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マーケティングリサーチコラム

マーケティングリサーチの電通マクロミルインサイト TOP マーケティングリサーチコラム ブランドコンセプトとは?価値を明確にし、ターゲットへ届ける方法

ブランドコンセプトとは?価値を明確にし、ターゲットへ届ける方法

ブランドコンセプトとは?作成方法や例文・事例、作成時のポイントを解説

2022年4月12日公開
2025年10月28日更新

目次

ブランドコンセプトとは

ブランドコンセプトとは、ブランドが顧客や社会に対してどのような価値を提供するかを明確に定めた核となる考え方です。単なるキャッチコピーや広告スローガンではなく、ブランドの存在意義や役割を言語化したものといえます。これを軸にすることで、社内外で一貫性のある活動が可能になります。

ブランドとブランディングの関係

ブランドは市場や顧客に認識される「イメージ」そのものを意味します。対してブランディングは、そのブランドの価値を形成し育てるための戦略的な取り組みです。その両者をつなぐ基盤にあるのがブランドコンセプトであり、明確で強固なコンセプトこそがブランディング活動を成功させる要因となります。

ブランドコンセプトの定義と役割

ブランドコンセプトは、ブランドが持つ価値を整理し、誰に何を届けるかを指し示します。経営方針やマーケティング施策を判断する際の「羅針盤」となり、社内の意思統一を図るだけでなく、顧客にとってもブランドを理解する手がかりとなります。

ブランドコンセプトが重要な理由

ブランドコンセプトがなければ、マーケティング施策やコミュニケーションは断片的になり、顧客に届きにくくなります。重要な理由は大きく3つあります。

ターゲット理解を深めるための指針

まず、ブランドコンセプトはターゲットを正しく理解するための基準になります。誰に向けてメッセージを発信するかが不明確だと、訴求は散漫になりがちです。ターゲット像を明確化することで、施策が一貫し、顧客に響くアプローチが可能となります。

ブランド価値を社内外に一貫して伝える

次に、ブランドコンセプトはブランド価値を分かりやすく共有する役割を果たします。社員全員が同じ価値観を共有することで、接客や営業の現場でも一貫性が保たれ、顧客に安心感や信頼を与えます。

差別化と長期的なブランド成長の基盤になる

さらに、競合との差別化を図り、長期的に成長するための基盤になります。独自の価値をコンセプトとして示せば、模倣されにくく、ブランドならではの存在感を発揮できます。

ブランドコンセプトの作り方(6ステップ)

ブランドコンセプトを策定する際は、段階的に整理していくことが効果的です。以下の5つのステップに沿って進めると、実践に移しやすくなります。

現状把握と市場・競合分析

最初のステップは、自社の現状を把握し、市場や競合を分析することです。課題や強みを理解することで、差別化の出発点を見つけられます。

消費者の不満や悩みを定量的に収集したい場合はインターネット調査を利用したり、じっくりヒアリングして数値化できない意見を集めたい場合は、グループインタビューデプスインタビューなどの実施がおすすめです。

自社や競合状況の整理、現状把握を行うフレームワークとしては、STP分析PEST分析3C分析などが挙げられます。

上記の観察・分析を通じて自社ブランドの方向性を定めるための材料を揃えます

ターゲットを明確化する

次に、ブランドのメッセージを届けるターゲットを絞り込みます。具体的な人物像やライフスタイルを描くことで、ブランドの価値がより鮮明になり、共感を得やすくなります。

提供する価値を言語化する(顧客価値・社会的価値)

ブランドが顧客に与える価値と、社会に貢献する価値を整理します。機能的な便益(ベネフィット)だけでなく、感情的な満足や社会的意義を含めることで、持続可能で支持されるブランドになります。

ブランドストーリーを設計する

ブランドコンセプトを背景としたストーリーを描きます。ストーリーは顧客との感情的なつながりを生み、ブランド体験を深める効果があります。

ブランドコンセプトの言語化・検証

最後にブランドコンセプトを言語化します。端的な言葉で言い表すとどうなるか、をこれまでの考察をもとに考えます。ターゲットに設定した層に刺さるシンプルなコンセプトが望ましいです。
実際にブランドコンセプトが言語化できたら、自社の従業員・ターゲット顧客などにアンケートを実施し、反応をみていくことで検証を行います。
反応が芳しくなかったとしても、さらに言葉を推敲する中で理想のブランドコンセプトを作り上げることが出来ます。

ブランドコンセプトをつくるためのマーケティングリサーチ活用方法

ブランドコンセプトは、企業の内部だけで考えると市場やターゲットとの乖離が発生する場合があります。市場やターゲットの声を踏まえて設計することで、現実に根ざした、共感されるコンセプトになります。
その際に有効なのがマーケティングリサーチです。特に、数値的な傾向を見る定量調査に加えて、人の思考や感情に迫る定性調査を取り入れると、ブランドが提供すべき価値を深く掘り下げることができます。
ここでは代表的な手法を紹介します。

