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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム ブランディングとは?意味・目的から、手法や向上のポイントまで徹底解説

ブランディングとは?意味・目的から、手法や向上のポイントまで徹底解説

2022.11.28
商品開発・ブランディング
ブランディングってそもそも何?意味から事例まで徹底解説

「ブランディング」という言葉をビジネスシーンでよく耳にするようになりました。  
ブランディングと聞くと、資金が潤沢な大企業だけの施策だと思われがちですが、今の時代すべての企業にブランディングが必要です。ブランディング施策の実施によるブランドイメージの確立は企業にとって多くのメリットを生み出します。 

しかし、「自社商品のブランディングを向上させたい」と考えつつも、何から手を付けてよいか分からないという方も多いのではないでしょうか? 

本記事ではブランド調査を含む数々の調査を実施してきたマーケティングリサーチ会社として、ブランディングの基礎的用語解説から、具体的な実施ステップをご紹介します。

目次

ブランディングとは、ブランドの価値を高める活動

ブランディングとはブランドの価値を高める一連の施策を意味します。

ブランドは商品だけで形作られるものではなく、企業理念・商標・会社の口コミ・CM・キャッチフレーズなど様々な要素によって形成されます。

これらの要素を組み合わせることでブランドを消費者に認知させ、共感と信頼を通じて、サービスの独自の価値やイメージを構築し、市場における自社のポジショニングを明確化させることがブランディングという活動です。

ブランディングの目的

ブランディングの目的は、特定のブランドを他と差別化し、消費者がそのブランドを選ぶ理由を明確にすることにあります。

ブランディングの最終的なゴールとしては「○○と言えば、あの企業」「この商品の特徴と言えばXXX」というイメージを消費者の頭の中に作ることにあります。

効果的なブランディングは、顧客からのブランドロイヤルティと信頼を獲得し、長期的なビジネスの成功につながります。

ブランドとはなにか

ブランドというとイメージされるのは高級品を扱う企業などが多いですが、一般の企業であっても、もちろん自社もしくは自社商品のブランドを確立することは可能です。 

本章ではブランドの意味からブランドを確立するブランディングについても説明します。。 

ブランドとは企業や商品とセットで想起されるイメージのこと

ブランドとは企業や商品とセットで想起されるイメージのことを示します。 

ブランドは生活者の頭の中にある点が重要です。

ブランドイメージが、商品特長や機能といった客観的な事実に基づくとは限らず、また企業が完全にコントロールできるものではありません。偏見や誤解も含めて、生活者が自由に頭の中に思い描くものを指します。

例えば時計などをもとにブランドを考えてみると分かりやすいのですが、時計は各社ブランドを持っています。 高級で品位の高いイメージのある時計ブランドもあれば、安価でも壊れにくくしっかり使えるというイメージのある時計ブランドもあります。 

これはそれぞれの会社が人々の頭の中でブランドを確立している証拠です。 

ブランドの構成要素

ブランドを構成する要素は非常に多岐にわたり、一般的には視覚的な要素とユーザー体験的な要素の二つの軸に大別できます。 

視覚的な要素

目に見えるロゴなどはブランドの「顔」とも言える要素で、消費者がブランドを直接認識するためのもので、以下のような要素があります。

ロゴ

これはブランドを象徴する最も重要な視覚的要素です。ロゴは独自性を表現し、その形状、色、フォントがブランドのパーソナリティを体現します。

ブランドカラー

特定の色や色の組み合わせは、ブランドの認知度を高めます。ブランドカラーは一貫性と認識性を強化するために、すべてのマーケティングとブランディングの資料で一貫して使用されます。

フォントとタイポグラフィ

ブランドが選択するフォントと文字スタイルは、ブランドの個性とトーンを表現します。エレガントな書体は高級感を、カジュアルな書体は親しみやすさを表現し、ブランドの印象を形成します。 

ユーザー体験の要素

ロゴのように目に見えなくとも、ユーザー体験といった要素も、顧客がブランドとの相互作用を通じて経験する感情や印象を形成します。

商品/サービスの品質

これは消費者が最初に経験するブランドの要素であり、そのブランドに対する全体的な印象を形成します。

顧客サービス

優れた顧客サービスは、顧客の信頼と忠誠を確立し、ブランド体験を強化します。

ブランドとのエンゲージメント

店舗でのサービスや接客の印象、カスタマーサポートの対応といったリアルでの接点だけでなく、ソーシャルメディア、コンテンツマーケティングなどを通じたブランドとのエンゲージメントは、ブランド体験を強化し、ブランドロイヤリティを深めるのに役立ちます。

