのサービスから得られる便益が増加する現象を指します。ネットワーク外部性はSNS・ゲーム・その他アプリなど主にtoC(消費者向け)業態で機能する仕組みです。

これらはユーザーが増えることでサービス内のエコシステムが生まれ、サービスの質や利便性が上がる傾向があります。

ネットワーク外部性を利用する場合は仕組みさえ出来ていれば、費用などもそれほどかからないため、自社サービスのコンセプトに沿う際は是非取り組みたい施策です。

商品コンセプトを見直す

商品コンセプトを見直すというのも一つの重要な施策です。
商品コンセプトはブランドを立ち上げる際に決定することが一般的です。

しかし、時間がたつと、市場環境や消費者心理は顧客ニーズは時間とともに変化するため、定期的な見直しが必要です。

リサーチを通じて、顧客ニーズの変化を読み解くことが求められます。

既存のブランド価値を活用する

自社でブランド価値の高いブランドを保有している場合、新規ブランド立ち上げの際に既存の認知を利用することが可能です。

ブランド価値の高いブランドをマスターブランドとすると、そこからのブランド展開には大きく以下4つの方向性が存在します。

マルチブランド

マルチブランドはマスターブランドが飽きられた際などに、同一カテゴリーで複数のブランドを確立することです。

主には市場シェア上位の企業において、シェア衰退の防衛策・さらなる市場シェアの奪取を目論む際に用いられる手法です。

ブランドエクステンション

ブランドエクステンションはあるカテゴリーで確立されたブランド認知を他のカテゴリー進出の足掛かりにする手法です。

ファッションブランドが認知資産を利用して、コスメカテゴリーや時計カテゴリーに進出するのはブランドエクステンションに基づく戦略です。

プレミアムブランド

プレミアムブランドは既存ブランドよりも性能・品質を向上させたブランドを展開することです。

品質の向上により、高価格化、ロイヤリティ向上などの効果が見込めます。

ディフュージョンブランド

ディフュージョンブランドとはより広範な層をターゲットとして、パフォーマンスの良いブランドを投入することです。

車などでクラスが分けられているものはディフュージョンブランドに該当します。

これら4つの方向性の中で適切に認知資産の活用を行う必要があります。

現状のブランド価値をリサーチで把握するには

自社のブランド価値を把握するためにはマーケティングリサーチが必要です。
リサーチを行う際にはブランド価値を決める4つの要因に絞って調査をすることが有効です。

ブランド認知度の把握

最初に消費者がどの程度自社ブランドを認知しているかを調べます

ブランドへのイメージにはポジティブなもの、ネガティブなものどちらも存在しますが、そもそも認知をされていなければ購買決定の際の候補に挙がらないというのが現実です。

ブランドの認知は消費者が購買決定を行う際に、安心感を与えてくれるため、特に高級品などにおいては知名度が重要な役割を果たします。

認知度は、インターネット調査などで定量的に聴取することが可能です。
聴取する項目として純粋想起、助成想起、認知経路、広告経路があります。

純粋想起

ヒントなどを与えずに「●●と言えば、何を頭に思い浮かべますか?」という質問です。例えば「緑茶飲料といえば?」「食器用洗剤といえば?」 のように、特定の商品カテゴリーを提示して、回答に自社商品・ブランドの名前が挙がってくれば、認知度が高いといえます。

純粋想起の用語解説はこちら

助成想起

ヒントなしの純粋想起と異なり、例えばブランド名を複数列挙して「次の中で知っているブランドを選択してください」と質問することで、認知度を測る方法です。比較的安価で商品数が多い食品や飲料などのブランド価値を測定するときによく用いられます。

助成想起の用語解説はこちら

認知経路

商品を認知している消費者に対して、どこで商品を知ったのか、という認知経路を聞くことも重要です。店頭で見かけたのか、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・SNSなどのメディアを通して知ったのか、を確認することで、消費者とブランドとの接点を把握することができます。

広告認知

広告を出稿している場合、商品の認知のほかに、広告の認知度を確認することも重要です。メディア広告はブランドに大きく影響を与えます。その広告がどれだけ認知されているのか、顧客にしっかりメッセージが届いているのかを測る指標の1つになります。

ブランドイメージ

消費者がブランドから想像するイメージはブランドの価値に大きな影響を及ぼします

例えば、安い時計というイメージのある時計会社で高級な時計を購入するのは気が引けるでしょうし、逆もまたしかりです。

サービスイメージがブランドイメージに沿ったものであれば、消費者の購買決定にポジティブな要因となり、沿っていなければネガティブな要因となるため注意が必要です。

ブランドイメージも、インターネット調査などの手法でアンケート調査が可能です。
その際に、前述した「機能的便益」「情緒的便益」の観点から質問項目を作成するのがおすすめです。例えばレトルト食品の場合では次のようになります。