グループインタビューでターゲットの価値観を深掘りする

少人数でのディスカッション形式によるグループ調査がおすすめです。ブランドや商品に対する率直な意見を交わしてもらうことで、潜在的なニーズや感情的なインサイトを発見できます。ブランドコンセプト策定の際に「どんな価値が刺さるのか」を把握するのに有効です。

ワークショップで社内外の視点を融合する

ランドが持つ価値を言語化するためのアイデアを、対話や共同作業の中から引き出すのには、ワークセッションもおすすめです。社内合意形成やインナーブランディングにも役立ちます。

デプスインタビューで個人のストーリーを引き出す

1対1でじっくり聞き取りを行い、購買動機やブランド体験を深掘りする調査。顧客が自覚している欲求だけでなく、背景にある価値観やライフスタイルも明らかになり、ブランドストーリーづくりに直結するインサイトが得られます。

インターネットリサーチで幅広い生活者の声を収集する

オンライン調査パネルを活用して、大規模に生活者の意識や態度を把握する調査です。短期間で幅広いターゲットの意見を収集できるため、ブランドコンセプトの方向性を検証する初期段階に有効です。定性調査で見つけた仮説をインターネットリサーチで裏づけるなど、他手法と組み合わせることで精度が高まります。

ブランドコンセプト策定のポイント

効果的なブランドコンセプトをつくるためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。

消費者の潜在的なニーズを代弁する

ブランドコンセプトを作る際は消費者の「潜在的」なニーズを代弁することが重要です。
これは顕在化されたニーズだけを満たしても、消費者に感動や驚きを与えづらいということが背景にあります。例えば、無印良品のブランドコンセプトは、「これがいい」ではなく「これでいい」です。
これは各社が商品の質にこだわりすぎた結果、単価が引きあがり「そこまでの性能は求めていない」という潜在的なニーズに応えたブランドコンセプトであると言えます。
多くの人が感じてはいるものの、言葉にできていない欲求を探すことが非常に重要です。

分かりやすく簡潔にする

ブランドコンセプトは理解しやすいシンプルな言葉や表現を用いることが好ましいです。思いを多く入れこみたくなりますが、ブランドコンセプトは、一言で言い表せて、消費者が直感的に理解できることが重要です。
ブランドコンセプトは「消費者に想起を喚起する」ものでもあるため、その観点でも思い出してもらいやすく印象に残る表現の方が理想的です。

独自性を打ち出す

他社と同じような言葉では差別化が難しいため、自社ならではの価値を強調する必要があります。

ブランドコンセプト策定のためのマーケティングリサーチをお考えなら電通マクロミルインサイトにご相談ください

ブランドの核であるブランドコンセプトをつくるには、生活者の本音や価値観を正しく捉える調査が欠かせません。ターゲット理解から価値の言語化まで、リサーチを通じて確かなブランドコンセプト策定を支援します。

電通の卓越したマーケティングコミュニケーションノウハウ

広告会社として多くのブランド戦略を立案している電通と共同でプロジェクトを実施した経験から、リサーチでのブランド価値の調査だけでなく、ブランド価値を向上するための具体的なノウハウについても豊富な事例を有しております。

徹底した生活者理解に基づく、ブランド価値の探索

私たちの強みである、お客様の課題に向き合い多面的なデータの分析によってブランドの課題を特定する、というアプローチはブランド価値向上にも活用できます。ブランドは生活者の感情を動かすものであり、そのためには生活者の理解が欠かせないからです。
顧客起点のブランド価値、ブランドコンセプトの導出をお手伝いいたします。

ブランドコンセプト策定のためのマーケティングリサーチをお考えなら電通マクロミルインサイトにご相談ください。

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執筆者|株式会社電通マクロミルインサイト 経営企画 マーケティングプロジェクト 編集チーム
ホームページコンテンツの企画、監修、執筆を担当。
マーケティングリサーチのセミナーや自主調査企画も実施。
監修|芦沢広直 株式会社電通マクロミルインサイト シニアリサーチスペシャリスト
旧:電通リサーチ(現:電通マクロミルインサイト)に入社後、マーケティングリサーチャーとしてメーカー・サービス会社・官公庁・媒体社のマーケティング戦略に関わる調査に従事。㈱マクロミルネットリサーチ総合研究所研究員を経て現職。消費者意識の変化、ニーズの発掘とブランド価値の設定、コミュニケーション戦略の検証プロジェクト実績多数。

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