これらの視覚的要素とユーザー体験的の要素が複合的に、ブランド全体のイメージと感情を形成し、消費者がブランドをどのように認識するかを決定します。それぞれの要素が一貫性と一体性を持つことで、強力なブランドが構築されます。

ブランディングの種類

ブランディングには、アウターブランディングとインナーブランディングの2種類が存在します。

アウターブランディング

アウターブランディングとは、企業・商品のブランディングを指し、企業ブランディングやコーポレートブランディングなどとも呼ばれます。

企業が外部(アウター)の顧客やステークホルダーに向けてブランドを構築し、伝えるための戦略です。主な目標は、ブランド認知度を高め、製品やサービスに対する需要を生成し、顧客の信頼と忠誠を獲得することです。アウターブランディングは、広告、マーケティングキャンペーン、パブリックリレーションズ、ソーシャルメディア戦略など、多くの異なるチャネルを通じて行われます。

インナーブランディング

一方、インナーブランディングは、企業が内部(インナー)の従業員に対してブランドの価値、ミッション、ビジョンを伝えるための戦略です。

これは企業文化の一部となり、従業員が自身の仕事においてブランドの価値を理解し、それを体現するように促します。

インナーブランディングは、従業員のエンゲージメントを高め、ブランドに対する理解と一体感を深め、従業員が外部へのブランディングに寄与すること目的としています。

インナー向けに、従業員満足度調査(ES調査)の実施のポイントについてはこちらで解説しています

アウターブランディングとインナーブランディングの違いと共通点

 両者の主な違いは、対象とするオーディエンスが外部の顧客(アウターブランディング)か、内部の従業員(インナーブランディング)かという点にあります。

しかし、これら二つのブランディング戦略は両輪で働き、お互いを補完する役割を果たします。
強力なアウターブランディング戦略は、顧客に対するブランドの魅力を高めます。また、効果的なインナーブランディング戦略は、従業員がブランドの価値とミッションを理解し、それを実行に移すことで、外部の顧客に対するブランドの一貫性と信頼性を高めます。

つまり、アウターブランディングとインナーブランディングは、相互に強力なブランドを構築し、管理し、維持するために重要な役割を果たします。

ブランディングの関連ワード

ブランドやブランディングをより深く理解するために、「ブランドロイヤリティ」と「ブランドエクイティ」という関連語についても解説します。

ブランドロイヤリティとは

ブランドロイヤリティとはある特定ブランドに対する消費者の忠誠心、選好度のことを指します。
どれだけそのブランドに愛着を感じているのか、という指標ともいえます。

同じ内容の商品であっても、消費者はそれぞれ自分のブランドに対する選好度を有しています。 

例えば同じようなデザインの服を購入する場合でも、
 「このブランドのデザイナーが好きだから」
 「素敵な取り組みをしているブランドだから」
 「品質に安心感がある」
という理由で特定ブランドの服を購入する消費者は一定数います。 

このように類似品や類似サービスがある中で、特定ブランドの購入を選択する人が多いブランドはブランドロイヤリティの高いブランドと言えるでしょう。 

よく混同される言葉に顧客満足度がありますが、両者は似て非なるものです。 

顧客満足度はその名の通り、消費者・顧客がそのブランドのサービスに満足しているかどうかを測る指標です。
顧客満足度はブランドロイヤリティの基礎の部分で、ブランドロイヤリティが高いブランドは顧客満足度が高いと言えます。 

