掲載日:2022年7月10日
更新日:2025年10月17日
ブランドイメージは、企業や商品に対する顧客の印象や感情を示す重要な概念です。どれだけ優れた商品やサービスを持っていても、ブランドイメージが市場で良い形で定着していなければ、集客や売上にはつながりにくいのが現実です。
反対に、ポジティブなブランドイメージを構築できれば、顧客は自然にそのブランドを選び、長期的なブランドロイヤルティやLTV(顧客生涯価値)の向上にも直結します。
本記事では、「ブランドイメージとは何か」という定義から始め、企業にとってのメリット、調査方法、そしてマーケティング戦略への活用までマーケティングリサーチ会社として解説します。
・新規事業や新サービスの立ち上げを検討されている方
・ブランド戦略や広告キャンペーン立案を行っているマーケティング担当者
・自社のブランド戦略の見直しを検討中の方
目次
ブランドイメージとは何か
ブランドイメージの定義と要素
ブランドイメージとは、消費者があるブランドを思い浮かべたときに抱く「印象」や「感情」「評価」の総体を指します。これは単なるロゴやネーミングにとどまらず、商品・サービスの品質、広告メッセージ、接客体験、企業の社会的活動など、あらゆる接点で形成されるものです。
イメージを構成する要素としては、視覚的な要素(ロゴ・デザイン・カラー)、機能的な要素(品質・使いやすさ)、情緒的な要素(安心感・憧れ)、社会的要素(CSR活動やサステナビリティ)などが挙げられます。
このブランドイメージを狙った方向へ導くための活動全般が、ブランディングです。
ブランドアイデンティティとの違い
ブランドイメージと混同されやすい概念に「ブランドアイデンティティ」があります。
ブランドアイデンティティは企業が「こう見られたい」と意図して発信する自己像であるのに対し、ブランドイメージは市場や消費者が「実際にどう感じているか」という受け手側の印象です。
この差異を理解することで、マーケティング活動における「伝えたいこと」と「伝わっていること」のギャップを発見できます。
ブランドイメージが企業にもたらすメリット
顧客エンゲージメントとLTVの向上
ブランドイメージが好意的であると、顧客はそのブランドに長く関わり続ける傾向があります。単発の購買ではなく、継続的な利用やリピート購入につながり、顧客生涯価値(LTV)の向上を実現します。顧客は「信頼できるブランドだから安心して選べる」と考えるためです。
収益アップへの影響
同じ機能を持つ商品が複数ある場合、消費者は「知っていて、安心できるブランド」を選びがちです。結果として、広告や販促の効率も高まり、収益の増加に直結します。
人材採用や社内モチベーションへの効果
ブランドイメージは外部だけでなく、内部にも影響を及ぼします。
採用活動において「この企業で働きたい」と思われるのは、ブランドイメージがポジティブだからです。また、社員自身も「社会から評価される企業に所属している」という誇りを持てるため、エンゲージメントや離職率の改善にも寄与します。
競合との差別化
市場に同質化した商品があふれる中で、ブランドイメージは他社との差別化要因になります。
価格や機能だけではなく「このブランドだから選ぶ」という理由を生み出すことで、競争優位を築けます。
ブランドイメージの調査方法
ブランド認知度調査との違い
認知度調査は「知っているかどうか」を測定するものであり、イメージ調査は「どう感じているか」「どんな印象を持っているか」を把握するものです。
前者はブランドの浸透度を測り、後者はポジティブ・ネガティブ含めた感情の質的評価を測定します。
ブランドイメージ調査で使われる主な質問項目
一般的に用いられる質問は以下のようなものです。
- 「このブランドにどんな印象を持ちますか?」
- 「信頼できると感じますか?」
- 「革新的・伝統的など、どの属性に当てはまりますか?」
これらを5段階評価や自由回答で収集し、ブランドイメージのポジショニングマップを作成することで、自社の立ち位置を可視化できます。
調査から得られる示唆とマーケティングへの活用
調査結果は、広告の方向性やプロダクト開発、顧客体験の改善に直結します。
たとえば「品質は高いが親しみやすさに欠ける」という結果が出た場合、マーケティングでは親近感を与えるクリエイティブを強化するなど、改善の方向性が明確になります。
ブランドイメージを確立・向上させるための戦略
ターゲット設定と理想イメージの明確化
ブランドイメージ戦略の第一歩は「誰にどのように思われたいか」を明確にすることです。
全ての層に好かれることは不可能であるため、ターゲットを絞り込むことが肝要です。
ブランドコンセプトとストーリー設計
ターゲットに共感されるブランドコンセプトとして、「理念」や「物語」を作り、それを一貫して発信することが求められます。ストーリー性はブランドに感情的なつながりを与え、単なる商品以上の存在に育てます。
一貫したビジュアル・メッセージの発信
ロゴ、デザイン、広告コピー、SNSの投稿まで、一貫したトーンを保つことがブランドイメージの定着に欠かせません。統一感がないと、顧客の印象は分散し、信頼性を損ないます。
顧客体験(UX/CX)を通じたブランド強化
近年は顧客体験(UX)そのものがブランドイメージに大きな影響を与えています。購入前後のサポートやWeb体験、リアルイベント、アプリの操作感など、あらゆる接点での「心地よい体験」がポジティブな印象につながります。
ブランドイメージ向上で企業が目指すべき未来
長期的なブランド価値の育成
ブランドイメージは一朝一夕で形成されるものではなく、長期的な積み重ねによって育まれます。企業は目先のキャンペーンにとどまらず、持続的なブランド価値を見据えるべきです。
マーケティングリサーチを活用した持続的成長
ブランドイメージは、企業の集客や売上、採用、そして長期的な競争力に直結する重要な要素です。定義や要素を理解し、調査を通じて現状を把握し、戦略的に改善することで、ブランドは消費者にとって「選ばれる存在」となります。
継続的にブランドイメージを育てていくには、信頼できるマーケティングリサーチの活用が欠かせません。
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徹底した生活者理解に基づく、ブランド価値の探索
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顧客起点のブランド価値の導出をお手伝いいたします。
データからの示唆読み取り
ブランドは生活者の情緒的な側面を動かすもののため、指標化することは難しい領域です。
その中でも、私たちがアクセスできるデータを活用し、生活者のどのような行動がブランド形成に寄与するか、意識データからブランドに関して読み取れることを探っていきます。
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