目次
SNS運用とは
SNS運用とは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用して、企業やブランドの認知度を高め、顧客との関係を築くためのマーケティング活動の一つです。具体的には、Instagram、X(旧Twitter)、LINE、TikTokなどのプラットフォームを利用して、ターゲットにリーチし、顧客とのエンゲージメントを促進する活動を指します。
SNS運用には、定期的なコンテンツの投稿、ユーザーとの対話、広告キャンペーンの実施、データ分析などが含まれます。このような活動の積み重ねにより、ターゲットに対するブランドの接点を増やし、フォロワーを顧客に転換することが可能です。
企業活動においてSNS運用が重要な理由
企業側にSNS運用が注目されている理由は、下記の弊社の調査結果を基に説明していきます。
・調査期間:2023年11月20日〜2023年11月22日
・調査対象者:SNS(X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LINE、TikTokのいずれか)をほぼ毎日利用する、15〜59歳
・サンプル数:2000名
生活者の半数以上が毎日利用している
SNSの利用頻度を回答者全体の結果で見ると、「X(旧Twitter)」「Instagram」「LINE」は、「ほぼ毎日」利用する割合が半数を超えました。
※10~50代全体の調査結果のため、TikTokの利用率は23.7%と低めです。
ただ、10代に限定すると、下図のとおり10代では「TikTok」を「ほぼ毎日」利用する割合が半数を超える結果になります。
10代にとっては、Instagram、line、Xに次いで、TikTokは影響力の強いSNSということが伺えます。
若年層へのアプローチのためには、TikTokの活用は重要といえます。
SNSの利用に関する2,000名調査の結果レポート詳細をご覧になりたい方はこちらからダウンロード可能です。
SNSは商品・サービスの認知や購買に影響を与えている
商品・サービスの購買行動において、各フェーズで影響する媒体をそれぞれ調査したところ、「認知」で68.0%、「理解」で55.3%、 「購入・利用・来店」で54.9%と、どのフェーズにおいても「SNS」がトップになっています。従来の主力メディアの「テレビCM」よりも10ポイント以上高く、認知・購買におけるSNSの影響力は大きくなっています。
SNSの利用に関する2,000名調査の結果レポート詳細をご覧になりたい方はこちらからダウンロード可能です。
SNSマーケティングとの違い
SNSと似た言葉に、SNSマーケティングが存在します。
SNSマーケティングとは、SNS(ソーシャルネットワークサービス)を使って行うWebマーケティング全般を指し、具体的にはSNSアカウント運用、SNSでのキャンペーン展開や広告などが含まれます。
つまり、「SNS運用」は「SNSマーケティング」の1つといえます。
SNS運用のメリット
SNS運用には、次のようなメリットがあります。
初期投資が小さい
SNS運用の大きなメリットの一つは、初期投資が小さいことです。
従来の広告手法と比較すると、SNSプラットフォームは無料でアカウント開設可能で、基本的な投稿を行うことができます。
また、SNS広告も比較的低予算で始めることができ、ターゲットや顧客に対して効率的にリーチすることが可能です。広告費用は企業の予算に合わせて調整でき、効果測定も容易なため、投資対効果を高めやすいのが特徴です。
顧客とのエンゲージメントが築きやすい
SNS運用のもう一つのメリットは、顧客とのエンゲージメントを築きやすい点です。企業は投稿に対するコメントやメッセージを受け取るなど、ユーザーの自社ブランド・商品への顧客の意見やフィードバックをリアルタイムで収集でき、それに応じた対応が可能になります。
フォロワーとのやり取りを通じて、顧客のニーズや関心事を把握しやすくなり、マーケティング戦略の改善に役立てることができます。
ブランディングに貢献
SNSは、ブランドを中心としたコミュニティを形成するのにも適しています。ファンやフォロワーがブランドに関する情報を共有し、互いに交流する場を提供することで、顧客同士のつながりが強まり、ブランドロイヤルティが向上します。
また、SNSは、ビジュアルコンテンツを効果的に活用する場としても優れています。ブランドのロゴ、カラー、トーン、ビジュアルコンテンツなどを統一し、画像、動画、インフォグラフィックなどを使用して、ブランドの魅力を視覚的に表現することで、ユーザーの記憶に残りやすくなります。
