見積依頼無料相談 資料
ダウンロード
セミナー
申込
見積依頼
無料相談
資料
ダウンロード
セミナー
申込
見積依頼・無料相談 資料ダウンロード セミナー申込

マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム UX(ユーザーエクスペリエンス)向上の5ステップやポイントを解説

UX(ユーザーエクスペリエンス)向上の5ステップやポイントを解説

2024.06.04
UI/UXリサーチ

プロダクトやWebサイト、アプリを公開したけれど「ユーザーに長く利用されない」「想定より見られてもおらず、滞在時間が短い」などの悩みを持つ方もいることでしょう。

その原因はユーザーが期待する機能や情報を提供できておらず、使いにくい仕様になっているからかもしれません。つまり、UX(ユーザーエクスペリエンス)に改善の余地がある状態です。

UXを向上させるには、ユーザー視点に立ってプロダクトやサービスの課題や本質的なニーズを発見し、新しい価値を提供することが大切です。UXが向上して使い勝手が良くなれば、ユーザーはサービスを継続的に利用し、ブランドへの愛着心が強いロイヤルカスタマーへ変化していくと期待できます。

この記事では、UXの向上に必要な手順やポイントを具体的に説明します。UX向上を目的にリサーチを実施して、ユーザーニーズを把握した事例も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

本記事のおすすめ対象者
・UX向上のプロセスやポイントを理解したいデザイナー
・ユーザーの課題やニーズを把握して、新たな価値を提供したいプロダクトマネージャー
・UXの概念を理解したうえでリサーチを実施したいマーケター

UX(ユーザーエクスペリエンス)とは 

UXは、ユーザーエクスペリエンス(User Experience)の略で、製品・サービスの利用を通して得られるユーザー体験を指します。UXでは、ユーザーが望むことをスムーズに達成でき、利用体験に満足してもらうことが重要です。UXが優れているとユーザーは利用中に楽しい気持ちになり、「もう一度使ってみたい」と感じるようになります。

例えば、買い物ができるアプリを想定してみましょう。アプリ利用を通して得られるユーザー体験として、機能だけでなく以下のようなサービスの質もUXに含まれます。

  • 商品の検索から購入までスムーズにできた
  • ポイントが貯まってお得に買い物ができるので、また次も利用しよう
  • サポートセンターの対応が丁寧だった

 

UXを適切に向上させ、快適で使い勝手が良くなると、製品・サービスを利用するユーザーの満足度も高まります。そのためには、ユーザー視点を常に重視してUXを設計することが大切です。

UI(ユーザーインターフェース)との関係

UXは、UIと密接な関係があります。

UIとはユーザーインターフェース(User Interface)のことで、ユーザーと製品・サービスのあらゆる接点を指します。見た目のデザインではなく、ユーザーが操作できるものすべてが含まれます。UIは、使い勝手が良く、ユーザーが効率的に使えるように設計することが大切です。

具体的には次のような要素が挙げられます。

UIの例
・文字のフォント
・レイアウト
・表示速度
・メニューやボタンの配置

UIは、UXの構成要素の一つです。したがってUXを向上させるには、UIも合わせて改善しなければなりません。

UXを向上させるメリット 

UXを向上させるメリットを紹介します。

顧客エンゲージメントの向上 

UXを向上させることで、顧客エンゲージメントも高まります。顧客エンゲージメントとは、企業と顧客の間に信頼を育み、長期的な関係を築くことを指します。

例えば、買い物ができるアプリを想定してみましょう。UXに以下のような課題を抱えている場合、ユーザーはストレスを感じ利用をやめてしまうでしょう。

  • 決済までスムーズに進むことができない
  • 問い合わせフォームで連絡した後、電話で担当者と話すときに一から説明しなければならない

 

一方、このようなUX上の課題を解決できていて、ストレスなく利用できる買い物アプリならば、ユーザーは繰り返しアクセスするようになり、顧客エンゲージメントの向上が期待できます。

