近年、定性調査の重要性が再評価され、マーケティング領域でのニーズが高まっています。
消費者の行動自体はデジタルデータとして収集・蓄積可能になっていますが、データだけでは捉えきれない深層心理や行動の背景を解明し、より精緻なマーケティング戦略を立案するために、定性調査の手法が欠かせない存在となってきました。
こうした背景の中、電通マクロミルインサイトのグループ会社で、定性調査(グループインタビュー調査/デプスインタビュー調査等)を得意としている「株式会社スガタリサーチ」の執行役員 川地 元氏を招き、定性調査の特性を生かした企画」について事例も交え、2024年7月24日にウェビナーを開催しました。
本ウェビナーでは、定性調査の特性を最大限に活用し、消費者の深層心理をどのように捉えるかについて事例を交えて詳しく解説しました。
この記事では、当ウェビナーの概要について紹介いたします。
目次
セミナー概要
本ウェビナーでは、参加者が「定性調査にはここまでの可能性がある」というテーマで、定性調査の特性とその活用方法を詳しく解説しました。定性調査に得意な株式会社スガタリサーチのインタビューテクニックやメソッドを紹介し、参加者に新たな視点を提供しました。
セミナーのアジェンダ
本ウェビナーのアジェンダは大きくは次の3点です。
・定性調査の特性を生かした企画の考え方
・定性ならではのインタビューメソッド
定量調査に対する定性調査の特徴
インタビュー調査などの定性調査は、消費者の「なぜ」に迫ることで深いインサイトを得る手段です。
また、調査結果自体がストーリーで提示されるため、関係者やクライアントと共通の認識や解釈を共有しやすい、合意形成がしやすくなるという特徴があります。
実際のインタビューを例に、定性調査が消費者の内面や感情に直接触れる方法であることを示しました。
「よくある定性企画」に対して「定性調査の特性を生かした企画」
ウェビナー内では、「ダイエットサポートアプリ開発のための消費者行動理解」を事例として、「よくある定性企画」と「定性調査の特性を生かした企画」のそれぞれの対象者の条件、質問などを具体的に提示しました。
よくある定性企画
特性を生かした企画
ダイエットの成功・失敗について、個人因子と環境因子の両方が影響するという仮説を設定し、それぞれのドライバーとバリアを明らかにすることを目的とします。
そのために深層心理を掘り下げるようなカスタマージャーニーをヒアリングしていきます。
その結果、成功と失敗の要因を具体的に分析し、アプリの改善に繋げる方法を紹介しました。
「定性調査の特性を生かした企画」の設計のポイント
定性調査では、調査の目的に応じた具体的なリサーチクエスチョンを設定し、参加者の生活や価値観に基づいたデータを収集します。詳細な質問設計と進行計画により、製品やサービスの改善点をより具体的に特定できます。
定性ならではのインタビューメソッド
消費者が自覚していない感情や価値観といった潜在ニーズを引き出すための、定性調査特有のインタビューメソッドもウェビナー内で紹介しています。
例えば、プロジェクティブ技法やラダリング法などの定性特有のインタビューメソッドを紹介しました。
これらの手法は、消費者が自覚していない感情や価値観を引き出すために使用されます。例えば、ムードボードを用いて、ブランドに対する感情を視覚的に表現させることで、消費者の内面を深く理解することにつながります。
当ウェビナーの参加者からの反響
アンケート結果では、多くの参加者がウェビナー参加者に非常に満足していただき、84%の方に「大変満足」または「満足」と回答いただきました。
特に、具体的な手法と事例の提示がわかりやすく、実務に役立つという評価が多く寄せられました。
まとめ、総括
本ウェビナーでは、定性調査の魅力と可能性を多角的に示し、参加者がその手法をどのように実務に応用できるかを具体的に解説いただきました。
参加者に高く評価いただいた川地氏の豊富な経験と実践的な解説のウェビナー動画はこちらからご確認いただけます。
また、定性調査を成功させるポイントについてより深く理解するために、「失敗から学ぶインタビュー調査ガイド」についてもぜひご覧ください。
より深くユーザー心理を理解しマーケティング施策に生かすための、一歩踏み込んだ定性調査の実施をお考えの方は、電通マクロミルインサイトにご相談ください。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。