一方、顧客満足度が高いからといって、必ずしもブランドロイヤリティが高いとは言えない点に注意が必要です。

顧客満足度調査について詳しくはこちらで解説しています。 

ブランドロイヤリティについて詳しくはこちらで解説しています。

ブランドエクイティとは

ブランドエクイティとはある特定のブランドが持つ資産価値のことを指しており、ブランドという形ないものを資産として評価し、育成や投資の対象としようとする考え方です。  

エクイティとは英語で「株式」や「資産」を意味する単語です。 

ブランドも資産のように、多くのファンがつくことで口コミやリピート購入などに繋がり、結果的に収益向上に繋がります。 

ブランドエクイティは目に見えないものではありますが、企業の収益に大きな影響を及ぼすため積極的に育成や投資を進めていく必要があります。 

ブランドコンセプトとは

ブランドコンセプトとは「顧客に届ける価値を言語化したもの」を意味します。
ブランドの核となるブランドコンセプトは他社との違いを示す、差別化の柱となるものです。

ブランディングとマーケティングの違い

ブランディングと似た言葉に、「マーケティング」があります。両者は共通して、「消費者に価値を届ける」活動であるものの、目標とするところが異なっています。

端的には、ブランディングは消費者との「関係」に焦点をあて、マーケティングは消費者への「販売」に焦点を当てている点です。

ブランディングの目標

ブランディングの目標は、消費者と良好な関係をつくることであり、企業や商品に対して好意的な印象を持つファンを増やすための活動です。

ブランディング施策を考える際は「どうすれば、消費者にとって選ばれ愛されるブランドになれるだろうか?」という思考で施策を立案します。

マーケティングの目標

一方、マーケティングの目標は消費者の購買行動を喚起することであり、商品・サービスを買ってくれる人を増やす、直接的な活動です。

マーケティング施策を立案する際は「どのようにすれば、消費者は買ってくれるだろうか?」という思考のもと意思決定を行います。

それぞれ目標に差異があり、施策の立案段階から思考方法に違いがあることが分かります。

ブランディングとマーケティングの違いについては、こちらでより詳しく解説しています。

ブランディングとプロモーションの違い

ブランディングの目標

ブランディングは、企業や商品のコンセプトやストーリーを構築し、顧客の心に長期的なイメージを残すことに焦点を当てています。
これは、ブランドの価値、使命、ビジョンを通じて、顧客との感情的な繋がりを築くことを目指します。

プロモーションの目標

一方で、プロモーションは短期的な目標に焦点を当て、製品やサービスを市場に紹介し、販売を促進するための活動です。
プロモーションは割引や広告キャンペーンを通じて消費者の注意を引き、即時の行動を促すことが目的です。

ブランディングもプロモーションも、最終的な販売につなげるという目的は共通していますが、ブランディングはブランドの核となる価値を確立し、プロモーションはその価値を具体的な売り上げに変える手段という点が異なります。

ブランディングを行うメリット

ブランディングを通してブランドを消費者の頭の中に生み出すことによるメリットは多くあります。 
本章ではブランディングを行う代表的なメリットを3つご紹介します。 

価格競争に陥らない

価格競争からの脱却はブランディングを行う大きなメリットです。  
消費者にとって購入の際に価格は購買意思に大きな影響を及ぼします。 
消費者が安価なものに常に流れてしまうようでは、競合他社同士で熾烈な値下げ競争が起こり、各社疲弊するのが目に見えています。 

そんな中、企業がブランディングをしっかり行えていれば「〇〇のブランド/商品だから買う」という購買心理の変化が生じ、価格以外の購買要因が生まれます。 

価格面以外で購買に影響を与える付加価値を生み出すことが出来るのはブランディングの大きなメリットと言えるでしょう。 

ロイヤルユーザーを獲得できる

ブランドを確立しロイヤルユーザーを獲得できることにより、売上の面で企業にメリットがあります。 
ロイヤルユーザーのリピート率の高さは購買回数としてもちろん売上に寄与しますが、売上の安定性という意味でも企業に寄与します。 
また企業によってはロイヤルユーザーの購買単価は新規顧客と比較して高いことも多く、平均購買単価の引き上げに繋がります。 

さらにロイヤルユーザーはサービスへのフィードバックを行ってくれる層が一定数存在するため、サービスの改善という意味でも大きな価値を発揮します。 

広告宣伝費が最小限に抑えられる

費用面でもブランディングは企業にとって欠かせない存在です。 

マーケティングの世界では1:5の法則という考えがあり、簡単に言うと「新規顧客の獲得にかかる費用は、既存の顧客に対して販売するためにかけなければならない費用の5倍である」ということを意味します。 

この法則を考慮すると、ブランドを確立し既存顧客を囲い混むことで広告宣伝費を大幅に削減できることになります。 

またロイヤルユーザーは自らアンバサダー的な立ち位置で口コミを広げてくれることも多くあり、新規顧客の獲得につながることも考えられます。  

最近では各世代のカリスマとなるインフルエンサーと呼ばれる人物が特定ブランドのユーザーとなることで、そのブランドに憧れを抱く人が一定数現れ、既存の広告手法以上の効果を発揮することもあります。 

ブランディングのために必要なステップ

ブランディングを行うためには必要な4つのステップがあります。 
本章ではブランディングを行うために必要なステップを出来るだけ具体的にご紹介します。 

自社のポジショニングを把握

まずは自社のポジショニングを把握する必要があります。 
競合他社に対してどのような層に好まれているのか、どういった機能が評価されているのかなどを把握していきます。闇雲に競合他社と自社を比較してもあまり意味はなく、あくまで有効な2軸で自社と他社を区別することが有効です。

例えば価格(安価/高価)、商品の特徴(親しみやすい/高級感のある)といった、反対の意味を持つ2軸のマトリクス上に、自社と競合他社のブランド・商品を配置させた、ポジショニング・マップを用いて自社の立ち位置を視覚化するのも有効です。