リピーター・ロイヤルカスタマーの創出  

UX向上によってリピーター・ロイヤルカスタマーの創出につながる

UX向上によって顧客エンゲージメントが高まり、信頼関係ができると、リピーターやロイヤルカスタマーの創出につながります。

販促キャンペーンなどによる見込み客の獲得後、顧客がリピーター、ロイヤルカスタマーへと成長するには、UX、さらにはCXの向上が欠かせません。CXとは、カスタマーエクスペリエンス(Customer Experience)の略で、製品・サービスの利用前後までも含めた顧客体験を指します。

UXが優れていれば、顧客は「この製品(サービス)は快適でスムーズに使えるので、また利用しよう」とリピーターになり、さらにCXも向上させることでロイヤルカスタマーへと成長していきます。
例えば製品・サービス利用後の問い合わせや、アフターサポートが手厚く安心感を得ることができれば、企業への信頼感が高まり、継続利用の動機になるでしょう。

リピーターがロイヤルカスタマーにまで成長すると「周囲の人にこの製品(サービス)を紹介したい、推奨したい」と思うようになり、クチコミによってプロダクトや企業の評判の拡散を期待できます。

そのためUX向上は、企業にとって安定的な売上や持続的な成長のために欠かせない施策だといえます。

UX向上のためのステップ 

UXの設計時には、ユーザーに「便利だからもっと使いたい」と思ってもらえるような製品・サービスを提供することが大切です。
ここでは、UX向上のために必要なステップを5つに分けて紹介します。

1.ユーザー視点で商品やサービスの課題を探る

製品・サービス提供者側の思い込みではなく、ユーザーの立場を理解して既存製品・サービスの課題を探り出す姿勢が、何よりも重要です。

とくに「ユーザーの製品・サービス利用に関する本音」を知るための調査に取り組みましょう。
利用中に、ユーザー自身が無意識に課題を受け入れてしまい、言語化できていない課題が潜んでいるケースもあるからです。例えば、「このアプリ、なんとなく使いにくいような気がする。でも、何が問題なのか言葉で説明するのは難しい」といったポイントです。

そこでリサーチを実施して、客観的なデータやユーザーの行動パターンを収集し、ユーザーの課題や潜在的なニーズを探るプロセスが必要です。

根本的な解決策を見つけるには、例えば以下のリサーチ手法が有効です。

アンケート調査 

Web上で顧客を対象にアンケートを配信するなど、製品・サービスを顧客がどのように評価しているか、データを収集する。

ユーザーインタビュー 

ユーザーを対象にインタビューを実施し、製品・サービス利用時の課題や不便に感じる点、機能向上の希望をヒアリングする。開発側が想定していなかった使用方法や目的が明らかになる場合も。

2.ユーザーのニーズや課題を定義する

リサーチを通して収集したデータやユーザーの声をもとに、ユーザーが抱える現状の課題を定義しましょう。

「ユーザーは何を求めているか」と仮説を立てる取り組みも重要です。
「ユーザーは、この製品・サービス利用を通してどのようになりたいか」または「(開発者として)本来どうなってもらいたいか」を検討します。

このとき、カスタマージャーニーマップを作成して、プロダクトの「本来あるべき姿」を描き出すと効果的です。ユーザーの製品・サービス認知」から「購入」「継続利用」までの各プロセスにおける心理や、態度の変化を言語化・可視化してみましょう。

プロダクトの「本来あるべき姿」を俯瞰でつかむことができ、組織内で共通認識を持ちやすくなるメリットがあります。

3.様々な立場からアイデアを出し合う 

「ユーザーは何を求めているか」という仮説を立案した後は、課題解決に向けたアイデア出しを行いましょう。

このとき、様々な立場や部門の担当者(デザイナー、エンジニア、マーケターなど)を集めて、それぞれの視点から意見を出し合い、ディスカッションを進めることが大切です。

まずはアイデアの質ではなく量を重視し、次々と意見を出しながら整理していきます。

アイデア出しの場では、参加者が誰でも意見を出しやすい雰囲気づくりなど、ファシリテーターによる進行も重要です。またフレームワークを活用して、課題やアイデア整理の効率性を高める方法も有効です。

4.プロトタイプを作成する

改善に向けたアイデアを整理した後は、実現に向けて製品・サービスのプロトタイプを作成しましょう。
ユーザーの課題解決につながるプロトタイプを作成し、次のステップに進みます。

