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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム プロダクトライフサイクルとは?各段階の特徴とマーケティング戦略

プロダクトライフサイクルとは?各段階の特徴とマーケティング戦略

2022.07.29
マーケティングリサーチ(全般)
プロダクトライフサイクル

スーパーやコンビニの棚にはたくさんの商品が溢れており、気づいたらお気に入りの商品が棚からなくなっていた、ということを経験したことがある方は多いのではないでしょうか。

また、世の中には数多くの新商品が生まれ、長くヒットする商品は限られています。ヒットした商品でもいつのまにか市場から消えている、ということがよく起こります。

これは、製品には人間と同じように寿命が存在し、特定の製品が売れ続ける期間には限りがあるからです。

この製品が市場に出て、ヒットした後売れなくなっていくサイクルをプロダクトライフサイクルと呼びます

本記事では、「プロダクトライフサイクル」の意味やメリットを解説し、プロダクトライフサイクルの段階ごとに適したマーケティング方法をご紹介します。

プロダクトライフサイクルの基礎知識

「ヒット商品」と呼ばれるアイテムであっても、一般的にその製品が売れ続ける期間である「製品ライフサイクル」は約3年と言われています。

製品にも人間と同じように寿命が存在するのです。

売れ続ける期間に限りがある製品の利益を最大化するには、「プロダクトライフサイクル」の段階に合わせたマーケティング戦略を行うことが重要です。

では、具体的に「プロダクトライフサイクル」とはどのようなものなのでしょうか?

プロダクトライフサイクル(PLC)とは?

企業の商品や事業・サービスなどが市場に導入されてから、衰退するまでの成長のプロセスや基本戦略を体系的にまとめた理論を「プロダクトライフサイクル(Product Life Cycle)」と言います
頭文字をとって「PLC」とも呼ばれます。

1950年にジョエル・ディーンが提唱した理論で、フィリップ・コトラー氏が著書の中で紹介したことでこの理論は世界的に知られるようになりました。

製品の売上と利益の変遷を4つの段階で説明するモデルで、グラフで表すとS字型のカーブを描きます。

プロダクトライフサイクル

4つの段階とは具体的に下記の時期に分けられます。

製品の売上と利益の変遷を表す、4つの段階
  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 衰退期

各時期について詳細は後ほど詳しく解説します。

プロダクトライフサイクルを活用する目的

プロダクトライフサイクルの特徴を理解し、正しく管理活用すると大きく2つのメリットがあります。

プロダクトライフサイクルを活用する2つのメリット
  1.  マーケティング戦略の方向性を明確にできる
  2.  コスト削減と利益の向上につながる

マーケティング戦略の方向性を明確にできる

自社の製品がプロダクトライフサイクルのどこに位置しているのかを知ることで、その時に必要なマーケティング戦略の方向性を明確にすることが可能になります

また、プロジェクトの進捗を正しく判断しやすいというメリットがあります。

例えば、「成長期」であれば、積極的なアプローチをして売上を伸ばすチャンスです。

製品を増産し、販路を拡大するという判断が必要です。「衰退期」であれば、撤退する時期を検討しなければなりません。

このようにプロダクトライフサイクルを分析することで、マーケティング投資の時期や撤退する判断など、適したタイミングがわかります。

コスト削減と利益の向上につながる

導入期~衰退期までのそれぞれの時期に応じて適切なマーケティング活動を実践すると、製品を効率的に認知させることが可能になり、販売数を伸ばすことができます

間違ったタイミングで生産を増やしてしまい、大量の在庫をかかえてしまうなどの損益も防ぐことが可能です。

このように適切な時期に撤退の判断ができれば、採算の取れない事業から早期に撤退し、新たな事業に転換することも可能になります。
これにより利益を最大化させる可能性が高まります。

プロダクトライフサイクルの特徴を知ることで、無駄な損失や赤字を防ぐことが可能になるだけではなく、コストをかけるポイントや時期が判断できるようになり、コスト削減と利益向上につながります。

マーケティングプロセスとは?基本の考え方は、こちらでさらに詳しく解説しています。

プロダクトライフサイクルの4つの段階と特徴

プロダクトライフサイクルは4段階あることや、それぞれのステージで適切なマーケティング手法を実践すると、コスト管理や利益を向上できるなどメリットを説明してきました。