多くの人々に迅速に情報を届けることができるSNSは、ブランドの認知度を高め、強固なブランドイメージを構築するブランディングのための効果的なプラットフォームです。
SNS運用の注意点
一方、SNSを運用する際は、次のような点に注意する必要があります。
炎上リスク・レピュテーションリスクがある
SNS運用には多くのメリットがある一方で、炎上リスクやレピュテーションリスクが存在する点にも注意が必要です。炎上とは、企業の投稿や発言に対して否定的な反応が急激に広がり、批判や攻撃が集中する現象です。これにより、企業のブランドイメージが著しく損なわれる可能性があります。
例えば、不適切な発言やコンテンツの投稿、顧客対応のミス、社会的に敏感なテーマへの軽率なコメントなどが挙げられます。また、誤解を招く表現や情報の不足も炎上の原因となります。
炎上した場合、企業として迅速かつ適切な対応が必要です。放置すると、否定的な意見がさらに拡散し、レピュテーションリスクにもつながり、被害が拡大する可能性があります。企業は、謝罪や説明、問題の解決策を迅速に提供し、ユーザーとの信頼関係を再構築する努力が必要です。
炎上を防ぐためには、事前のリスク管理が重要です。
投稿内容を慎重に検討し、コンプライアンスに基づいた情報発信を心掛けること、万が一の炎上発生時のトラブル対応フローを整備する事などが求められます。
また、社員のSNS利用に関するガイドラインを整備し、定期的な教育を行うことでリスクを低減することも必要です。
長期的な取り組みが必要
SNSマーケティングは短期的な成果が出にくく、長期的にアカウント育成に取り組む必要があります。
ブランド認知度の向上や顧客との信頼関係の構築は、一朝一夕では達成できません。定期的かつ継続的な投稿、ユーザーとの対話、コンテンツの質の向上などが求められます。
SNS運用では、フォロワー数の増加やエンゲージメントの向上が重要な指標となりますが、目標を達成するには時間がかかります。
もちろん、投稿がバズることで短期的に大きな効果を生み出すこともできますが、バズる投稿だけを狙って運用をしても、継続的に成果を生み出すことは難しいです。
ブランド・商品のファンになってもらえそうなターゲットに向けて、価値のある情報を地道に継続的に発信していくことが、長期的な成功の鍵になります。
目の前の成果に一喜一憂するのではなく、中長期的なKGI・KPIを定めたうえで、効果測定を行うことをこころがけましょう。
各SNSの特徴
SNSと一口にいっても、利用者の属性や特徴はそれぞれ異なります。
それぞれの特徴や、相性のよい商材についての理解が重要です。
写真や動画を中心としたサービスです。
「インスタ映え」という言葉が一般的に定着したように、オシャレな写真や動画が好まれる傾向にあり、女性比率も他のSNSと比較すると高めです。
ハッシュタグ機能により、自分のアカウント外からの流入も見込むことが出来るため、特定分野においてInstagram上で活躍するインスタグラマーも多く誕生しています。
調査からも、女性と男性10 代の利用が多く、とくに若年女性では他のSNSと比べても、毎日利用する人が多いことが伺えます。
Instagramと相性のよい商材
おしゃれな写真・動画を閲覧するSNSのため、女性では多くの商材で情報源に利用しており、化粧品、ファッション、外食店舗と相性がよいことが伺えます。
InstagramなどSNSの利用に関する2,000名調査の結果レポート詳細を
ご覧になりたい方はこちらからダウンロード可能です。
X(旧twitter)
Xはリアルタイムで情報が流れるプラットフォームです。最新ニュースやトレンド、イベントの速報などが迅速に共有されます。ハッシュタグを活用することで、特定の話題に関する投稿を集めたり、発信したりすることが容易です。
第三者のツイート(つぶやき)をリツイートして自分のフォロワーにも共有することが出来るため、共感度の高いツイートは拡散されバズる傾向にあります。
一方でバズりやすさは炎上のしやすさにもつながるため、運用には注意が必要です。
また、利用者の傾向として10-20代で利用者が多いのは他のSNSと同様ですが、特に男性20-30代では他のSNSに比べて利用率が高いのが特徴です。
X(旧twitter)と相性の良い商材
利用者の属性に合わせて、ゲーム/玩具(男性10-30代)、オンラインサービス(男性20代)と相性がよいといえます。
