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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム インドOTT市場入門(2)利用実態と主要プラットフォーム~グローバルリサーチャーが見た変化 Vol.15~

インドOTT市場入門(2)利用実態と主要プラットフォーム~グローバルリサーチャーが見た変化 Vol.15~

現地でのトレンドや消費者のリアルについて、グローバルリサーチ(海外調査)を担当するグローバルリサーチャーによるトレンドレポート第15弾は、前編に引き続きインドのOTT市場がテーマです。

過去のグローバルリサーチャーコラム記事はこちらからご覧いただけます。

インドにおけるOTTサービス利用実態

前編では、インドの超多言語国家としての実態をお伝えした。

後編では、インドOTT(Over The Top)サービス利用の実態と、主要プラットフォームの特徴をみていこうと思う。

自主調査の結果からインドにおける「よく利用するOTTサービス」のランキングは、以下の結果となった。Netflixのような日本でも馴染みのあるグローバルOTTサービスも、スマホの普及などもありインドでも浸透している。

調査実施:2025年9月
調査対象者:インド在住20歳以上男女
N=281
調査協力:Dynata

2024年のOTTサービスのマーケットシェア別TOP3は、Disney+hotstar26%、Amazon Prime Video23%、Netflix13%となっている。自主調査結果と大きな相違はない。

出典: https://visual-nerd.com/2025/02/10/ott-market-share-in-india-2024/?utm_source=chatgpt.com

主要OTTサービス比較から見える市場特性

人気上位3プラットフォームを比較してみると、Amazon Prime Videoの対応言語数が突出している。
現地ではこの対応言語数が契約者を押し上げる要因の一つと考えられている。世界中で爆発的な伸張をみせるNetflixだがインドでは苦戦が続いている。
現地報道によるとその理由として下記4点が挙げられている。

(1)会費がAmazon Prime Videoに比べ高い
(2)ローカル・コンテンツ(ドラマ、クリケット試合など)が少ない。外国色が強すぎる=カッコつけている印象がある
(3)ローカル対応言語数が限定的
(4)ファミリー向けコンテンツが少ない

出典: https://rahulmalodia.com/blog/netflix-india-case-study-business-model-innovation

インドOTT市場で成功するための3つの条件

Amazon vs Netflixの角逐からも分かるように、インドマーケットにおいて重要視される点は、次の3点だ。※1

(1)Affordability:
手に取りやすい価格。安価な定額料金の提供のみだけではなく、週/日単位のプランも設定することで手に取りやすいサービスの提供

(2)Localized content:
ローカライズ・コンテンツ。多言語での字幕/吹替の提供もの一つ。言語だけではなく地場に根差したコンテンツ(クリケットなど)も重要

(3)Ecosystem benefit:
Amazonに代表されるECサービスや通信会社とのサービス(お得な通信料。インドではパケット通信利用が主になるため)セット

▼主要3サービスの比較 ※2

Netflix

Disney + Hotstar

Amazon prime video

コンテンツ

豊富なオリジナルTV番組、映画を提供

オリジナル作品は少なく、スター、ディズニー、HBOのコンテンツのみ

独占映画配信、スポーツ生中継

オリジナルTV番組や映画を提供

独占映画配信

8言語以上でコンテンツを視聴可能

価格(最低額パック)

モバイルまたはタブレットで月額149ルピーシングルスクリーン;最大解像度480p

月額299ルピー(4台まで)

最大解像度4K

月額179ルピー(複数デバイス対応)

最大解像度480p

価格(最高額パック)

月額649ルピー

年額1499ルピー(最大4台まで)

最大解像度4K

月額1499ルピー(複数デバイス対応)最大解像度480p

通信(キャリア)パートナー

Vi

Jio

airtel

Vi

airtel

Vi

無料サービス

なし

特定のコンテンツについて、広告ベースの無料ストリーミング

Amazon Prime配送、音楽ストリーミング、ゲームプレイ、Kindle読書

主要提供言語

(メインコンテンツ用)

ヒンディー語、英語、タミル語、テルグ語、マラヤーラム語

ヒンディー語、英語、タミル語、テルグ語、マラヤーラム語、ベンガル語、マラーティー語、カンナダ語

ヒンディー語、英語、タミル語、テルグ語、マラヤーラム語、カンナダ語

提供ローカル言語数

8

13

41

代表的なリージョナル・コンテンツ

Kota Factory, Thimmarusu, Kurup, Jamtara, Thalaivi, etc

Anbarivu, Seetimaar, Netrikann, MGR Magan, Lift

Pushpa, The Great Indian Kitchen, Drishyam 2,  Chaar, Bhaagamathie, Aamhi Doghi, Har Har Byomkesh

インドの総加入者数

202111月時点)

610万人

5,100万人

2,230万人

Ecosystem benefitの一例として、全世界に1,700万人の有料会員をもつ世界最大規模の米発祥アニメ配信サービス「Crunchyroll」は、Amazon Prime Video India に “Prime Video Channels”(アドオン・チャンネル)として提供を2023年から開始している。月額79インドルピー(約140円)を払えば、 Crunchyrollが提供する800以上のアニメや映画などが視聴可能となる。※3

安価で既存サービスに追加するだけという手軽さから会員数も伸びているようだ。2025年12月には新海誠監督の8作品が視聴可能となっている。

8作品のうち、Suzume(すずめの戸締り、2022)、Weathering With You(天気の子、2019)、Your Name.(君の名は。、2016)はヒンディ語吹き替え対応がある。※4

スマホの普及、安定的な通信インフラにより多くの人が手軽にOTTサービスを利用することができるようになったインド。

今後インドにおける日本製アニメや映画ファン、関連グッズ人気が増えるポテンシャルは十分。

素敵な日本作品が少しでも多くのインド人の目に留まる機会が増えればと望むばかりだ。

※1 出典: https://inc42.com/features/why-netflix-is-failing-in-india-much-more-than-just-a-pricing-strategy/?utm_source=chatgpt.com 

※2 出典 (情報は2022年時点): Media Partners Asia, App Tweaks, Company websites, Secondary Sourcesの情報をもとにDMIで翻訳の上作成

※3 出典: https://www.aboutamazon.in/news/entertainment/crunchyroll-anime-prime-video-channels?utm_source=chatgpt.com

※4出典: https://animenewsindia.com/2025/11/18/crunchyroll-brings-all-eight-makoto-shinkai-films-exclusively-to-india-for-the-very-first-time-in-december-2025/?utm_source=chatgpt.com

 

電通マクロミルインサイトでは、インドでの調査実績も多数あり、調査対象品、調査ターゲット層に応じて適切な実施言語や手法を提案し調査いたします。

海外での調査をお考えなら、電通マクロミルインサイトにご相談ください。

 

執筆者|永田及子
2014年電通マクロミルインサイト入社。入社以来、国際調査一筋。多数のオフライン調査に従事し、特に中東地域の案件を多く担当。サウジアラビア、オマーン、バングラデシュなど新興国出張経験も豊富。

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