ここからは具体的に4つの段階の特徴を解説していきます。

導入期の特徴

「導入期」は、商品やサービスが市場に参入直後の段階であるため、認知も低く需要も小さい時期です。

製品開発費がかかるだけでなく、認知拡大に向けて広告の出稿や市場拡大のための施策を行う段階であり、利益はほとんど産み出せません。

成長期の特徴

「成長期」は、売上が急速に伸びる時期です。これにより利益も大幅に改善していく時期と言えます。製品を購入してくれるお客さんも増えていく一方で競合他社の参入も増加します。

成熟期の特徴

「成熟期」は、市場に製品がある程度行き渡り飽和状態になり、市場の成長が鈍化します。
売上、利益とも頭打ちになる段階です。

利益については、競合他社との競争によって減少していく時期でもあります。
導入期や成長期よりも成熟期は長く続きます。

衰退期の特徴

「衰退期」は、消費者の嗜好の変化や競合品との競争激化、代替品が登場するなどし、値引き競争が頻繁に行われ売上も利益も減少する時期です。

価格競争により利益が低下した状態で販売数が減少するため、市場から企業が続々と撤退していき、市場が縮小していく時期となります。

マーケティング戦略に使えるフレームワーク14選!特徴・活用例を徹底解説は、こちらでさらに詳しく解説しています。

プロダクトライフサイクルの段階ごとのマーケティング戦略

プロダクトライフサイクルのどの時期にあるかによって、適切なマーケティング戦略は異なります。
ここからは、各時期に行うべきマーケティング戦略について説明していきます。

導入期のマーケティング戦略

「導入期」は、製品を市場に投入した直後の段階であるため、購入するユーザーはまだ少なく、製品も認知もされていません。

そのため、この時期は認知度を高めて、シェアを拡大することが最優先すべき課題となります

消費者に自社の製品やサービスを認知してもらうためのマーケティング戦略が必要です。

具体的な例をあげると、テレビCM、SNS施策やインターネット広告の出稿、折込チラシ、無料のサンプリング、フリーペーパー、イベント開催などが考えられます。

このようなマーケティング施策を行い、今後顧客層になりそうな人たちにアピールすることが成功の近道になります。

一方で導入期は生産体制が不十分なケースも多く、不具合や不良品への対応も求められることも多い時期でもあります。

成長期を見据えて生産体制を整えていくことが必要となります。

成長期のマーケティング戦略

「成長期」は、製品が認知され売り上げが一気に急伸するものの、他社から競合品も出てきます。

消費者ニーズが多様化するため、この時期は製品改良や差別化戦略を重視し、自社製品のブランド力を高め、市場に浸透させることが重要な戦略となります

市場のシェアが拡大してきたら、製造ラインや販路の拡充をするなど、売上向上に合わせた対応も必要になってきます。

この時期は、流行最先端のアーリーアダプターと呼ばれる人と、アーリーアダプターを追随するアーリーマジョリティと呼ばれる人をターゲットにすることが重要です。

競合他社に対抗するために、引き続き販売促進にコストをかけることも必要な時期と言えます。

成熟期のマーケティング戦略

「成熟期」は、市場が安定して製品の認知率も高くなっている時期です。

そのため、積極的な販売促進などのプロモーションや広告戦略よりは、顧客ニーズを知るためにモニター調査や、製品についてアンケート調査などのリサーチを行い、消費者の声に耳を傾けながら施策を打ち出すとよいでしょう

市場にある程度製品が行き渡る時期であるため、買い替え需要中心となります。

そのため販売価格を下げるなどの対応も必要となってきます。

製品の機能面や価格面だけではなく、差別化に向けたブランドイメージの強化のブランディングや、ブランドロイヤルティ向上をはかるためのコミュニケーション戦略・ブランド戦略が必要不可欠となります。

衰退期のマーケティング戦略

「衰退期」は、販売促進などへの投資コストを抑えて効率性を高めながら、既存顧客を維持することが重要な課題になります

撤退をせず市場を維持する場合には、製品戦略を見直しすることや、製品コンセプトを変更するなどし、新たな市場を開拓するとこで市場のシェアを独占できるケースもあります。

