BtoBマーケティングは顧客理解を軸に、戦略設計からPDCAまで一貫して進めることが成功の鍵です。企業間取引では検討期間が長く、関係者も多岐にわたるため、導入前に詳細な顧客理解と市場環境調査を行わなければ、成果に結びつきません。このコラムではBtoBマーケティングの基本概念から具体的ステップ、活用可能なリサーチ手法、そして成果を上げるポイントまで丁寧かつ専門的に解説します。最後に関連ホワイトペーパーのダウンロード案内もご紹介しますので、ぜひ自社施策のブラッシュアップにお役立てください。
目次
BtoBマーケティングとは?
BtoBマーケティングの定義やBtoCマーケティングとの違いについて解説します。
BtoBマーケティングの定義と特徴
BtoBマーケティングとは、企業(法人)を顧客とする商品・サービスの販売促進活動全般を指します。法人顧客は複数の意思決定者が関与し、購入プロセスが長期化しやすい点が特徴です。そのため、単に認知拡大を目指すだけでなく、課題解決型の提案を通じて信頼を醸成し、最終的な受注につなげることが求められます。
企業間取引では、技術的な詳細情報や導入事例、ROI試算など専門性の高いコンテンツが必須となります。また、情報収集チャネルも多岐にわたり、Webサイト・ホワイトペーパー・セミナー・展示会などを組み合わせた施策が効果的です。
BtoCマーケティングとの違い
BtoCマーケティングと比べると、BtoBでは購買に関わる期間・人数・目的が大きく異なります。まず、購買決定には現場担当者から経営層、調達部門まで複数部門が関与し、価格以外に運用体制やセキュリティ、内部承認プロセスへの適合性など多角的な検討が行われます。
また、短期間での成果を追うよりも、中長期的なリードナーチャリングを前提とした施策設計が欠かせません。顧客理解を深めるために継続的な情報提供を行い、関係性を構築しながらフェーズを進める視点が重要です。
BtoBマーケティングのステップ
BtoBマーケティングは大きくは次の3ステップです。
ステップ1:市場環境調査と顧客理解
最初に取り組むべきは、市場規模や競合動向を把握する市場調査と、ペルソナ設計を軸とした顧客理解です。
市場環境調査では、公的統計や業界レポート、競合の公開情報を用いて市場のポジショニングを明確化します。
顧客理解を深める段階では、インタビューやアンケートを通じてターゲット企業・担当者のニーズや導入検討プロセスを深掘りし、ペルソナを精緻化します。
このフェーズで得たインサイトが、後続ステップの戦略立案やコンテンツ企画の精度を大きく左右しますので、充分に時間をかけて取り組むことが肝要です。
ステップ2:戦略立案とコンテンツ設計
次に、市場環境と顧客理解をベースに、KPIを含むマーケティング戦略を立案します。具体的には、リード獲得数、受注率、最終的なROIなどを設定し、達成すべき数値目標を明確にします。
戦略に沿って、認知→興味喚起→検討→意思決定の各ファネル段階に対応するコンテンツを設計します。例えば、認知段階には業界トレンド記事やホワイトペーパー、検討段階には事例セミナーやROI試算ツールを用意します。SEO、広告、メール、ウェビナーなど複数チャネルを組み合わせ、ターゲットへの最適なアプローチを実現します。
ステップ3:実行・効果測定とPDCA
最後に、策定した施策を実行し、データドリブンで効果を測定しながらPDCAサイクルを高速で回します。MA(マーケティングオートメーション)やCRMを用いてリードの行動履歴を可視化し、自動配信やスコアリングを活用して効率的にナーチャリングします。
週次・月次でダッシュボードをチェックし、受注率やチャネル別CVRなどのKPIをモニタリングします。数字に現れたボトルネックを起点に仮説を立て、A/Bテストやコンテンツ改善を迅速に実施して、施策の最適化を図ります。
BtoBマーケティングに活用可能なリサーチ
BtoBマーケティングに活用可能なリサーチについてご紹介します。
BtoBパネル活用のインターネットリサーチ
インターネットリサーチというと、主に消費者向けのリサーチのイメージが強いですが、電通マクロミルインサイトでは、職業、業界/業種、職種、役職など、BtoBマーケティングリサーチに必要な基本情報を聴取している47万人のビジネスパーソンのモニタが活用可能です。
BtoBパネルを利用したインターネットリサーチでは、特定業種・役職の意思決定者を対象にスピーディかつ低コストで定量データを取得できます。属性フィルタリングによって必要なサンプルを確保し、自由回答やクロス集計を通じて深層ニーズを抽出します。
活用可能な例
・新卒正社員採用決裁権有&従業員数が500人以上を対象者として定量調査を行いたい
・年間売上規模が10億円~100億円に従事する企業の部長を対象者として定量調査を行いたい
・DXを推進するためのツール選定時の重視ポイントを把握するため、自社のDX推進を担当している方に定量調査を行いたい
・転職情報メディアのリニューアルにあたり、現在営業職で、直近1年以内に転職を考えて情報収集をした方に、定量調査を行いたい
BtoBマーケティングに活用可能なビジネスパネルについて、詳しくはこちらから資料ダウンロードが可能です。
有識者ヒアリング(エキスパートレビュー)
有識者ヒアリングは、市場動向や技術トレンドの背景を深掘りする手法として有効です。