ポジショニングマップ

自社の目線では気づけない消費者の評価なども意外と見落としがちなので、ポジショニングを把握する際は市場調査を利用すると良いでしょう。  

ポジショニングを把握し他社との差別化を明確にするSTP分析について詳しくはこちらで解説しています。

ブランドの方向性を決定する

自社のポジショニングを把握したら、次はブランドの方向性を決定する必要があります。 

方向性の決定では「ターゲット」と「コンセプト」を絞っていきます。 

まずは誰に訴求するのかというターゲットを選定していきます。 
市場調査の結果などをもとにして、自社の顧客層の中心にいるターゲットを絞りこみます。 
現在中心にいる層のみにターゲットを絞るのか、さらに広いターゲットを獲得するのかなどはマーケットサイズや顧客層別のデータなど複合的な判断が必要になります。 

ターゲットが決まれば、ターゲットに訴求するコンセプトを決定します。 
例えば主婦であれば、子どもに配慮したコンセプトが良い場合もありますし、手間のかからなさを訴求するコンセプトなども考えられます。この場合のコンセプトはターゲット層に対して自社の強みが活きる形で選定するのが理想的です。 

自社商品やサービスを販売するターゲット(顧客層)を選定し、競合との差別化を図るためのコンセプト立案にはSTP分析というフレームワークを使用します。

ブランディング施策の実行

コンセプトが決定したら、いよいよブランディング施策の計画に入ります。 

ブランディング施策の計画においては消費者が視覚で認識できる要素の選定がメインになります。 
具体的にはロゴ、画像、キャッチコピー、文言などの要素です。 

要素の選定後はこれらの要素をどのチャネルで発信していくかを決定する必要があり、オウンドメディア、ペイドメディア、アーンドメディア、マスメディアなど様々な伝達チャネルが考えられます。
要素とチャネルを選定して初めて、アウターブランディング施策の実行に移ることが出来ます。 

ブランディングの効果測定

一部ブランディングは数値に表れないという主張もありますが、ブランディング施策を実施した後は通常のマーケティング施策同様、効果測定を行うことがおすすめです。 

事前にどういった指標でブランディング施策の効果測定を行うのかを決めておく必要があります。 

ファネル分析

ファネルとは、漏斗(ろうと)のことで、商品の認知から購買にいたるまでのプロセスでどこで消費者が離脱してしまっているのかを分析し、逆三角形の図形で表したものです。
ブランドに関する調査のうち、アンケート等の定量調査では、消費者がブランドを知ってから購入に至るまでの「認知→興味/関心→購入意向→購入」を調査することが多いです。認知については、「純粋想起」「助成想起」の2つで質問する場合が多いです。

純粋想起

『「緑茶」と聞いて思い浮かぶ商品を、最大3つまでお答えください。』
と、パッケージやブランドロゴなどなにも提示せずに、自由にブランド名を挙げさせる質問方法です。
ブランド再生と呼ぶこともあります。

例えば「高級な時計といえば」「高品質な家電といえば」という場合に思い浮かぶことの多いブランド、つまり純粋想起されやすいブランドということで、購買行動につながりやすくなります。

助成想起

助成想起とは、商品パッケージやなどを提示したあとで
「次の中で、知っている商品を全てお選びください。」
というふうに質問する方法です。

ブランド再認とよぶこともあります。

NPS®

その他にも、『ブランドや製品、サービスを他の人にお勧めしたいかどうか』を数値化した、NPS®(ネットプロモータースコア)という指標も、顧客推奨度(顧客ロイヤルティ)を測る指標の一つに使用されることもあります。 

当社がご提供するKPIの策定については、こちらでさらに詳しく解説しています。 

KPIモニタリングとアクションについては、こちらでさらに詳しく解説しています。 

ブランディング向上のポイント

ブランディングに必要な一連の施策を実行する中で気を付ける必要のあるポイントが3つあります。 
このポイントを意識せずにブランディングを進めてしまうと、意図せぬ結果に終わってしまう可能性もあるので事前に確認をしておく必要があります。

消費者目線に立った自社の強みを活かす

ブランディングは消費者の目線に立って自社の強みを印象付けることが必要です。 
自社の製品にこだわりがあると、どうしても難しい成分の説明や特殊な構造などをブランドの強みとして発信しがちです。 
しかしあくまでブランディングの目的は消費者にどう認知してもらい、購買に繋げるかにあります。 