反対に、ブランドの残存価値を他の製品に活用し、新製品に切り替えることや、市場から撤退することを判断することも重要な時期となります。

プロダクトライフサイクルと併せて覚えておきたい用語

ここからは、「プロダクトライフサイクル」に関係が深い2つの用語を紹介していきます。

  1. プロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)
  2.  イノベーター理論

上記のマネジメント手法や理論を知り、さらに理解を深めていきましょう。

プロダクトライフサイクルマネジメント(PLM)

プロダクトライフサイクルマネジメントとは、製品のライフサイクルを把握して行います。

製品の企画立案から設計、生産と出荷、そのあとのサポートなども含め、製品のすべての過程を包括的に管理するマネジメント手法です。

製品のすべての過程を管理することで、市場のニーズに合致した製品を適切な時期に投入、 改善および廃止することを目指す経営管理の仕組です。

プロダクトライフサイクルマネジメント(Product Life-cycle Management)は、頭文字をとって「PLM」とも呼ばれます。

イノベーター理論

「イノベーター理論」とは、新しい製品、サービスの市場への普及率を表したマーケティング理論です。

スタンフォード大学のエヴェリット・ロジャース教授が「イノベーション普及学」という著書の中で 1962年に提唱しました。

イノベーター理論では、普及の過程を5つのフェーズに分類して、マーケティング戦略や市場のライフサイクルについて企画、立案する際に利用されます

横軸は市場の成長に伴う時間的経過、縦軸はその製品やサービスを採用するユーザーの数で示します。
市場の成長に伴って普及率は高まりますが、イノベーター理論では、普及のどの段階の層なのかによっ
て5つに分類しています。

イノベーター理論

イノベーター(革新者)

市場に製品やサービスが導入されたばかりの導入期に商品やサービスをいち早く購入する層を「イノベーター」と呼びます。

「イノベーター」とは、新しい商品やサービスが好きで、いち早く購入、受け入れてくれる層のことです。

情報感度が高く、新しいものを積極的に利用する好奇心の高い消費者層といえます。
市場全体の2.5%程度存在します。

アーリーアダプター(初期採用者)

「アーリーアダプター」とは、イノベーターほど急進的ではないものの、トレンドに敏感であり、常日頃からアンテナを張り情報を収集し判断を行う層です。

特徴としては、単に「新しいもの好き」というわけではなく、しっかりとメリットを考えたうえで良いと判断したものを購入します。

また、自身の周囲にいる人々に対して製品の口コミ・評価を伝える性質があり、市場全体の13.5%を占めていると考えられています。

この後に出てくる「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」にとって、口コミなどの評価は重要なポイントになるため、「アーリーアダプター」は大きな影響力を持つと考えられています。

アーリーマジョリティー(前期追随者)

「アーリーマジョリティー(前期追随者)」は、情報感度は比較的高いものの、新しい製品やサービスの採用に慎重な層です。

「流行に乗り遅れたくない」という気持ちがある為、平均より早く新しいものを取り入れます。

アーリーアダプターの影響を強く受けるため、市場全体へ浸透する橋渡しとなる「ブリッジピープル」と呼ばれることもあり、市場全体の34%程度を占めていると言われています。

レイトマジョリティー(後期追随者)

「レイトマジョリティ(後期追随者)」は、新しい製品やサービスに対して消極的で、なかなか導入しない層です。

多くのユーザーがこの商品やサービスを採用しているなど多数派だと確証を得てから採用するユーザー層で、市場全体の34%程度を占めていると言われています。

ラガード(遅滞者)

「ラガード(遅滞者)」は、最も保守的な層であり、新しいものに対して全く興味・関心を持っておらず、「新しいモノを受け入れたくない」と感じています

製品やサービスがただ普及するだけではなく、伝統的、文化的なレベルまでその商品を採用することが一般的にならないと採用しない層で、市場全体の16%程度を占めると言われています。

「プロダクトライフサイクル」に合わせたマーケティングリサーチなら電通マクロミルインサイトにご相談ください

本記事では「プロダクトライフサイクル」について詳しく説明してきました。

製品が今プロダクトライフサイクルのどこの段階かを知ることで、ビジネスの打ち手を決めるヒントになるだけではなく、「マーケティング戦略の方向性を明確にできる」ことや、「コスト削減と利益の向上につながる」など多くのメリットがあります。

プロダクトライフサイクルに合わせたマーケティング戦略の立案の参考となる、マーケティングリサーチをお考えの場合は、電通マクロミルインサイトにご相談ください。

執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。

 

監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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