5.ユーザーテストを行う

プロトタイプ完成後は、ユーザーテストを実施しましょう。開発側が意図したとおりにユーザーは利用しているか、期待どおりの体験を得られるかをチェックします。

ここで、ユーザビリティテストやエキスパートレビューを実施すると、機能や動線の課題を広範囲に評価することが可能です。

ユーザビリティテスト

プロトタイプを実際にユーザーに利用してもらう調査方法。

その様子を目の前で見て行動観察をしたり、感想・意見をヒアリングしたりして、課題を特定する。

エキスパートレビュー

ユーザビリティの専門家が想定ユーザーに成り代わってプロトタイプを利用し、使いやすさを検証する。

ユーザーが必要な情報にスムーズにたどり着けて、利用体験に満足できるか、といった観点でプロダクトを評価し、課題点を洗い出す。

ユーザーテストを行った後は、抽出された課題を踏まえてさらに製品・サービスの改善を進めます。

なお、テストや検証には労力がかかるものですが、検証を実施したことに満足するのではなく、製品・サービスを成長させるために改善プロセスを続けることが大切です。

電通マクロミルインサイトのUXリサーチのサービス資料は、こちらからご覧ください。

UXを向上させるポイント

UXを向上させるために必要なポイントを見てみましょう。

人間中心のデザインを重視する 

UXの核となる考えは、「人間中心のデザイン」です。

提供者側の「これを紹介したい」というコンテンツを詰め込んだり、「ユーザーはこういう動きを取るだろう」と一方的な思い込みで設計に取り組んだりするのではなく、ユーザー視点を理解することが非常に重要です。

しかし以下のように開発者本位な発想に偏っていると、ユーザーが実際に抱えているストレスが見過ごされてしまいます。

  • 各部門からの要望をWebサイトに反映させる必要があるので、情報が雑多になっても仕方がない
  • ユーザーが特定の情報を見つけたければ、検索するだろう

 

ユーザーが期待する体験を得られないと、やがて利用をやめてしまうので注意が必要です。

ユーザー視点を優先するために、UXリサーチを実施してユーザーの行動、感情、課題を発見し、製品・サービスに反映させる「人間中心のデザイン」に取り組むことが大切です。

一貫性のある体験を実現する 

UXを向上させるために、一貫性のある体験をユーザーに提供しましょう。

ここでいう「一貫性」の例は、次のとおりです。

  • サイトやアプリ内で一度ボタン操作を覚えれば、あとはどこのページに行ってもスムーズに使える
  • 深く考えなくても、直感的に操作できてストレスを感じない

 

UXの改善時には、機能変更などによって一貫性が失われやすい点が懸念されます。一貫性を保つには労力がかかり改善スピードが遅くなってしまうため、後回しにされやすいためです。

一貫性を保ちながら効率的にプロダクトへ実装するには、デザインに関する原則やルールなどの情報をすべてまとめた「デザインシステム」を作成しておくと良いでしょう。

パーソナライズしたコンテンツを提供する 

ユーザーの行動パターンや興味関心に基づき、パーソナライズしたコンテンツを提供すると顧客エンゲージメントが向上します。

提供者側が伝えたい情報のみを詰め込むと、ユーザーは「何を見ればいいかわからない」「欲しい情報がすぐ見つからない」とストレスを感じ、離脱する可能性が高まってしまうからです。

一方、コンテンツのパーソナライズが適切にできていると、ユーザーの利用背景に合わせて最適なコンテンツが表示されるので、「自分の求める情報にすぐにアクセスできて便利なので、もっと使いたい」と思ってもらいやすくなるでしょう。

ナビゲーションを改善する 

UXの重要な要素であるナビゲーションを改善することで、UX向上につながります。

ナビゲーションとは、Webサイト上でユーザーが目的のコンテンツにたどり着くための案内のことです。案内が適切であれば、ユーザーは「快適に使えて便利、使い勝手が良い」といった印象を持ちやすくなり、製品・サービスへの信頼感も高まるでしょう。