「機能的便益」

製品の機能や物理的な特徴によってもたらされる、効果や便利さ。
美味しそう、食べやすい、どこでも買える・・・

「情緒的便益」

機能的便益の結果として得られる、気持ち・心理面へのポジティブな影響。
王道、子供が喜ぶ、健康によさそう・・・

機能的、情緒的便益の観点から、自社商品に抱いてほしいイメージを洗い出し、それぞれあてはまるものを選択してもらう、という方法で、ブランドイメージを数値化して確認することが可能になります。

品質イメージ

消費者の持っているブランドの品質イメージもブランド価値の構成要素です

「品質」というと具体的な成分などを指すことが多いですが、あくまで消費者の脳内で「○○ブランドは長く使えるらしい」などと認知されているイメージを重視します。

作り手側(企業)と受け手側(消費者)の評価するポイントがずれることは大いにあるため、消費者が商品からどのような品質イメージを持つのかを把握しておくと良いでしょう。

品質イメージについても、インターネット調査などの手法によりアンケートをとることも可能ですが、より詳しく深堀したい場合には、インタビュー調査などでユーザーが抱くイメージをヒアリングすることも有効です。アンケートで用意された選択肢や、自由回答欄では書ききれないニュアンスを、引き出すことも可能になります。

ブランドロイヤリティ

最後にブランドロイヤリティはブランド価値を測るうえで重要な要素となります

ブランドロイヤリティとは特定ブランドに対する消費者の忠誠心、選好度を意味し、要は消費者にとってそのブランドへの愛着がどの程度あるかを指します。
リピート率が高い=ブランドロイヤリティが高いというわけではなく、あくまで積極的に購入をしてくれる消費者がどれだけ存在しているのかを把握することがブランド価値を測定するうえで重要です。

ブランドロイヤリティを測る指標の1つに、NPS®(ネットプロモータースコア)があります。Net Promoter Scoreの略で、そのブランドに対する顧客の推奨意向、つまり「そのブランドを他者に紹介したいか」を数値化した指標です。

ブランドロイヤリティとは?測定方法や高め方まで徹底解説

リサーチ結果をブランディングに活用するには

マーケティングリサーチを経て、自社におけるブランディングの現状が把握出来たら、いよいよブランディングに取り掛かることになります。

リサーチ結果を上手く反映してブランディングに活かすためには以下3つを意識する必要があります。

向上させたい価値を明確化する

リサーチをふまえて、自社におけるブランド認知の実態が分かったら、次はブランド価値をどのように育成・拡張していくのかを検討します。

ブランド価値を向上させると一口にいっても、

・認知率が低い実態を受けて、認知者増加を図る

・ブランドロイヤリティが低い実態を受けて、ロイヤルユーザーの増加を図る

など様々な目的が考えられます。

まずはどのような観点でブランド価値を向上させていくのかを考えましょう。

できる限り指標に置き換える

向上させたいブランド価値を明確化できたら、効果検証のためにも具体的な指標を決め、それをKPIとして定めておくことが必要です。

KPIを策定するうえでは最終的な目標(KGI)に紐づく指標であることや、モニタリングの頻度を事前に決定しておくことが重要です。

KPI策定の重要なポイントはこちらで解説していますので、参考にしてください。

指標を社内の共通言語化し、指標改善の施策を打つ

KPIという指標を設定することで、マーケティング活動が可視化される、他部署との円滑なコミュニケーションが可能になるなど複数のメリットがあります。

これにより社内で共通認識を持ったうえでブランディング施策に取り組むことが可能になり、PDCAサイクルを回すことが出来るようになります

ブランディング施策の効果は一朝一夕で見えるものではありません。

定期的な振り返りと改善を繰り返して、中長期的に自社ブランディングが消費者に対してポジティブな影響を与えているのかをモニタリングする必要があります。

マーケティングリサーチをお考えなら、電通マクロミルインサイトにご相談ください

本記事ではブランド価値の説明から、マーケティングリサーチを利用してブランディング施策に反映する具体的な方法をご説明しました。

ブランディングはすぐに効果が生まれるものでもなく、いきなり正しい施策を実行できるわけでもありません。中長期的にKPIをモニタリングしながら、改善を繰り返していくことで、より良いブランディング施策の実行に繋がります。
その効果を客観的に把握するという意味でマーケティングリサーチはブランディング施策に必要不可欠です。

電通の卓越したマーケティングコミュニケーションノウハウ

広告会社として多くのブランド戦略を立案している電通と共同でプロジェクトを実施した経験から、リサーチでのブランド価値の調査だけでなく、ブランド価値を向上するための具体的なノウハウについても豊富な事例を有しております。

徹底した生活者理解に基づく、ブランド価値の探索

私たちの強みである、お客様の課題に向き合い多面的なデータの分析によってブランドの課題を特定する、というアプローチはブランド価値向上にも活用できます。ブランドは生活者の感情を動かすものであり、そのためには生活者の理解が欠かせないからです。
顧客起点のブランド価値の導出をお手伝いいたします。

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執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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