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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム ブランド価値とは?定義・構成要素・高め方をわかりやすく解説

ブランド価値とは?定義・構成要素・高め方をわかりやすく解説

2025.10.29
商品開発・ブランディング
ブランドロイヤリティの向上

2022年4月12日公開
2025年10月29日更新

ブランド価値は、単なる商品の性能や価格では測れない「顧客がそのブランドに感じる総合的な評価」です。信頼や共感といった目に見えない価値は、企業の成長や競争力に直結します。
本記事では、ブランド価値の定義や構成要素、評価指標を整理した上で、企業がブランド価値を高めるための具体的な方法を解説します。

ブランド価値の基本的な定義

ブランド価値とは、単なる商品やサービスの価格では測れない、顧客がそのブランドに抱く評価や信頼の総体を指します。企業がどれほど優れた商品を生み出しても、それが顧客に「価値あるブランド」として認識されなければ、長期的な競争優位にはつながりません。ブランド価値は、顧客が商品やサービスを選択する際の心理的基盤となり、最終的には企業の収益力や社会的評価に直結します。

一般的に「ブランド=知名度」と誤解されがちですが、単に名前が知られているだけではブランド価値は十分に高まりません。信頼、共感、自己表現の象徴として顧客の心に根付くことで初めて、本当の意味でのブランド価値が形成されます。

ブランド価値の主な構成要素

ブランド価値は主に3つのベネフィットという要素から構成されています。ベネフィットとは、商品やサービスを通じて消費者に与える効果や利益のことを指しますが、大きく分けると「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現・社会的価値」の3つに分類されます。

機能的価値(品質・性能・使いやすさ)

まず最初に考えられるのは、製品やサービスの品質や性能です。顧客が商品を購入する際、最低限の基準として「安心して使えるか」「長く使えるか」「使いやすいか」が重視されます。この領域での価値が欠けてしまえば、ブランドの信頼を得ることは難しいでしょう。

情緒的価値(顧客体験・感情的満足)

機能的価値に加えて、顧客がブランドに接する過程で得られる体験や感情的な満足も重要です。心地よい接客、ブランドが持つ世界観、広告やストーリーが与える印象などは、消費行動に大きな影響を及ぼします。情緒的価値は、単なる購買を超えて「ファン」を生み出す源泉となります。

自己表現・社会的価値(自己実現・社会貢献)

さらにブランドは、顧客のアイデンティティ形成や社会的役割の象徴として機能することがあります。例えば、環境配慮型の商品を選ぶ行為は、顧客が「社会的に責任ある自分」を表現する手段となります。このような価値は、近年のSDGsESG投資の潮流とも密接に関連しており、企業の存在意義そのものを高める要素となります。

ブランド価値を評価する指標

ブランド価値は目に見えないため、評価の仕組みを持つことが大切です。代表的な指標には次のようなものがあります。

ブランド認知と想起

顧客がそのブランドを知っているか、また特定のカテゴリで最初に思い浮かべるかどうかは、ブランド価値を測る基本的な尺度です。
ブランドの認知は消費者が購買決定を行う際に、安心感を与えてくれるため、特に高級品などにおいては知名度が重要な役割を果たします。
認知度は、インターネット調査などで定量的に聴取することが可能です。聴取する項目として純粋想起、助成想起、認知経路、広告経路などがあります。

純粋想起

純粋想起とは、ヒントなどを与えずに「●●と言えば、何を頭に思い浮かべますか?」という質問です。例えば「緑茶飲料といえば?」「食器用洗剤といえば?」 のように、特定の商品カテゴリーを提示して、回答に自社商品・ブランドの名前が挙がってくれば、認知度が高いといえます。

助成想起

ヒントなしの純粋想起と異なり、例えばブランド名を複数列挙して「次の中で知っているブランドを選択してください」と質問することで、認知度を測る方法です。比較的安価で商品数が多い食品や飲料などのブランド価値を測定するときによく用いられます。

認知経路

商品を認知している消費者に対して、どこで商品を知ったのか、という認知経路を聞くことも重要です。店頭で見かけたのか、新聞・雑誌・テレビ・ラジオ・SNSなどのメディアを通して知ったのか、を確認することで、消費者とブランドとの接点を把握することができます。

広告認知

広告を出稿している場合、商品の認知のほかに、広告の認知度を確認することも重要です。メディア広告はブランドに大きく影響を与えます。その広告がどれだけ認知されているのか、顧客にしっかりメッセージが届いているのかを測る指標の1つになります。

ブランドイメージ

ブランドイメージとは、顧客がそのブランドに対して抱く印象やイメージの総称です。
製品やサービスそのものの機能に加え、広告や口コミ、企業の社会的な取り組みなど、多様な接点から形成されます。例えば「信頼できる」「革新的」「親しみやすい」といった感覚的な評価が積み重なり、ブランドのイメージが形づくられます。

ブランドイメージは数値化が難しい一方で、顧客の購買意思決定に大きな影響を与える要素です。
同じ価格帯や性能の商品であっても、ポジティブなブランドイメージを持つ企業の製品が選ばれるケースは少なくありません。また、SNSやレビューサイトにおける発言や共感の広がりもブランドイメージに直結します。

企業にとって、ブランドイメージを継続的にモニタリングし改善していくことは、信頼の醸成や顧客ロイヤルティの向上に不可欠です。市場調査やアンケート調査を通じて、顧客が抱くイメージを定点的に把握することが、ブランド価値全体の強化に寄与します。

顧客からの信頼・ロイヤルティ

ブランド価値を語る上で欠かせないのが、顧客からの信頼とロイヤルティです。
顧客が「この企業の製品なら安心して購入できる」と感じる信頼は、ブランドの基盤となります。たとえ一時的に競合が価格面で優位に立ったとしても、信頼を獲得しているブランドは選ばれ続けます。
信頼は品質やサービス対応の積み重ねだけでなく、誠実な企業姿勢や社会的責任の果たし方など、幅広い要素によって形成されます。