X(旧twitter)などSNSの利用に関する2,000名調査の結果レポート詳細を
ご覧になりたい方はこちらからダウンロード可能です。
TikTok
ユーザーによるショート動画の投稿によって構成されるのが特徴的なSNSです。
日本に上陸したのは2017年と他SNSの中では比較的新しいサービスですが、リコメンド精度の高さなどを背景に早期のシェア獲得を実現し、10~20代の利用率が高い傾向にあります。
特に女性10代で毎日利用している人が多いことが弊社の調査結果からもうかがえます。
TikTokと相性の良い商材
化粧品、ファッション関連の商材がTikTokに適しているといえます。
ショート動画内で情報を集約して端的に伝えることが、TikTokでは購買への影響力を高めるために重要なポイントです。
TikTokなどSNSの利用に関する2,000名調査の結果レポート詳細を
ご覧になりたい方はこちらからダウンロード可能です。
YouTube(ユーチューブ)
YouTubeはGoogleが運営するSNSで動画投稿プラットフォームとして機能しています。
最近では競合への対策としてショート動画の投稿なども可能になっていますが、中長尺の動画も多く投稿される傾向にあります。
ユーチューバーと呼ばれるインフルエンサーも多くおり、企業とのプロモーション用タイアップキャンペーンなども頻繁に行われています。
LINE
LINEはSNSの中でも一般連絡の用途で使用されることが多く、月間ユーザー数9,500万人(2023年6月末時点)と圧倒的な登録者数をほこります。
参照元:https://campus.line.biz/line-ads/courses/user/lessons/oada-1-2-2
登録者数を見ても分かる通り、若者世代に限らず全世代に普及している点がLINEの大きな強みです。
SNS運用を進めるステップ
1.目的(KGI)の設定
まず、SNS運用の目的を明確にするのが最初のステップです。
ブランド認知度の向上、リードジェネレーション、顧客エンゲージメントの強化など、具体的な目標を設定し、その達成に向けた指標(KPI)を定めます。
なんとなく、他社もやっているから、という理由でとりあえず始めると、続きにくいだけではなく、投稿内容や方針も統一できずに効果も出にくいため、目的と目標の設定は重要です。
2.ターゲットの設定
次に、ターゲットを明確にします。
年齢、性別、興味関心、ライフスタイルなどのデモグラフィック情報を基に、ターゲットのペルソナを作成し、ニーズや関心に応じたコンテンツを企画します。
必要に応じてカスタマージャーニーマップ作成するなどして、ターゲットといつどういう接点を図るかを考えるのも有効です。
3.SNSの選定とそれに応じたコンテンツ計画の作成
どのSNSを運用するか、というのは重要です。ターゲットやブランド・サービス・商品と相性のよいSNSを選定する必要があります。
選んだSNSプラットフォームごとに適したコンテンツ形式も変わります。
ターゲットに届きやすい投稿スケジュールを立てたうえで、画像、動画、テキストなど、多様なコンテンツを用意し、一貫性を持ってブランドメッセージを発信していきます。
各性年代や業種ごとに適したSNSについての調査結果を閲覧するならこちらからDL可能です。
4.投稿と運用
計画に基づき、定期的にコンテンツを投稿します。ユーザーからのコメントやメッセージに迅速に対応し、対話を促進することでエンゲージメントを高めます。
5.分析と改善
最後に、投稿のパフォーマンスを分析し、目標達成に向けた進捗を評価します。データに基づいて戦略を見直し、改善を繰り返すことで、SNS運用の効果を最大化していきます。
このように、SNS運用は計画的かつ継続的な取り組みが成功の鍵となります。
SNS運用の基本となるターゲット(ユーザー)理解なら電通マクロミルインサイトにお任せください
SNS運用のためには、SNSの特徴をきちんと把握するだけでなく、ターゲットである顧客層の理解や入念な事前調査が求められます。
SNS運用に活用するターゲティングのためのリサーチや、効果検証についてお考えなら、電通マクロミルインサイトにご相談ください。
本記事で紹介しているSNSの利用に関する2,000名調査の結果レポート詳細を
ご覧になりたい方はこちらからダウンロード可能です。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。