各専門領域の有識者や、大学・研究機関、業界誌などのジャーナリストなど、専門家の立場から業界や商品・サービス等についての意見の収集や他社事例の収集をヒアリングするインタビュー調査です。アクセスが難しい一次情報や社外の知見、競合情報を得ることで、経営戦略・事業戦略の立案や新規事業開発などをよりスムーズに進めることができます。
※競業避止義務違反に抵触する内容や、秘匿情報に関するインタビューはできかねます。
デスクリサーチ
デスクリサーチは公開情報を網羅的に収集し、市場規模や競合状況を把握するための基盤調査手法です。政府統計や業界レポート、学術論文などを組み合わせ、最新の情報ソースを選定します。
また、競合企業について、既に調査会社にて調査されているイメージ調査やSNS、ニュース記事、ブログ、レビューサイトなど、オンライン上で公開されている情報を調査することで、競合他社の戦略や市場の動向を把握できます。 オープンソースの情報を元に、電通マクロミルインサイトが長年の経験から培ったキュレーション力で価値ある情報をピックアップいたします。
BtoBマーケティングで成果を出すためのポイント
BtoBマーケティングで成果を出すためのポイントは次のようなものです。
ターゲット&ペルソナの精緻化
成果を出すためには、ターゲット企業や担当者像を詳細に設計し、段階ごとに最適なメッセージを届けることが不可欠です。ペルソナ設計では、受注データ分析や顧客インタビューを通して、企業規模や役職、導入意思決定フローなどをモデル化します。
差別化されたバリュープロポジションの策定
自社ならではの強みを明確にし、競合との差別化要素を言語化することが重要です。技術力の高さや運用支援体制、セキュリティ基準など、顧客が重視するポイントを具体的に打ち出し、導入事例やROI試算を通じて信頼を獲得します。
ファネル別コンテンツマーケティング体制
認知から意思決定まで、各フェーズ・ファネルに対応するコンテンツを用意し、継続的にアプローチする仕組みが成果を左右します。社内リソースと外部パートナーの役割分担を明確化し、MA/CRMツールを活用してワークフローを整備します。
BtoBマーケティング用語解説
BtoBマーケティングを実践するうえで頻出する用語を理解しておくことは、戦略設計や社内外の関係者との共通認識を持つうえで不可欠です。ここでは、特に基礎となる代表的な用語を整理します。
CV(コンバージョン)
CV(Conversion)は、マーケティング活動の最終的な成果指標を指します。BtoBの領域では「資料請求」「ウェビナー申込」「問い合わせ」「デモ依頼」などが代表的です。
最終的な受注に至る前段階での行動を細かくCVとして定義することで、施策ごとの効果を測定しやすくなります。
CVR(コンバージョン率)
CVR(Conversion Rate)は、特定の施策やページに訪れたユーザーのうち、どれだけがコンバージョンに至ったかを示す割合です。
例えば100人がLPを訪問し、5人が資料請求をした場合、CVRは5%となります。BtoBマーケティングではCVRを改善することが、効率的なリード獲得につながります。
LP(ランディングページ)
LP(Landing Page)は、広告や検索エンジンから流入したユーザーが最初に着地するページです。BtoBでは「ホワイトペーパーDL用」「ウェビナー申込用」といった目的特化型のLPが多用されます。
ページ内では訴求ポイントを明確にし、入力フォームを最適化することで、CV率を高められます。
ライフタイムバリュー(LTV)
ライフタイムバリュー(LTV)は、顧客が取引を開始してから終了するまでに企業にもたらす総収益を指します。BtoBの商材は取引期間が長いため、単発の売上ではなくLTVを最大化する視点が欠かせません。
マーケティングの役割は、リード獲得だけでなく、長期的な関係構築を前提としたLTVの最大化にも及びます。
ペルソナ
ペルソナは、自社がアプローチしたい理想的な顧客像を具体的に表現したものです。BtoBでは「IT部門の課長クラス」「年商100億円規模の企業」など、属性や役職、課題意識、情報収集行動まで詳細に設定します。
顧客理解を深めることで、訴求すべきメッセージや提供コンテンツを的確に設計できます。
カスタマージャーニー
カスタマージャーニーは、顧客が認知から購買、そして利用・継続に至るまでの一連のプロセスを可視化したものです。BtoBでは意思決定に時間がかかるため、情報収集・比較検討の段階ごとに必要な情報を提供する設計が重要です。
「どの段階でどんな不安を解消すべきか」を把握することで、成果に直結するマーケティング活動が可能となります。
MA(マーケティングオートメーション)
MA(Marketing Automation)は、メール配信やスコアリング、リード管理などのマーケティング活動を自動化・効率化するツールです。BtoBマーケティングにおいては、獲得したリードをナーチャリング(育成)し、商談化のタイミングを見極めるために欠かせない仕組みです。
MAを導入することで、営業部門へのパスの精度を高め、成果につながるリード獲得・育成サイクルを構築できます。
BtoBマーケティングのためのリサーチなら電通マクロミルインサイトにご相談ください
本記事では「BtoBマーケティング」の定義・ステップ・活用リサーチ手法・成功ポイントを丁寧に解説しました。特に顧客理解を起点とする戦略設計、精緻なペルソナ策定、ファネル別コンテンツ体制が成果創出の鍵です。
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