一方で、ロイヤルティは信頼を超えた「継続的な支持」の表れです。顧客が繰り返し商品を購入したり、新しいサービスを試したりする背景には、ブランドへの愛着や共感が存在します。
高いロイヤルティを持つ顧客は、自発的に周囲へ推奨したりSNSで積極的に発信するなど、企業にとって非常に価値の高い存在です。

また、ロイヤルティの強化は顧客生涯価値(LTV)の向上にも直結します。リピート率の高い顧客は、長期的に企業の売上を支えるだけでなく、広告や販促に頼らない安定した収益基盤をもたらします。そのため、顧客ロイヤルティを定量的に測定し、NPS®(ネット・プロモーター・スコア)や継続購入率、解約率などを追跡することが推奨されます。

つまり、顧客からの信頼とロイヤルティは、ブランド価値を裏打ちする最も重要な要素のひとつです。企業は短期的な販売促進に偏るのではなく、誠実な対応や価値ある体験の提供を通じて、顧客の長期的な支持を築いていくことが不可欠です。

ブランド価値が企業にもたらすメリット

ブランド価値を高めることは、単に顧客の満足度を向上させるだけではありません。企業にとって多方面でのメリットがあります。

価格競争からの脱却

強固なブランド価値を持つ企業は、安売り競争に巻き込まれにくくなります。顧客が「このブランドなら価格に見合う」と信じれば、多少の価格差があっても選ばれ続けます。

顧客ロイヤルティ・LTVの向上

ブランドに愛着を持つ顧客は、リピート購入やクロスセルにも積極的になります。これはマーケティングコスト削減にも寄与します。

採用力・社員定着率の向上

優れたブランドは、外部顧客だけでなく内部の従業員にとっても魅力的です。「この企業で働きたい」と思わせるブランドはインナーブランディングに寄与し、採用力や社員の定着率向上にも直結します。

マーケティング効率の改善と社会的評価

広告やPR活動の効果も高まり、社会的信用度も増します。企業としての存在意義や社会貢献度が評価されれば、ステークホルダーとの関係も良好になります。

ブランド価値を高める方法とポイント

では、具体的にどのようにしてブランド価値を高めればよいのでしょうか。

顧客ニーズの調査と理解

まずは顧客のニーズや潜在的な欲求を正しく把握することです。アンケート調査やインタビュー、UXリサーチを通じて、顧客が本当に求めている価値を明確化します。

ブランドストーリーの設計

次に必要なのは、企業独自のブランドストーリーを構築することです。顧客に共感を与える物語があれば、ブランドは単なる機能を超えた存在として記憶されます。

一貫したコミュニケーションの実行

広告、SNS、店舗体験といった顧客接点において一貫性を持たせることも重要です。矛盾のないブランド体験は、顧客の信頼を積み重ねます。

ブランド資産(エクステンション、マルチブランド)の活用

既存ブランドの強みを活かし、新しい商品ラインや関連サービスへ展開する戦略も有効です。ただし、ブランドの本質とずれないよう注意が必要です。

ブランド価値把握・向上のためのマーケティングリサーチの活用方法

顧客が実際にブランドに対してどのような認識や感情を持っているのかを客観的に把握するには、マーケティングリサーチが不可欠です。定量データと定性データの両方を組み合わせて調査を行うことで、ブランドの強み・弱みを明らかにし、戦略的な意思決定につなげることができます。

インターネットリサーチ(定量調査)

顧客のブランド認知度、イメージ、満足度、推奨意向などを数値として把握するために有効です。大規模なサンプルを対象にすることで、全体傾向やセグメントごとの違いを把握できます。
ブランド価値を定期的に追跡する「ブランドトラッキング調査」もこの一種であり、競合との差異や市場内でのポジションを把握する際に役立ちます。

グループインタビュー(FGI

少人数の顧客を集めて行うグループディスカッションです。ブランドに対する潜在的な感情や意見、購買の背景にある心理を深く探ることができます。数値では見えにくい「なぜそのブランドを好むのか」という洞察を得ることで、ブランドストーリー設計や広告表現の方向性に生かせます。

デプスインタビュー

一対一で行うインタビュー手法で、顧客個人のブランド体験や価値観に深く踏み込みます。ブランドに対する個別の強い感情や期待を明らかにでき、ブランドイメージの形成要因を理解するのに有効です。特に高関与商材やBtoBブランドの調査でよく用いられます。

マーケティングリサーチをお考えなら、電通マクロミルインサイトにご相談ください

ブランディングはすぐに効果が生まれるものでもなく、いきなり正しい施策を実行できるわけでもありません。中長期的にKPIをモニタリングしながら、改善を繰り返していくことで、より良いブランディング施策の実行に繋がります。
その効果を客観的に把握するという意味でマーケティングリサーチはブランディング施策に必要不可欠です。

電通の卓越したマーケティングコミュニケーションノウハウ

広告会社として多くのブランド戦略を立案している電通と共同でプロジェクトを実施した経験から、リサーチでのブランド価値の調査だけでなく、ブランド価値を向上するための具体的なノウハウについても豊富な事例を有しております。

徹底した生活者理解に基づく、ブランド価値の探索

私たちの強みである、お客様の課題に向き合い多面的なデータの分析によってブランドの課題を特定する、というアプローチはブランド価値向上にも活用できます。ブランドは生活者の感情を動かすものであり、そのためには生活者の理解が欠かせないからです。
顧客起点のブランド価値の導出をお手伝いいたします。

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執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。
監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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