一方、ナビゲーションに課題がある場合、ユーザーは欲しい情報が手に入らず、離脱してしまいます。

具体的には以下のポイントを整備し、ユーザーにとってわかりやすいインターフェースを作成しましょう。

Webサイトの共通ページリンクであるグローバルナビゲーション
ページ内のローカルナビゲーション
階層を表すパンくずリスト

表示速度を改善する 

Webサイトの表示速度を改善することも、UX向上において重要なポイントの一つです。

表示される速度が遅いとユーザーはストレスを感じ、離脱してしまいます。例えばECサイトで目的の商品検索に時間がかかれば、途中であきらめてサイトを離脱するユーザーが増え、コンバージョン率は低下してしまいます。

そこで画像や動画ファイルの軽量化、テキストファイル(Webサイトに用いるCSSJavaScriptHTMLファイル)の圧縮、キャッシュの利用で無駄な再読み込みを省くなど、表示速度を改善する工夫に取り組みましょう。

UX向上の事例

電通マクロミルインサイトが、UX向上を目的に取り組んだ事例を2つ紹介します。

子供の習慣化アプリ 

子供の習慣化アプリ(生活・学習習慣の定着支援)のインストール後、継続して利用されない理由を把握するために、エキスパートレビューを実施してプロトタイプを作成し、ユーザー調査を行った事例です。

調査の結果、インストール後の利用を促進するには、以下のようにインストール直後のストレスをなくすよう改善するべきだとわかりました。

  • チュートリアルでストレスを感じる箇所を改修する
  • 無料版アプリでは、メールアドレスを登録せずとも利用できるようにする

 

ほかにも早い段階で成功体験を親子でつかめる工夫に取り組むなど、アプリの利用率向上のための方向性を明らかにできました。

妊婦さん向け情報提供アプリ 

妊婦さん向け情報提供アプリにおいて、アプリからの離脱を防止し、アクティブ化を促進するために調査を実施した事例です。アプリの利用ログを解析して仮説立案に取り組み、改善のプロトタイプを作成し、ユーザー調査を行いました。

ログ解析後の仮説立案において、理想的なUXは「お医者様のすすめで利用が開始され、赤ちゃんの様子や、妊娠の週数ごとのメッセージを基点にした頼れる情報媒体となり、常習的にアクセスされる」と導き出されました。

ところが実際には「有益なコンテンツにたどり着けず、管理ツールやキャンペーンツールとしてしか用いられていない」という実態が浮き彫りに。

そこでアプリトップ画面に引きの強いコンテンツ(今日摂るべき栄養素など)への動線を新設。毎日アプリにアクセスしてもらい、コンテンツを見るモチベーションを高めるための工夫を具体的に講じることができました。

UX向上なら電通マクロミルインサイトへお任せください

本記事では、UX向上を図るうえでのポイントを解説しました。

重要な点は、ユーザーの製品・サービス利用に関する本音を追求し、ユーザーが期待する体験を正しく理解することです。この理解のプロセスで、リサーチの実施が欠かせません。

UX向上に向けたリサーチ実施でお困りの企業様は、ぜひ電通マクロミルインサイトにお任せください。調査、分析、設計、試作、検証、実装、リリース後の継続的な改善に至るすべてのプロセスを伴走するサービスを提供しています。

電通マクロミルインサイトのサービスの特徴は、次のとおりです。

● CX向上を実現するために、UI/UXの実装だけでなく、顧客・マーケットの理解からリリース後の改善まで、一気通貫でリサーチが可能
● デザインリサーチ、定量/定性調査、グローバルリサーチなど幅広い調査手法から最適なリサーチソリューションを提案
● 広告代理店「電通」とリサーチ企業「マクロミル」の強み・ノウハウを掛け合わせてサービスを提供
● 電通による数多くのマーケティングプロジェクトに参画した経験と、マクロミルが保有する豊富なデータとテクノロジーを活用できる

電通マクロミルインサイトのUXリサーチのサービス資料は、こちらからご覧ください。

マーケティングのお悩み、リサーチのプロにご相談ください

執筆者|伊賀正志 株式会社電通マクロミルインサイト スペシャリスト
外資系コンサルティング会社から株式会社マクロミルを経て現職。
数々の部門横断型プロジェクトを経験したのち、電通マクロミルインサイトにおいてUI/UXリサーチの新サービスを立ち上げ。
責任者として、様々な企業のUI/UX改善プロジェクトに参画。
監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

CONTACT マーケティングリサーチに関する
ご相談・資料請求はこちら