消費者が自社製品に対してどんな価値を求めているのかを考え、自社だけが持つ強みを客観的に分析し、ブランディングに活かすようにしましょう。 

ブランドコンセプトを明確にする

ブランドコンセプト他社との違いを示す、差別化の柱となるものです。 
ブランドコンセプトは消費者の目に見える、ロゴ・キャッチコピー・CM・自社サイトなどすべてに浸透している必要があります。 

独自性があり、ブランドコンセプトが会社の随所に浸透していることが分かれば消費者が自ずと「○○の会社」として認知することに繋がります。 

企業規模にあったブランディング手法を選択する

最後はブランディング手法に関して、企業規模を考慮する必要があります。 

アウターブランディング施策において、多くの人にメッセージを届けられるマス広告は非常に効果的ですが、予算の少ない企業ではなかなか実行するのは難しいでしょう。 
一方、社内にコンセプトを浸透させる際は、大企業であればあるほど関係者の数も多くなり実行が難しくなります。 

それぞれの企業規模に合ったブランディング手法を選択することで、社員及び消費者に適切な情報伝達が可能となります。 

ブランディング向上のためにマーケティングリサーチでできること

ブランディング施策を実施するにあたり、マーケティングリサーチは有効な手段となります。 
本章ではブランディング施策におけるマーケティングリサーチの効果的な活用方法をご説明します。 

現状の貴社のポジショニングを整理

ブランディング施策では、先述の通り、ポジショニングの整理からはじめます。そのためには市場調査を行い、自社の購買データなどからユーザー層をしっかり洗い出して現状把握することが重要です。  
しかしポジショニングは、市場を俯瞰し、消費者を分析する必要があるため、自社の主観だけでは効果的な整理が難しい場合があります。 

そこでインターネット調査などで、消費者にブランド認知率や商品使用などのアンケート調査が有効になります。 消費者からさらに詳細な情報を得たい場合は、グループインタビュー調査などを行うと、現状把握にさらに役立ちます。 

定量的、定性的なデータ双方を集めることが自社のポジショニングを正確に把握することに繋がります。  
ブランディングの最終目的は消費者に認知してもらい購買に繋げることであり、消費者の生の声を入手できるマーケティングリサーチが欠かせません。 

消費者がブランドに対して重視していることを整理

次に、消費者がブランドに対して何を重要視しているかを把握することが必要です。 

この段階でも同じく、インターネット調査で自社の商品への満足度を尋ねることや、グループインタビューなどの定性調査でロイヤルユーザーを集めて意見を聞くと、新たな問題点の発見やブランドの課題整理につながります。 

ユーザーが重要視していることを自社で認識出来ていない場合、マーケティングリサーチを行うことで消費者が何を求めて自社の顧客となっているかを把握できます。 

ブランド戦略・ブランドデザイン構築後の効果検証 

消費者が求めていることが明確になったら、そのポイントを強みとしてブランド戦略構築・ブランディングコンセプトを形成し、顧客層の拡大などを図るための方策を具体的に考えていきます。 

そしてその企業・商品ブランドの発信やマス・SNS施策を行ったあと、その施策がどれだけの認知をされたのか、その施策によりブランドイメージ等に変化があったのか、を継続的に効果検証していく必要があります。その時にも、インターネットなどを用いたマーケティングリサーチは有効です。 

まとめ:電通マクロミルインサイトでお手伝いできること

本記事ではブランディングに関する基礎知識からブランディングを行うステップなどを解説しました。弊社では、ブランディング、ブランド価値向上などをお考えの企業様に対して、マーケティングリサーチを通じて下記の点からお手伝いが可能です。 

電通との共同プロジェクトによる、マーケティングコミュニケーションノウハウ

電通マクロミルインサイトでは、電通のリサーチエージェンシーとして年間3,000件以上のプロジェクト実績があります。マーケティングリサーチを通じて、ブランド価値を向上するための施策や効果検証などをサポートいたします。 

多様なデータ活用とデータからの示唆読み取り

消費者の意識データについて、各企業様が独自に実施する調査以外にも、電通・マクロミル両社の資産を生かして、消費者理解につながるデータを保有しております。 

生活者のどのような行動がブランド形成に寄与するか、意識データからブランドに関して読み取れることを探っていきます。 

また、マーケティングリサーチを行った結果のデータから何を読み解くか、という点は、リサーチの実施以上に、調査会社の力量が問われる分野です。 

弊社では、専門性の高いリサーチャーやアナリストが、多彩なデータとマーケティングリサーチのノウハウを組み合わせ、生活者インサイトを導出します。 

ブランディングについてマーケティングリサーチの活用をお考えの方は、一度ご相談ください。 

マーケティングのお悩み、リサーチのプロにご相談ください

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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